photo by Jirka Matousek

こんにちは、上田裕美です。前回の記事では、自己紹介がてらこれまでの英語学習歴についてお話させていただきましたが、今回は在韓中に通っていた国際大学院について、ご紹介したいと思います。

国際大学院とは、すべてのプログラムを英語で行う大学院です。院によって異なりますが、学べる専門領域は国際関係学もしくは韓国学に限られています。在籍している学生は韓国籍の学生と留学生が半々程度の院が多いようです。

韓国の国際大学院の概要については、「英語で学ぶ、韓国の大学・大学院留学のススメ 」という記事でご紹介してありますので、興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね。

語学学校のテキストに国際大学院が紹介されていたことをきっかけに

私は夫の仕事の都合で、昨年末まで4年ちょっと韓国ソウルで暮らしましたが、在韓中にソウルにある国際大学院に進学し、韓国学の修士号を取得しました。

そもそも、いわゆる駐在妻だった私がどうして院に進学することになったのか?という経緯ですが、きっかけは非常にシンプルで、「当時通っていた韓国語の語学学校のテキストで紹介されていて、面白そうだと思ったから」です。

その当時、「韓国語もある程度身につけたし、残りのソウル生活をどう過ごそうかな?」とぼんやり考え始めていた頃だったので、ぴったりのタイミングで楽しそうな選択肢を見つけ、「これだ!」と盛り上がってしまったのです。

まずはネット、知人・友人経由で、国際大学院についての情報収集

とはいえ、それまでは国際大学院という存在すら知らなかったので、とにもかくにも一体どんなところなのか調べてみようと、インターネットおよび知人・友人経由で、情報収集をすることに。

手始めにネットでざっと検索してみたところ、韓国の国際大学院というマニアックな存在に関して日本語の情報はほとんどなかったので、各院のホームページを英語で調べました。

同時に、知人友人経由で国際大学院を知っていそうな相手を探し、紹介してもらった何人かに、メールもしくは直接に会いに行って話を聞き、情報を得ることができました。

このとき、運良くネット経由で、当時国際大学院に在学中だったTくんと知り合うことができ、直接Tくんの具体的な経験談を聞くことができたため、大学院進学をぐっと具体的に考えることができるようになりました。

想定以上に「容易」かつ「安価」だった国際大学院進学

そうしたごくごく簡単なリサーチの結果、国際大学院は想定以上に「容易」かつ「安価」に進学できそうだ、ということがわかってきました。

まずは入学申請のための手続きですが、各院のホームページによると、「以下の書類を揃えて提出」し、「書類審査を通過した場合のみ面接を受けること」、とものすごくシンプル!

  1. 英語力の証明
  2. 推薦状二通
  3. 研究計画書
  4. 志望動機書
  5. 大学の卒業証明書、成績証明書

つまり、個別の学力試験などは一切なく、実質的には上記の書類を揃えるだけでOKということです。さらに、(1)英語力の証明はTOEFLやIELTSの他、なんとTOEICでも可とのこと!ますますハードルが下がります。

上記の事実に加え、前述したTくんから聞いた情報が、さらに背中を後押ししてくれました。

  • 国際大学院にとっては、入学を希望する学生数を増やすために、国際色豊かな校風のアピールは非常に重要。そのため、在籍する留学生の出身国を増やしたい。その点、ほとんどいない、日本国籍の申請者はかなり有利。
  • 必要な英語力は目安としてTOEIC Aクラス。
  • 書類審査通過後の面接はごくごく簡単な内容。提出した研究計画書および志望動機書に記載した内容を説明する程度。

ここまでで、しっかりと準備さえすれば、おそらく入学許可は出るんじゃないかという期待がむくむくとわいてきました。

次に費用面ですが、ここも院によって異なるものの、留学生数を増やしたいという院側の事情もあり、多くの院が留学生に対する奨学金を出していることもわかりました。

例えば、私が卒業した高麗大学国際大学院の場合だと、学期毎の審査はあるものの、なんと在籍留学生のうち成績上位半分は学費全額免除(!!!)、下位半数であっても学費半額免除(!)という奨学金が用意されていました。

同校のホームページによると、現在申請可能な2015年度秋学期であれば、学期あたりの学費は6,352,000ウォン(2015年月末現在のレートで換算すると611,062円)。

つまり、本来であれば卒業までの2年間で約240万円必要となるところ、一定の成績さえおさめていれば120万円、成績上位を保てば0円、で修士号の取得が可能ということになります。(※別途入学金は必要。学費半額免除のための最低GPAの条件あり)

と、この時点までくると、費用の課題もなんとかクリアできそうなこともわかったので、家族に相談した上で、本格的に韓国の大学院進学を目指すことにしました。

ちなみにこの段階では、大学院の過程を修了するまでソウルに滞在できるか、在学中息子を預けなくてはいけなくなった場合どうするか、といったいくつかの懸念点は残っていました。

が、夫と「先のことは考えても仕方ない。対応が必要になった時期にまた考えよう」という合意ができていたので、あまり気にしないことに。

そういうわけで、大学卒業以来約10年ぶりの学生生活を目指して、入学申請の準備を進めることになりました。次回の記事では、大学院入学に向けて具体的にどういった準備を行ったかについて、お話したいと思います。