こちらは「世界中で英語講師になれる国際資格CELTAとは」の続編です。
私の英語力の推移
今回はかなり恥ずかしい過去を晒すことになりますが、正直な所を書こうと思っています。私は帰国子女でもない日本生まれの日本育ちで、小学5年から近所の英語塾に通いはじめました。
最初は英語が分からず、This is a pen.の「this」の中に「is」があるのだから、This a pen.でなんでダメなのかという質問をする程で、単語を覚える努力もしませんでした。
結果、人生初の単語テストは15問中0問正解で0点、という最悪なスタートでした。しかし何とか勉強の仕方がわかり、徐々に得意科目になりました。
高校時代)英検2級
↓
大学受験時)全国模試 偏差値 約65
↓
大学3年)TOEIC730
↓
英国交換留学、1年勉強後)TOEIC820
↓
就職→辞職→タイ半年留学後)TOEIC905 ※2校目赴任時
↓
通訳学校時)TOEIC945
今でこそインドのIT企業で通翻訳をしていますが、現状の私の英語力もまだまだです。同時通訳レベルの方々からしたら足元にも及ばない、危なっかしくて見ていられない程度のレベルです。
TOEIC820の意味
英国から戻り、日本で卒論を英語で書きました。当時は自分を英語ができる人間だと思っていました。しかし、今その卒論を読むと、苦しくて悶えます。本当に酷い英語だからです。
イギリスに留学中お世話になった教授達は、当時の私が書いた低レベルな論文を読み、単位を出さないといけなかったのだな、と思うと本当に申し訳なく思います。
TOEIC820単体だと、正直な所使い物になりません。社会人経験や実務での使用環境があって、専門分野(例えばITのソフトウェアの話など)でなら、TOEIC820でも大丈夫でしょう。
でも、しっかりした英語というレベルかというと、はっきり言って心もとないレベルだと思います。
初任は都内某上位中高一貫校
そんな私が最初に赴任したのは東京の上位中高一貫校でした。そこはProgressという教科書を使用していました。検定教科書で教える英単語は中学3年間で約1000ですが、Progressを使うと1500以上学習し、高校レベルの文法も扱います。
恥ずかしい話ですが、中学生相手の教材で自分の知らない単語や文法事項に何度も出くわしました。
高1で塾に行っている生徒から「塾の宿題でわからないところがあるのですが」と質問をされても即答できない物もありました。それなりのレベルの学校に進学する高3の授業では、ボロを出さないよう、必死に準備しました。
週16時間の担当クラスの内、12時間分は問題なく回りました。生徒からもそれなりに信頼され、テストの平均点などでも問題はありませんでした。問題は残り4時間でした。
授業崩壊
一般論として一貫校では中学3年位が一番荒れると言われていますが、私もそれを体験しました。英語力・指導力の不足で、中学3年の授業が成り立たなくなりました。
一番衝撃的だったエピソードを紹介します。ある日授業のために教室に入ったら、電気が消えていました。机が左右に別れており、生徒全員が教室の真ん中に馬蹄形で体育座りをしていました。黒板に、
先生ありがとう、そしてサヨウナラ。
転職しても、頑張ってください!!
と書いてあり、ある生徒から笑顔で「不況だけど転職活動、頑張ってくださいね」と笑顔で言われ、「転職雑誌・とらばーゆ(無料)」を手渡しされました。
最近は「モンスターチルドレン」などという恐ろしい言葉もあるらしいですが、身から出たサビとはいえ、自分に降りかかるとは思ってもおらず、ひたすらショックでした。
まぁそこでどう対応するかというのも大事なのですが、適当にごまかすという最低レベルの対応をして、半ば意識のないままイマイチな授業をしました。
原因は自分、辞職を決意
「教えながら学ぶもの」「みんな最初はそう」と、同僚からはありがたい言葉をかけていただきました。しかし、自分の指導力・英語力が不足していることに原因があると思いました。
一応学校は、あの学年の担当からは外すものの次年以降も教諭として残す方針だったらしいのですが、私としては何かがおかしいと思っていました。
こんな感じで生徒や周りの教員に迷惑をかけながら仕事をするより、一年間英語を勉強することに集中して、CELTAを取得して来ればOKなのではないか?履歴書も空白にならないし、英語教員は毎年日本中で募集がある。
英語力さえあって、ちゃんと受験指導ができる人間であれば雇ってもらえるはず、と思って辞職を決断しました(旅行したかったし)。
今になってみると、この思考は日本の学校への理解が足りなかったと思っています。日本の学校から教員への要求は教科指導ができて当たり前で、事務方・生徒指導をどれだけソツなくこなすかが本当の評価の対象になります。
教科指導しか見ていない私と日本の学校の求めるものの間でミスマッチがあったのですが、そこに気がつくのはもっと後の話でした。生活費や英語学校、CELTAなどを調べた結果、とりあえずタイに行く事を決めました。
追記)今回のいじめについては、私の見解をこちらにまとめまています。