私は矢野文宏と申します。現在インドのIT企業で通訳・翻訳をしていますが、職歴は日本の中学・高校での教員からはじめました。2校で合計4年間教えた後、2年間の通訳学校での勉強を経て現職についています。

会社からは「日本人と仕事をする上で文化やマナー面で気をつけるべき事、というテーマでトレーニングしてくれ」といった要望があり、それに応えて(私には日系企業での勤務経験がほぼないのですが……)通翻訳の傍らで約2時間程の英語でのトレーニングを不定期で実施しており、参加者から概ね好評をいただいています。

CELTAをどこで知ったか、いつ取得したか

2001年〜2002年にイギリスのシェフィールド大学に交換留学生として派遣され、TESOLの授業を履修した際に教授が紹介してくれました。

それも、「TESOLはあくまでも理論だから、教室での実践を習う上ではCELTAが役に立つ。教壇に本気で立とうと思っているなら、受講をすすめる。」と、強い推薦の言葉と共に紹介していただきました。

2005年6〜7月に、タイのバンコクにあるECCタイランドという英会話学校に併設されているCELTAコースを受講し、1ヶ月の集中トレーニングを修了して無事CELTAを取得しました(一番低いPassでしたが・・・取得者の92%はPassだそうです)。

CELTAとは何か

日本ではあまりCELTA自体が資格として認識度が高くありませんが、CELTA自体は英語ネイティブが英会話学校などで語学教師としてのキャリアを始める前に取得しておく事が望ましいとされている資格です。

ブリティッシュカウンシルなどでも教師の採用条件としてCELTAなど資格をもっているかを加味するそうです。

タイでのコース概要

  • 期間) 1ヶ月(集中コースではなく、半年間などの物もあるようです)
  • 授業) 学校にいるのは1日約6〜8時間でフルタイム
  • 課題) 1000字〜2000字の英語エッセー(+リーディングアサイメント)週に1本、計4本
  • 実習) あり (1時間×6本 授業準備(教案作成・教材作成)も必要)
  • 生徒) タイ人中心、ベトナム人と日本人各一人のクラス。教師1 : 生徒15位

なぜタイで受講したのか?

この1ヶ月のCELTA集中トレーニングコース自体は、日本でもイギリスでも、というか世界中どこでも開催されています。

値段は先進国だと大体、4000 USD位(アメリカの値段)です。国内ではブリティッシュカウンシルが扱っていましたが、数年前にコース提供をやめてしまったようです。

神戸では約30万円で取得できるみたいですが、私が取得したECCタイランドでは1400 USDで取得できました(日本のECCとは無関係だと個人的には思います)。更に、滞在費などもタイなので格安で済みます。

ECCタイランドではざっくりした受講条件として

  • 最低18才、できれば20才以上が望ましい(応相談)
  • 英語講師としてOKなレベルの書く、話すが出来る
  • 英語講師としての資質があって、実習やエッセーをしっかりできる

事を上げています。

CELTAを使った就職の例

マレーシアで募集している英語教師のポジションです。(他にTEFLなどもありますが)CELTA取得者も対象になっています。

給料は月に7,849 〜 10,196 MYR(大体日本円で22万〜)となっており、日系企業で現地採用として仕事をする人の1.5〜2倍の給料です。正直こういった仕事は英語ネイティブを雇うケースが多いと思います。

ですが、タイで私がCELTAコースを受講した際に授業見学をさせてもらったのはイタリア人の先生でした(この先生の授業が微妙だったのでそのへんは今度書きたいと思います)。

最近フィリピンとのスカイプ英会話などが日本でも認知され始めている中で、ノンネイティブでも(日本人でも)英語力、また教師としての指導力があれば採用されると私は思っています。

日本の英語教師で、この上記コースを修了できる人が割合としてどれくらいいるのかな、と考えてみると個人的には気が重くなります。

だからこそ、現在大学生で将来は英語教師になろうとしている人、現在も英語教員をしている人には、まずはこのコースを取得できるレベルになり、実際に履修して欲しいと思っています。

絶対的な指標にはなりませんが、私の体験からどのくらいの英語力が必要なのか、そもそもなぜこれを本気で取得しようと思ったか、コースでは具体的にどんな事をしているのか、なぜ日本の英語教育にこれが必要と思うのか、等を次回以降こちらで書いていきたいと思っています。