英語ペラペラのエンジニアを目指す岩田(@iwaking)です。大阪と京都に計4つの校舎を持つ「KEC外語学院」に行ってきました。
今まで50校近くのスクールに行ってきましたが、なんだか最近の英会話業界は二極化してる気がします。月5,000円以下の格安英会話スクール、月15万円以上かかるコーチングスクール。
ただ個人的には、コーチングのように大人の外国語習得論に基づいたレッスンや宿題があって、でもコーチングほど高くないスクールを探してたんですよね。
KEC外語学院はまさにそんなスクールでした。「理論→実践」という効果的なレッスンで90分x週2回たっぷり学んで、宿題も必ず出るんです。
支払いは月謝制ではありません。6ヶ月もしくは1年分を支払います。
大手だと「生徒が辞めにくいから」という理由で一括払いにしているケースもあります。
ですがKEC外語学院からは「英語は甘くない。本気なら6ヶ月以上やってほしい。私たちも全力で応える」という意気込みのようなものを感じましたよ。
KEC外語学院に行ってきました
KEC外語学院の母体であるKEC教育グループには45年の歴史があります。
KEC外語学院には、梅田本校、なんば校、枚方本校、京都校の4校舎、そのほかオンライン・バーチャル・スクールがあるんですが、私は梅田本校に行ってきました。
北新地駅や西梅田駅から歩いて約3分です。
なんと名古屋、静岡、福井などから通っている生徒さんもいるそうです。驚きですよね?
看板に書いてあるように、KEC教育グループは外語学院のほかにも、ビジネススクールやコンピュータスクールなど色んな教育系サービスを展開しています。
入るとまず受付があります。広々としていますが、内装はシンプルです。オシャレな感じではありません。
教室はいくつもあります。それもそのはず。
KEC外語学院だけを見ても、英会話コースをはじめ、TOEIC、TOEFL、英検、通訳、日本語教師養成と、レベルとゴールに合わせた様々なコースがあるんです。
この日の流れは、こんな感じでした。
- ヒアリング&スクール説明
- レベルテスト
- 体験レッスン
担当してくれたのは、木村さんと古屋敷さんです。
いや、実は「さん」というより「先生」というべきなんです。KEC外語学院は、かなり大きな規模にもかかわらず、スクール説明から学習相談まですべて講師が行っているとのこと。
ここからすでに、ほかのスクールとは違う「本気」を感じましたね。
ヒアリング&スクール説明
まずは英語学習の目標について聞かれました。私の短期的な目標はネイティブと問題なく会話できること、長期的にはネイティブとほぼ同じレベルで会話できることです。
あとはTOEICスコアを見ながら、リスニング力とリーディング力のバランスや、リスニング力を伸ばすために音声変化を勉強していることを話しました。
そして木村先生と古屋敷先生がスクールについて説明してくれましたよ。
ここから書いていくのは、おもに「英会話コース」について。まず料金がこちらです。
KEC外語学院の料金(英会話コース) | ||
---|---|---|
週2回 | 6ヶ月 | 267,300円 (月44,550円) |
1年 | 435,600円 (月36,300円) |
|
週1回 | 6ヶ月 | 170,500円 (月28,416円) |
1年 | 267,300円 (月22,275円) |
※税込。1回90分のレッスンです。
そして英会話コースについて聞いた特徴を、大きく3つに分けてまとめました。
- 大人に効果的な「理論→実践」
- 宿題もこなす、真剣な人のみ募集
- 「教育第一主義」のサービス
大人に効果的な「理論→実践」
公式サイトでも最初に目に入った「外国人と話しているだけでは、英会話は習得できません」の文字。KEC外語学院は「初心者でもネイティブとたくさん話せば伸びる」なんていう、無責任なことは言いません。
KEC外語学院は「大人になって英語をやり直すなら、日本人講師と基礎を身につけてから英会話に移ったほうがいい」と考えています。
子供は本当に上達が早いですよね。幼児~小学生ぐらいで5年ほど海外に住むと、かなりペラペラになる子が多い。でも大人は子供と同じように英語漬けの環境にはいないですし、どうしても母国語の影響を受けてしまいます。
だから子供と大人には異なるアプローチが必要で、大人だったら理論から攻めるほうが効果的。これには私も賛成です。
そこでKEC外語学院では、オリジナルの「TP指導方式」を導入しています。
- T(Theory)=日本人講師による「理論クラス」
- P(Practice)=外国人講師による「実践クラス」
理論クラスは、日本語をすばやく英語にする「口頭英作文」がメイン。重要となる文法がレベル別に組み込まれています。これを実践クラスで「使える状態」にするんですね。
さらにあとで詳しく紹介する宿題を含め、「読む、聞く、話す、書く」の四技能を伸ばしていきます。
初心者でも、6ヶ月で5W1Hを使った疑問文を使いこなせるレベルまで持っていけるそうですよ。
宿題もこなす、真剣な人のみ募集
ハッキリ言ってしまいますが、KEC外語学院は「気軽に週1回ほど英会話を楽しみたい」という人には向いていません。
毎日1時間の学習が目安
真剣な人のみといっても、スパルタだとか、怒られるとか、そういうわけではありません。「宿題を含めて、毎日1時間でいいから正しい方法で学習しましょう」ということ。
いまのところ生徒さんが宿題をやってくる確率はほぼ100%。仕事で英語がいるというモチベーションの高い人が多いのと、あとはクラスメイトに恥じないようにという心理的な部分もあるそうです。
週2回の曜日固定クラスにできるだけ参加
最近の「気軽に通える系スクール」は、自由に予約ができたり、何回でも振替できたりするスクールが多いんですよね。
ただ本気で英語を伸ばしたいなら、どうしても外せない仕事ができたのでないかぎり、英語を優先するべきだと思うんです。
KEC外語学院は、理論クラスが週1コマ90分、実践クラスが週1コマ90分、計週2コマがデフォルトです。クラスは担任制、曜日固定制。振り替えもできますが、できるかぎり自分のクラスに参加するのが約束です。
そのほうがカリキュラムに沿って、同じ講師に学べますからね。
キーワードは「目標達成」
みなさんが英語を習うのは、なにか目標があるからですよね?海外駐在したいとか、ミーティングでもっと発言したいとか...。英語ができればチャンスが広がるという方も多いと思います。
宿題を含めて毎日自習すること、曜日固定クラスに出席すること、もちろんこれらもKEC英語学院が「目標の達成」を大切にしているからです。
さらにオプショナルですがコーチングのようなサービスもあるんですよ。こちらは通常の授業料にプラスで年間5万円。月あたりに直すと4,000円ほどです。
定期的なテストやカウンセリングがあり、また1週間のスケジュールを立てて振り返りもします。
コーチングスクールほどのサポート(毎日のやりとりなど)はないと思いますが、年間50,000円というのは格安です。月額で考えると4,000円ちょっと。コーチングスクールは月15万円が相場ですからね。
講師にある程度は管理してもらえたほうが頑張れるという方にはオススメです。
「教育第一主義」のサービス
「英会話スクールなんだから、教育第一に決まってるじゃん」って思いますよね?でも利益ばかり考えるスクールが多いのも事実。体験レッスン後にしつこく勧誘してくるなんてスクールは要注意です 笑。
まずKEC外語学院には営業専門のスタッフがひとりもいません。ヒアリングやスクール説明、学習やコースについての相談もすべて講師自身が対応。これはかなり珍しいケースです。
もちろん講師が外国人のみというスクールの場合、そうはできないのも分かります。ですが、やはり教育の面から見ると、講師がすべて対応してくれることで質の高いサービスにつながっていると思います。
ほかにも「教育第一主義」を掲げるKEC外語学院ならではのサービスがあります。
補習が無料
生徒さんがやむを得ずレッスンを欠席して振り替えも難しいとき、クラスでレッスンに付いていけてない生徒さんがいるときなどは、補習を無料で行っています。
フリートークが無料
基本的に実践クラスは、理論クラスで学んだことを練習する場なので、完全なフリートークではありません。
ですがせっかく英語を学んでいるんだから、たまにはルールに縛られず気軽に会話がしたい!と思いますよね?もちろんフリートークでしか話せないトピックや、フリートークでしか学べないフレーズもあります。
KEC外語学院は、ネイティブ講師によるフリーカンバセーションもほぼ毎日実施しているんですよ。
自習室を開放
空いている教室を自習室として開放しています。レッスン前後のほか、今日は仕事は休みだけど勉強したいというときにも気軽に足を運べますね。
レベルテストを受けました
レベルテストは三段階でした。
- 外国人講師のスピーキング
- 日本人講師の口頭英作文
- ライティング
この日は時間が限られていたので簡易版でしたが、普段はこの3段階のテストを計1時間ほどかけて正確にチェックするそうです。
外国人講師のスピーキング
スピーキングテストをしてくれたのはヴェルザ先生。「How are you?」からはじまり簡単な自己紹介をして、なぜ英語を勉強しているかという質問に答えました。
次に先生への質問はあるか聞かれ、どのくらい日本に住んでるか、また実践クラスの進め方について聞いてみましたよ。
日本人講師の口頭英作文
次は古屋敷先生による口頭英作文。先生の日本語をすばやく英語にします。
- 明日天気が良ければ、ピクニックに行く
- 兄は私より5歳年上だ
など、なんとかすぐに英語に直せるものから、
- 台風によって破壊された橋をすぐに修復するのは無理だ
などかなり難しい文章まで。
私は口頭英作文に似ている瞬間英作文をやりこんでいたので、このようなテストにはけっこう慣れていました。
最後は簡単にライティングをしてレベルテスト終了。
もらったフィードバックがこちらです。
ライティングや文法のレベルは高め、一方で発音やイントネーションは弱点とのこと。色んな角度から入念にテストしてくれる、このあたりにもKEC外語学院の「生徒第一主義」を感じました。
いよいよ体験レッスン
古屋敷先生の理論クラスを体験しました。「give, get, have」という3つの動詞を使った口頭英作文です。
直訳してしまうと「あげる、受けとる、持つ」みたいに限定的な使い方しかできないように感じてしまう動詞ですよね?でも実はコロケーションでもよく使われる、バリエーション豊かな動詞です。
まずは「cold(風邪)」を使って、3つの動詞のイメージを捉えます。
先生:「彼女に風邪を移された」は、なんて言いますか?
私:She gave me a cold.
先生:そうですね!では「I」を主語にすると?
私:I got her cold.
先生:Good! じゃあ「風邪を引いてます」は?
私:I have a cold.
先生:正解。では「彼女のせいで」とつけると?
私:I have a cold because of her.
つまりイメージで、「give」は主語から目的語になにかが渡ること、「get」はその逆、「have」はなにかを持っている状態と覚えるわけですね。
次々と文章を作っていきます。
先生:「上司のせいで辛い」は?「辛い時間をくれる」と表現しましょう。
私:My boss gives me a hard time.
先生:正解!「いつも」を付けると?
私:My boss always gives me a hard time.
先生:Good! これに「you know」をつけたら話しかけてる感じになりますよ。
私:My boss always gives me a hard time, you know.
正しい英文を古屋敷先生に続いて何度もリピート。強弱やリンキングについても教えてくれます。
さらに「hard time」を「headache(頭痛)」にして、
- My boss gives me a headache.
上司のせいで頭痛がする。
主語を人ではなく「プロジェクト」に変えると、
- This project gives me a headache.
プロジェクトのせいで頭痛がする。
とできるとのこと。名詞を入れ替えるだけでも、色んなパターンが作れるんですね。勉強になります!
先生:じゃあ「15分待ってください」は?
今までなら「Please wait for 15 minutes.」と言ってしまいそうなところですが、こちらも「give」を使えるということですよね。
私:Please give me 15 minutes.
これも、
- Please give me three more days.
あと3日待ってください。 - I will give you 15 minutes.
あと15分待ちます。
と応用できます。さらに「give you」は「ギブユー」ではなく「ギブヤ」のように発音するとのアドバイスも。
私が昔やっていた瞬間英作文は、文法をマスターするのには役立ったんですが、少し不自然な文章が多かったのが気になっていたんですよね。ネイティブはこんな言い方しない、みたいな。
でもこの口頭英作文は自然な文章ばかりで、発音についてもアドバイスがもらえます。これをくりかえせば、自然なフレーズが自分でも作れるようになると感じました。
テンポ良いレッスンだったので、このほかにも書ききれないほどの文章が「give, get, have」の3つだけで作れました。気になる方は、ぜひ体験レッスンに行ってみてください。
先生:レッスンでは常に誰かが当てられる状態です。しかも誰が当たるか分からない。だからほどよい緊張感が続くんですね。90分レッスンですが、もっと短く感じるとよく言われます。
理論クラスの口頭英作文で学んだ表現は、実践クラスで使いこなせるレベルまで持っていきます。
例えばこの日の「give, get, have」だったら、理論クラスで作った英文を応用しながら、
- Did you get a cold from your coworkers?
同僚から風邪移されたの? - Did you get a hard time from your parents?
親のせいで大変だったの?
など生徒さん同士で聞きあったり、先生の質問に答えたりするんですね。自分の実体験に置き換えて文章を作ることもあります。抜けている部分を自由に埋めて、
- ( )gave me a hard time when …
- My boss gave me a hard time when I asked for a few days off.
数日間休みを取りたいと言ったら、上司によく思われなかった
と作ったり。自分の状況に合わせて文章を作る練習ができるのは、実用的でいいですよね。
さらに理論クラスで学んだ英文は、宿題としても出ます。日本語を聞いて、自分で英語を口に出して、正解の英語を聞くという流れ。スマホでもできますよ。
宿題には「英作文」や「単語」もあります。英作文については、その週の理論クラスで学んだフレーズでダイアログを作ります。作ったダイアログは講師が添削。
単語については、このように英検のテキストを使います。
このテキストの特徴は、単語を文脈で覚えられること。例文をシャドーイングすることで、発音も使い方もいっしょに覚えるそうです。単語はレッスンのなかで、ちゃんと覚えてきたかチェックするそうですよ。
ほかのクラスを見学
この日は平日の夕方。ほかの教室でもレッスンが行われていました。
こちらはフリーカンバセーション。だんじり祭りについて、会話が弾んでいました。
次はレベルが高めの理論クラス。決まったフレーズを使いながらインサイダー取引について話したりと、内容は難しそうでしたが、体験したレッスンと同じように口頭英作文が中心のようでした。
次に覗いたのがTOEICクラス。解答のコツなどを説明していましたよ。
あとは実践クラス。初心者向けのようで「There is~、There are ~」を使って会話していました。
KEC外語学院に行った感想
良かった点
- 理論→実践と、大人に効果的なメソッド
- 宿題や補習あり。確実に力がつくシステム
- 真剣なクラスメイトと切磋琢磨しあえる
口頭英作文がメインの理論クラスで文法や発音を身につけて、それを実践クラスや宿題で使いこなせるレベルまで持っていく。学んだことを確実にできるメソッドだと思いました。
また生徒さんがお互いモチベーションを高め合いながら本気で学習し、講師も本気でサポートする、これもKEC外語学院の魅力だと感じましたね。
英語を上達するには正しい学習法で、しっかり続けることが大切。このスクールは学習法とやる気が続く環境、どちらもそろっていると思いましたよ。
気になった点
- クラスの人数は10名を超えることも
- 大阪駅や梅田駅からは10分弱歩く
クラスの定員は、理論クラスが最大12名、実践クラスが最大6名です。この日は少人数のクラスもありましたが、土曜日は10名前後のクラスもあるそうです。
常に誰かが当てられているので、参加型のレッスンであることは間違いないです。ただやはり10名を超えると、ひとりひとりの発言をチェックしてもらえる時間は少なくなると感じました。
気になる方は、理論クラスについては土曜日を避けるのがいいかもしれません。
また校舎は大阪駅や梅田駅からは10分弱歩きます(教育第一主義なので、広告、賃貸、内装にかかる費用はできるだけ抑えているそうです)。仕事で座りっぱなしの方も多いと思うので、いい運動と考えましょう!笑
総評:本気の人が結果を出せるスクール
KEC外語学院は「コーヒー片手にネイティブと会話を楽しんで、インスタに載せたい」という方には向いていません。
レッスンにはできるかぎり出席して、宿題も必ずやる、というモチベーションの高い人に向いています。そんな本気の生徒さんに、プロの講師たちが本気で応えてくれるスクールだと感じましたよ。
ちなみに講師の方たち、とてもフレンドリーです。決して話しかけにくい感じではないので、ご安心を。無料の個別ガイダンス、合同説明会、体験レッスンについてはこちらに詳しく書いてあります。
ぜひ試してみてください!