リピーティングとは、具体的にどんな学習法で、どのような効果があるのでしょうか?

リピーティング

こんにちは!編集部のKyokoです。私は英検1級を取得しているのですが、そのレベルになるまで色んな学習法を試しました。とくにリピーティングはかなりやりこんだ学習法です(時間数でいうと約500時間)。

リピーティングは特に「リスニング」や「発音」に大きな効果を発揮します。

リピーティングをやりこんだおかげもあって、英検1級のリスニングスコアは徐々に伸びていき、二次試験の面接では「発音」に20点満点をもらえました。

英検1級の結果
リピーティングはリスニングと発音に効果がありました

この記事では、リピーティングの進め方、その効果、そしてオススメの教材を紹介していきます!

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英語のリピーティングとは?

リピーティングとは、

音声を聞いて、それをマネして声に出すこと

です。これはみなさん知っていますよね(笑)。中学や高校で英語の先生が「Repeat after me.」と言い、生徒があとに続いてリピートしていたのとほぼ同じものです。

具体的には音声を静かに聞き、一旦ポーズ(無音)にしてから、自分がマネして話します。リピーティングでは音声と同時に自分が話すことはありません。通常はコンマがある所や、接続詞の前などで音声を止めます。

リピーティングのイメージ

リピーティングって、実は赤ちゃんが母国語を覚える過程と似ているんです。大人が語りかける言葉を、赤ちゃんは必死にマネしようとしますよね。

そう考えると、リピーティングが英語学習においても大きな効果を発揮することは自然だと思いませんか?

効果的なリピーティングの方法・手順

  1. まず教材を選びます。英語学習用テキストでもドラマでもいいですが、音声(CD)+スクリプト(字幕)がついているものにしましょう。ただ、この段階ではスクリプトは見ません。
  2. 音声(CD)を流します。まずは1文もしくは1つの会話文をまるまる聞いて、全体の意味や概要をできるだけ理解します。
  3. 1文のなかでポーズがある箇所(スクリプトでいえばコンマや接続詞の前)で音声を止めて、リピーティングします。例として私が高校時代に使っていたNHKのラジオ英会話教材を見てみましょう。

NHKラジオ英会話のテキストの一部(公式サイトより)

カギを失くしたと探しまわっているお父さんに、娘のジーナが、

Well, we could go back to the mall and check the stores we went to.

と言います。この文章なら、

Well(止める)we could go back to the mall(止める)and check the stores we went to.

と3つに分けることができます。(止める)の部分で、聞いた音をできるだけ忠実に再現して声に出します。聞き取れない単語があっても、何度かチャレンジしてみましょう。文脈から分かってくるかもしれません。

  1. ここで初めてスクリプトを見ます。聞き取れなかった単語や、理解できないままマネしていたフレーズを確認します。スクリプトを見ながらリピーティングや音読を繰り返しましょう。
  2. スクリプトを閉じます。そして音声をまるまる1文流して、リピーティングします。1度はスクリプトを確認しているので、一字一句ほぼ完ぺきにマネできるよう頑張りましょう。

リピーティングのあとでスクリプトを確認して、再びリピーティングをすることで、自分が聞き取れていなかった単語や発音できなかった音が浮き彫りになります。

ちなみに少し慣れてきたら、目からの情報を完全に排除するために、ステップ4を飛ばすのもあり。さらに慣れたら、ステップ3~4を飛ばして、始めからまるまる1文のリピーティングに挑戦するのもいいと思います。

自分の発音を録音してみて、あとでお手本と聞き比べてみるのもオススメ。英語学習では「自分はなにができていなのか」に気づくことが大切です。

リピーティングの効果は?

リスニング力が上がる

少し難しい話になりますが、誰かと話していて「相手の意図がよく分かった」と感じたときには、私たちの脳はすでに2つのステージを経ているといわれます。

それが「音声知覚」と「意味理解」。どちらか欠けていると相手の話を理解することはできません。

音声知覚と意味理解
分かりやすく日本語に訳していますが、イメージが湧くのがベストです

  • 音声知覚:耳に入ってきた英文を、正しく単語に分類できる
  • 意味理解:既に持っている文法や語彙の知識を使って、文章全体の意味が理解できる

私たちにとって、日本語の「音声知覚」は簡単です。話が分からないと感じるときは、話題が難しすぎる、単語を知らないなど、自分の知識が足りていないせいで「意味理解」ができていないことがほとんどなんです。

つまり、私たちは日本語であれば「意味理解」に多くの労力を使えています。ですが英語だと「そもそも何を言っているか聞き取れない=音声知覚ができていない」ことがよくあります。

リピーティングでは、ひとつひとつの母音や子音を正しく聞き取れるようになるほか、ネイティブが自然なスピードで話すときに起こる「音声変化」にも慣れることができますつまり「音声知覚」に役立ちます。

リピーティングは「意味理解」にも役立ちます。「dog」と聞いて「dog...あー、犬のことか!」と日本語に直す人はほぼいないでしょう。英語を聞いてすぐに頭のなかに犬のイメージが浮かぶのではないでしょうか。

聞きなれている英単語やフレーズなら、日本語を介さなくても理解できるのです。それが習いたての単語だったり、意味は分かるけど聞き慣れていないフレーズだったりすると、理解するのに時間がかかります。

繰り返し音声を聞いて自分でも声に出すことで、日本語に訳すというステージを少しずつ省けるようになります。また意味のカタマリごとにマネをするので、英文を前から前から理解していく力にも繋がりますよね。

このようにリピーティングはリスニング力アップに最適な学習法なのです。

正しい発音や抑揚、リズムが身につく

リピーティングでは、ネイティブの声が耳に残っているうちに、自分でマネして声に出しますよね。そのためスクリプトを見て自己流の発音で音読するよりも、格段に効果的な発音練習になります。

ひとつひとつの母音や子音の練習にもなりますが、音声変化、また文章全体のアップダウン、ポーズ、スピードなどにも効果的です。

ちなみに先ほど紹介したリピーティングの手順においては、

  • ステップ2(こま切れのリピーティング):ひとつひとつの母音や子音、音声変化
  • ステップ4(まるまる1文のリピーティング):抑揚やリズム

を、より意識してみましょう。

短期記憶が鍛えられる

例えばTOEICのリスニングには、30秒ほどの音声を聞いて、3つの質問に答える設問があります。メモするのは禁止。つまり内容を一時的に記憶しなければいけないのです。

リピーティングでは、自分で声に出すまで(少しの間ではありますが)聞いた音を記憶しておきますよね。そのため短期記憶のトレーニングになります。

英語の面接で「これに賛成ですか反対ですか?反対の場合は代替案も述べてください」など一度に2つ以上の質問をされたときにも、きっと役立つと思いますよ。

スピーキング力が少し上がる

リピーティングをしていると、今まで「なんとなく概要は理解できた」と感じていた音声のなかにも、聞き取れていなかった単語や発音できていなかった音があることに気がつきます。

冠詞が抜けていたり、SとShを混合してしまっていたり、ですね。それらをひとつずつ修正していけば、スピーキングでも正確な文法と発音で話す力が身につくと思います。

リピーティングをするときの注意点

読んだら簡単に理解できるレベルの教材を選ぶ

みなさんはTOEICを受けたことがありますか?リスニングの内容って、リーディングよりもだいぶ簡単ですよね。なぜならリーディングは自分の好きなスピードで進められるし、いつでも読み返せるからです。

リピーティングに使う教材は「読めば簡単すぎるくらいのレベル」がちょうどいいのです。まずは、知らない単語はほぼゼロ、という教材を選びましょう。

ネイティブの音声が付いた教材を選ぶ

リピーティングは、いわば「そっくりそのままマネすること」です。ネイティブらしい発音やスピードを身につけるためにも、王道といわれるアメリカ英語やイギリス英語の音声がいいと思います。

アメリカとイギリス

リピーティングとシャドーイングの違いは?

よくリピーティングと混合される学習法に、シャドーイングがあります。シャドーイングとは、音声を止めることなく、影(シャドー)のように音声を追いかける形で声を出す学習法です。

シャドーイング

自分の声で音声がかき消されてしまうことや、リスニングとスピーキングを同時に行うことから、シャドーイングはリピーティングよりもハードルが高いといえます。

ですが一度音声を止めるリピーティングに比べて、音声を追いかけるのがシャドーイング。聞いた音を自己流に変えて発音する時間がないので、よりお手本に近い発音で話すことが可能です。

そういう意味ではシャドーイングのほうがリスニングの第一ステップ「音声知覚」への効果は高いかもしれません(発音できる音=聞き取れる音 になるため)。

またリピーティングと同じように、シャドーイングもリスニングの第二ステップ「意味理解」に役立ちます。英語を英語のまま理解する力が伸びるということですね。

ちなみに「オーバーラッピング」も聞いたことがあるかもしれません。お手本の音声とほぼ同時に声を出すトレーニングですが、スピードの面以外にはあまり効果がないと思います。

ほかに「音読」という学習法もありますね。スクリプトを見ながら、自力で声に出して読む学習法です。英語を前から理解していく力、文字で覚えがちな単語を音で覚える力に繋がります。

リピーティングとシャドーイングは両方ともリスニングに効果があります。リピーティングのほうが簡単なので、まずは同じ文章を使って「リピーティング→音読→シャドーイング」を繰り返すのがいいと思いますよ。

リピーティングにオススメの教材

音読パッケージトレーニング(著:森沢陽介氏)

音読パッケージ
音読パッケージ(Amazonより)

音読パッケージとは、音読+リピーティング+シャドーイングがセットの、森沢氏オリジナルのトレーニング法です。この教材のいいところは、CDにあらかじめリピーティング用のポーズが入っていること。

まずはスクリプトなしで限界までリピーティングに挑戦し、そのあとスクリプトを見たときに「文字と音声が一致していることに納得する(=耳を合わせる)」という作業をすることが大切だといいます。

単語や文法も中学レベルなので、初心者でも安心して使えますよ。実際に利用した人の口コミもあります。

スーパーエルマー

スーパーエルマー

TOEICのリスニング対策にも人気のスーパーエルマー。ニュース記事を使って、前から意味を理解していくための教材です。この教材も音源が「意味のかたまり」ごとに区切ってあるので、リピーティングにぴったり。

こちらは実際に使って感じた効果や、オススメの勉強法をまとめた記事があります。口コミ(20件)も参考にしてくださいね。

TOEICや英検のリスニング(問題集や模試)


TOEICの新形式対応の公式問題集(画像はAmazonより)

TOEICのリスニングは、内容自体は難しくありません。公式の問題集を使って、リスニングパートのリピーティングをすると、TOEICのスコアアップにも繋がると思いますよ(上記テキストの口コミはこちら)。

また英検は5級~1級まで選べるので、どんなレベルの方にも対応しています。

これらの教材は聞き取りやすくクリアな英語なので、とっかかりやすいと思います。スクリプトはもちろん、単語や熟語の解説がついている過去問や模試が多いので、語彙力アップにもなると思いますよ。

NHKのラジオ英会話

NHKラジオ英会話
公式サイトより

私が高校時代にディクテーションやリピーティングに使っていた教材。TOEICや英検のリスニング問題に比べて、より自然な会話に近いため、実践的な内容にチャレンジしたい方にオススメです。

解説もかなり丁寧ですよ。NHKラジオ英会話の教材に対する口コミ(21件)もご覧ください。

イングリッシュセントラル

English Central

英語学習用の動画サイト。英語学習用といえど、有名人のインタビューの一部を切り取ったものなど、ナチュラルな英語が聞けるサイトです(こちらも口コミが46件もありますよ)。

しかも字幕はもちろん、単語の穴埋めクイズや、発音の自動認識機能までついています。色んなレベルとテーマに分かれた動画が1万点以上あるので、リピーティング練習にもぴったりだと思いますよ。

ドラマや映画、ニュースなど

上級者の方は、ネイティブも見るようなメディアを使って、リピーティングに挑戦してみましょう。セリフを覚えてしまうくらい何度も見たドラマや映画、またBBCなどのニュースもいいですね。

リピーティングは、コツコツ続ければ効果大!

いかがでしたか?リピーティングはとても効果の高い学習法です。私が英検1級に合格するには、絶対に必要だったと断言できます。リピーティングには、

  • リスニング力が上がる
  • 発音や抑揚、リズムが身につく
  • 短期記憶が鍛えられる
  • スピーキング力が少し上がる

などの効果があります。これらはシャドーイングでも期待できる効果です。リピーティング+音読+シャドーイングをセットでやってみると、リスニング力や発音がぐっと伸びると思いますよ。

もちろん、すぐに効果は表れないかもしれません。根気よく、1日20~30分でいいのでコツコツ続けてみましょう!

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Kyoko

岡山県生まれ広島県育ち。大学では英語音声学を勉強し、卒業後はシンガポールとカナダの語学学校で日本人スタッフとして3年間勤務していました。現在はカナダ東部のトロント在住、好きなこと(もの)はダンスと柴犬。英検1級、TOEFLiBT113点取得。中国語も勉強中!
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