「世界の公用語」といわれるほど、各国で広く使われている英語。世界196ヶ国のうち、英語を第一言語とする国は12ヶ国(人口約3億4千万人)。公用語/準公用語とする国は50ヶ国以上(人口約6億人)にものぼります。

世界中の手紙やポストカードの75%が英語で書かれている、というデータもあります。また毎年出版される本の35%、新聞の半数以上が英語だとか。英語が世界の中心にある言語だと分かります。

公用語と第一言語の違いは?英語圏ってなに?

まずは「公用語(準公用語)」と「第一言語(=母国語)」の違いをおさえておきましょう。

  • 公用語:ある国や地域が、公的機関で使うことを義務づけている言語
  • 第一言語:ある人が、生まれて一番最初に身につけ、日常的に使用している言語

日本の公用語は日本語、そして日本人の大半は日本語を第一言語としていますよね。ですが他国を見ると、必ずしも「国の公用語」と「国民の第一言語」は一致しません。

カナダの公用語は英語とフランス語ですが、両方を日常的に使う人はかなり稀。移民が多いので、英語とフランス語以外の「第一言語」を話す人もたくさんいます。

そして、英語が公用語もしくは国民の大半の第一言語である国や地域をまとめて「英語圏」と呼びます。

英語が公用語(準公用語)・第一言語の国一覧

赤字は、日本人の語学留学先として人気が高い国です。

ヨーロッパ

イギリスアイルランドマルタ/ガーンジー島/ジブラルタル/ジャージー島/マン島/欧州連合

★注 アイルランドではアイルランド語が第一公用語、英語は第二公用語ですが、国民の第一言語という点では英語が優勢です。マルタではマルタ語と英語が公用語。欧州連合では英語も含めて加盟国の26言語が公用語という扱いです。

北アメリカ

アメリカ合衆国カナダ

★注 実はアメリカには国家レベルの公用語はありません。例えばロサンゼルスにはヒスパニック系が多いため、スペイン語がよく話されます。ですが国全体を見ると日常でも公的にも英語が普及しているので「英語=事実上の公用語」と表現されることもあります。

中央アメリカ

アンティグア・バーブーダ/グレナダ/ジャマイカ/セントクリストファー・ネイビス/セントビンセント・グレナディーン/セントルシア/ドミニカ国/トリニダード・トバゴ/バハマ/バルバドス/ベリーズ/アメリカ領ヴァージン諸島/アンギラ/イギリス領ヴァージン諸島/ケイマン諸島/タークス・カイコス諸島/プエルトリコ/モントセラト/シント・マールテン/キュラソー島

南アメリカ

ガイアナ/フォークランド諸島

アジア

フィリピンシンガポール/香港/インド/パキスタン/イスラエル/ブルネイ/グアム/クリスマス島/ココス諸島/北マリアナ諸島

★注 フィリピンやシンガポールといった、最近増えている「アジアの英語留学受け入れ先」が目立ちます。ちなみにインドの公用語はヒンディー語で、英語は準公用語。シンガポールでは英語、中国語、マレー語、タミル語の4つが公用語です。

オセアニア

オーストラリアニュージーランド/フィジー/キリバス/サモア/ツバル/トンガ/ナウル/バヌアツ/パプアニューギニア/パラオ/ニウエ/ミクロネシア連邦/マーシャル諸島/ソロモン諸島/アメリカ領サモア/クック諸島/トケラウ諸島/ノーフォーク島/ピトケアン諸島

アフリカ

南アフリカ共和国/ウガンダ/ガーナ/カメルーン/ガンビア/ケニア/ザンビア/シエラレオネ/ジンバブエ/スワジランド/セーシェル/ソマリランド共和国/タンザニア/ナイジェリア/ナミビア/ボツワナ/マラウィ/モーリシャス/リベリア/ルワンダ/レソト/スーダン/南スーダン

大西洋地域

セントヘレナ/バミューダ諸島

語学留学には「国民の第一言語が英語」の国がベスト

これらの国と地域では英語がある程度通じると言えます。ですがこの膨大なリストから、語学留学に行く国を決めるとなると、どのような基準で選べばいいか悩んでしまうのでは。

まず、英語には2種類あります。アメリカ英語を基にした英語、イギリス英語を基にした英語です。両者にはつづり、文法や語法、単語の面でさまざまな違いがありますが、お互い通じないということはありません。

有名なのは発音の違いで、アメリカ人は R を強くはっきりと発音して T は弱く発音するのに対し、イギリス人は R を強調しない代わりに T をはっきり発音することなどが知られています。

イギリス英語が使われている国や地域は、イギリス本国のほか、オーストラリア、ニュージーランド、香港、シンガポール、マレーシア、インド、バングラデシュ、パキスタン、アフリカ諸国、中南米など。

これにはイギリスが20世紀中頃まで、世界各地に植民地を抱えていたことが関係しています。イギリスで高等教育を受けた人々が行政を担うことで、国家の独立後も英語が使われ続けることになったのです。

一方、アメリカ英語が使われている国や地域は、アメリカ本国のほか、カナダ、フィリピン、リベリアなど。

しかし上に書いたように、英語が公用語であっても、国民への浸透度や通じる度合いには差があります。色んな言語を話す民族がいるから、共通語として公的には英語が用いられているだけの場合も。

そのため語学留学に行きたい方は、英語が通じる国や地域から、下記2つの基準に合う場所を選ぶことがポイントです。

  • 英語が日常的に使われている(=多くの国民の第一言語である)
  • アメリカ英語/イギリス英語のうち、身につけたいほうの英語が使われている

具体的に英語が第一言語の国には「アメリカ、イギリス、アイルランド、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ共和国」の7ヵ国が挙げられます。

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