手軽に行ける海外旅行先として人気の韓国。ここ数年間に韓国を訪れた日本人数は年間300万人を超え、韓国ドラマやKPOPアイドルの影響で韓国語を学びに来る日本人も急増しています。

ところで、韓国では韓国語だけではなく、英語も学べることをご存知でしょうか。

韓国で国際関係学を英語で学ぶ

韓国の一部の大学では、すべてのプログラムを英語のみで行う国際大学および国際大学院を備えています。特に有名なのは各校の頭文字をとったSKYという略称で呼ばれるソウル大学、高麗大学および延世大学です。

専攻は国際関係学に限られますが、これらの教育機関では入学の必要条件として韓国語能力を問われることなく、英語能力およびその他の条件を満たしていれば、入学を認められます。

アメリカやオーストラリアといった従来から留学先として一般的な英語圏でもなく、また日本でもほぼすべて英語で学べる環境を整えている教育機関があるにもかかわらず（国際基督教大学や早稲田大学国際教養学部など）、どうしてわざわざ韓国に行く必要があるのだろうかと疑問に感じる方も多いかもしれませんので、ここで韓国の国際大学および国際大学院に留学するメリットをご説明したいと思います。

費用面でのメリット

まずは、費用面です。たとえばアメリカと比較した場合ですが、大学だと年間で約50〜150万円、大学院だと約220〜330万円の学費に加え、居住費、生活費など月あたり10〜20万円程度が必要となります。

一方韓国の場合、大学だと20〜100万円、大学院だと50〜100万円、居住費、生活費などは月5〜15万円程度で済み、留学費用を低く抑えることができます。また、長期間の留学の場合、日本へ一時帰国する際の航空券代も大きく変わってくるでしょう。

さらに、大学院の場合、Dual Degree Programといい、一定の条件を満たせば韓国の大学院および提携先の海外の大学院の両方から修士号を取得できる方法もあります。

つまり、韓国の大学院へ学費を納め、一年は韓国、もう一年を英語圏あるいは日本で学ぶこともできるのです。

日本国内で学ぶ場合と比較すると、学費面ではそう変わらないものの、親元から通学するのではない限り、居住費および生活費はやはり低く抑えられると考えていいのではないでしょうか。

英語圏への留学よりも、英語での交流が必要となる環境

次に、他の外国人留学生および韓国人学生との交流のしやすさもメリットとして強調しておきたいと思います。韓国の国際大学、国際大学院は留学生の受けいれに熱心です。

国際大学院の場合、留学生は全体の約半数を占めており、その出身国はアジア各国はもちろん、欧米諸国、南米、アフリカと多岐にわたっています。

身も蓋もない話になってしまいますが、英語圏に留学したからといって、その国の英語ネイティブの友人を作るのはそうそう容易なことではありません。

なぜならば、自国で普通に生活している彼らの多くが日本に特別な興味を持っているわけではなく、外国語を習得する苦労を理解しているわけでもないからです。

つまり、彼らにとって、文化背景が異なり、英語も拙い日本人と友人になる積極的な理由はそれほどないのです。

一方、韓国であれば、わざわざ韓国に留学しに来ているぐらいなので、韓国はもちろんアジア全般に興味を持っている留学生がほとんどです。

友達が作り易い？

また、韓国人学生は日本語を学んだ経験があったり、日本文化に関心を持っている人も多いです。

さらに、旅行もしくは韓国語を学びに来る日本人は山程いても、国際大学および国際大学院で学ぶ日本人学生はあまりいないので、せっかく留学したのに日本人同士で固まってしまうという事態も発生しようがなく、否が応でも英語でのコミュニケーションをとらざるを得ない状況に自分を置くことができます。

もちろん留学先での生活をどう過ごすかは本人次第というのは大前提としても、英語圏への留学と比べて、英語ネイティブはもちろん世界各国からの留学生とも、韓国人学生とも交流しやすい環境が整っているということができるのではないでしょうか。

一方、日本国内へ進学する場合、留学生が日本に強い興味を持っているだろうことは確実ですが、もともとの英語力およびコミュニケーション能力に加え、自己コントロール力が相当高くない限り、日本人学生と固まりがちになってしまうだろうことは容易に想像できます。

まとめ

まとめていうと、英語で専門課程を学ぶ選択肢において、韓国の国際大学および大学院への留学は、英語圏への留学と比べてややハードルが低く、それでいて、日本国内に進学した場合では得られない、留学ならではの経験を味わうことができる、ということになります。

また、従来に比べて韓国を始めとしたアジア諸国との関係がますます重要になりつつある昨今、英語圏で学ぶ以上のメリットを得られる可能性も高いのではないでしょうか。

これから大学もしくは大学院留学を考慮する場合、韓国の国際大学および大学院もその選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。