語学学校で失敗しない方法と日々の勉強法

こちらは「TOEICスコア850への道「前編」東大生の英語力の実際のところ」の続編です。

さて、韓国人や台湾人やラティーノに囲まれた語学留学生活。どんな内容だったのか、そして、そこで心がけたことは。

TOEIC630から三ヶ月で895(留学終了時のスコア)までになった理由は。ノウハウだけでなく、雰囲気もお伝えしたいと思います。

アメリカの授業(褒める!褒める!褒める!)

語学学校の先生たちは、ノンネイティブに英語を教えるキャリアを積んできた方ばかりでした。

一番印象に残っているのが、ジーナというドイツ系のたくましい体つきの女性で、アフリカで英語教育に長年携わっていた方でした。

この人、本当に人格者というか人間的魅力がある人で、生徒みんなから慕われていました。今でもアフリカに英語を教えに行ったりしています。

日本にも来ていました。この人の授業が、とにかく生徒をアゲる。というか、人として尊重する感じ。

リーディングとライティングの先生だったので、課題図書を読んで行くわけなんですが、みんなまだ英語力がないので読めないし読めても上手く表現できない。

「このセンテンスには何が書いてある?」と言われてもごにょごにょして答えられないわけです。

すると、”Is this a good thing or bad thing?” とか聞かれるので、”Good.” と答えると、「そうだ。それがあなたの意見だ。よくできた」って言うんです。

アジアから来ている生徒はこの雰囲気にびっくり。アジアの先生とは違うねと話していました。こんなふうに一人の大人として扱ってもらえて、何であれひねり出したものが「よくやった」と認められる。

これがアメリカってとこなのかなあと思ったものです(大げさですが)。もちろん、先生の性格もあったでしょうけど。この先生にはアフリカの文化や音楽もたくさん紹介してもらいました。

「私がアフリカで教えた子たちはもうほとんど生きていないだろう」という台詞を今でも覚えています(アフリカは内戦で子供が兵隊として戦ったり、犯罪発生率がべらぼうだったり、エイズの蔓延やらで南アでも平均寿命が40才くらい)。

語学留学での工夫

少し話が脱線しました。勉強の話に戻ります。学校のカリキュラム自体はそれなりにちゃんとしたところであればそう変わらないと思います(文法とリーディングとライティングとスピーキングでした)ので、心構えや工夫を書いてみます。

日本語使わない。勉強しない日本人とつるまない

日本語は、帰国するまで一言もしゃべりませんでした。ずっとです。大学交流か何かで来ている大量の日本人学生は、ずっと仲間同士で日本語でしゃべり、ホールにあったテレビで日本の番組を観ていました。

これはいけません。姿勢がとかじゃなくて語学学習的に。私が作った友達は、韓国、台湾、中国、ペルー。ずっと英語で話していました。

日本人でも、ちゃんと勉強する気で来てる人たちとはずっと英語でした。トロくても下手でも気にしない。

ホームステイ先でももちろん英語です。というか、英語しか通じません。あとテレビも何もかも英語だからとにかく嫌でも聴きまくる。

外国語で情報処理するのってものすごく疲れるんですが、ぐったりしても当然終わらないというスパルタ教育状態です。

日本に帰った後、電車でしゃべっている中高生の声が日本語以外の何かに聞こえたほど、脳が切り替わっていました。

言葉の基礎構造+頭になじんでるか+量

これを三ヶ月やった結果、最後のTOEICでは895が出ました。自分でもびっくりでした。

結論として、やっぱり量ですねという身も蓋もない話になるわけですが、今振り返ってみると、基礎的な英文法(中学レベル)は分かっていたのと、音読をずっと続けていたのが大きくプラスに働いたと思います。

文法マニアになって翻訳してしまうとドツボにはまりますが、やはり言葉の基本的な構造は知らないとどうにもなりません。

中学英語はちゃんとやったほうがいいと思います。プラス、これは個人的な体験なので万人に当てはまるか分かりませんが、音読は本当にいい訓練だと思います。

その言語に頭がなじみ、一言一句翻訳せずにその言葉のまま理解する訓練になります。発音も不思議と綺麗になりますよ。

とはいえ、まだまだ

とはいえ、TOEICスコア800点台のレベルはまだまだ小学校高学年レベル。帰りの飛行機では、UCDavisのパーカーを来ていたらアメリカのビジネスマンにスカウトされたのですが、何を言っているのか分かりませんでした。あれにはがっかりしました。

現時点では、英語シャワーの環境がないので落ちないように努力しているわけですが、一番最近受けたTOEICで850くらいなので少し下がっています。

現在の勉強法

実力キープ(もちろん向上も)のためにやっているのが、多読と海外ドラマの視聴と文法の復習です。

多読は挫折しない程度のものを音読も含めてたくさん読み、海外ドラマを英語字幕で観ています。文法は、”Grammer in Use Intermediate” という洋書で勉強しています。

多読と海外ドラマで英語を浴び、分かりやすい文法書でルールを知っていくという感じでしょうか。

文法は「暗記する!」と思うと挫折する上に「英語を日本語に暗号解読する」という害悪を生むので、ルールブックを読む感覚でやっています。

忘れたらまたその表現に出会ったときに調べて、繰り返して頭に少しずつ定着すればいいかと思います。

留学前のやり方も含め、私の勉強法に一番近いのが、元ジャパン・タイムスの記者の伊藤サムさんが提唱する「やさしく、たくさん」です。

とにかく苦にならないレベルの基礎からたくさんこなす。これが挫折もしないしいい方法です。詳しくは、「英語は『やさしく、たくさん』中学レベルから始める『英語脳』の育て方」(伊藤サム)を読むといいでしょう。

長くなりましたが、現在の英語力に至るまでの道のりと今の勉強法を書いてみました。好評であれば、番外編としてアメリカで出会った人たちや異文化のことなど書くかもしれません。