TESOLとは
TESOLとは、Teaching English to Speakers of Other Languagesの略で、英語が母国語ではない人々向けの英語教授法に関する資格のことをいいます。要するに英語を教えるための資格のひとつです。
広い意味では非ネイティブ向けの英語教授法に関する学問分野だったり、英語教育の学会名称だったりしますが、概ね英語を教えるための資格という意味で使われます。
「テソール」、「ティソル」、「テソル」などと読みます。
TESOLは世界中さまざまな認定機関に学習コースが用意されており、広く認知されています。そのため、世界中で英語を教えるのに有効な国際資格のひとつと言えます。
また、英会話スクールによっては講師の募集要項にTESOLなど英語教授法の資格保有を条件にしているところもありますので、講師は英語指導スキルが一定水準に達していることの証明としてTESOLを取得することもあります。
TESOLで学ぶ内容
TESOLの資格にはdoctor、master、diploma、certificateなどありますが、学べる内容はおおむね以下のようなものです。
- 最新の第二言語習得理論
- 語彙、文法、発音などの教授法
- 話し方、聞き取り方、書き方の教授法
- プレゼンテーション方法
- 評価法
- 教材発掘法
非ネイティブに対して、言語学的な知見や、コミュニケーション論、英語を学ぶ上でのポイント、どう英語力を評価するか、どのような教材を用いるべきか、などを学ぶわけです。
英語力に関しては英語を教える人間として学ぶので、それなりに高い英語力を求められます(TOEFLiBT100点、IELTS7.0程度など)。
ただし、認定機関やコースによっては TOEFLiBT61、TOEIC 650、IELTS 5.5程度で良い場合もありますので学びたい学校の入学基準を確認しておきましょう。
実際に当サイトスタッフがTESOLコースを受講した際の体験記もありますので興味ある方はそちらもご覧ください。
TESOL資格のある講師について
上に書いた通り、TESOLの有資格者といっても大学院博士課程や修士課程で学ぶ専門的なものから、学士課程のコース、8週間程度で取得可能なコースまで習得方法はそれぞれ異なり、もちろん難易度も変わってきます。
博士課程の人は研究に進むケースがほとんどだと思いますが、英語講師の場合、TESOLの資格を持っているといってもさまざまな種類があるということですね。
気をつけなければいけないのは、TESOLはあくまで資格ですので、TESOLを持っているから英語講師として優れているというわけではありません。
基本的にどの分野でも同じだと思いますが、資格というものは中級以上であることの証明をするものでしかありません。資格があるなしについては、おおよその目安程度にとどめておくのが良いでしょう。
その他の英語教授法に関する資格
TESOL以外にも、英語教授法に関する資格としてTEFL、TESL、CELTAなどがありますので、違いについて説明します。
TEFL、TESLとの違い
TEFLは、Teaching English as a Foreign Languageの略で、非英語圏における英語教授法のことです。TESLは、Teaching English as a Second Languageの略で、英語圏における第二外国語としての英語教授法のことです。
これだけだと意味がよくわかりませんが、要するにTEFLは日本や中国など非英語圏で英語が母国語ではない人に英語を教える資格。TESLはアメリカやカナダなど英語圏で英語を第二外国語として教える資格ということです。
そのため、TEFLやTESLは英語が母国語ではない人に英語を教える資格という意味では共通していますので、あとは教える国が違うだけで大きい括りではTESOLと同じ意味となります。
TESOLとCELTAの違い
CELTAはイギリスのケンブリッジ大学が認定している英語教授法の資格です。TESOLはトリニティカレッジロンドンが認定するCertTESOLの知名度が高いのですが、それぞれの国や団体で認定機関が異なります。
そのため、認定機関ごとに入学基準や評価基準が異なるので権威性や統一性という意味ではCELTAの方が分かりやすい、と言えるかもしれません。
また難易度については、TESOLの認定機関やコースによって異なりますが、一般的にはCELTAの方が難しいようです。
そしてTESOLはレクチャー中心で理論寄りで、実践においてはCELTAの方が役に立つことが多い、とも言われています。(CertTESOLはおよそCELTAと同様の資格として見なされるという話も聞きます)
当サイトでコラムを執筆いただいた通訳の矢野さんもCELTAを取得されています。