2022年11月下旬に日本英語コーチング協会(JELCA)が主催する『英語コーチング・アワード 2022年秋』の表彰式がありました。
このアワードは受講生がエントリーをし、外部選考委員による審査によって行われるのですが、4部門中3部門をイングリッシュカンパニー(ENGLISH COMPANY)の生徒さんとトレーナーのペアが受賞しました。
本日はこの3人のトレーナーから話を伺う機会を得たのでこの記事にまとめておこうと思います。
英語コーチング・アワード 2022年秋について
英語コーチング・アワードは日本英語コーチング協会(JELCA)が主催している、英語学習者を応援するプロジェクトです。
英語コーチングを提供する各社で受講した方が対象となっており、大賞を受賞された方には賞金10万円が贈呈されます。
JELCAは株式会社スタディーハッカー(イングリッシュカンパニーやストレイルを運営)、トライオン株式会社 (トライズを運営)、株式会社スパルタ英会話(スパルタ英会話を運営)など英語コーチングスクール事業者が会員として所属しています。
アワード 2022年秋では、「スピーキング部門」「TOEIC Speaking & Writing部門」「TOEIC Listening & Reading部門」「Kids部門」の4部門において、大賞4組が選出されました。
選考においては以下の評価基準をもとに5名の外部選考委員により審査が行われました。
- 英語力の変化(試験スコアの変化を含む)
- ストーリー性(なぜ挑戦したのか、挑戦によってどう変化したか)
- 学習のストラテジーのよさ(学習カリキュラムによる効果)
- 目標到達度(受講前に決めた目標への到達度)
- チームワークのよさ(コンサルタントとのエピソードや関係性)
選考委員は大学教員、TOEICを行うIIBC、日本経済新聞社などによって構成されています。
長崎県立大学 教授 山崎祐一 様
立教大学 外国語教育研究センター
英語担当 教育講師 小塚 暁絵 様プロサッカー選手 元日本代表
ハーフナー・マイク 様 一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)様株式会社日本経済新聞社様
どのように受講生の英語力を伸ばしたのか、受賞のトレーナー3人に詳しく聞いてみました
大賞を受賞した3人のトレーナーのプロフィールは下記の通りです。
三橋 美沙トレーナー / イングリッシュカンパニー 新宿スタジオ
幼少期はタイのインターナショナルスクールに通う。アメリカ大学への留学後はイギリス系大手人材会社に勤務、人材領域での実務英語力を磨いた。担当受講生の服部さんとともに、「TOEIC Listening & Reading賞」で大賞を受賞。
東 美保トレーナー / イングリッシュカンパニー 四条烏丸スタジオ
カリフォルニア大学バークレー校にて中国語を専攻しながら、言語学やバイリンガルの言語心理学を学ぶ。卒業後は国内メーカーで海外取引先を担当。その後は社会人向け英会話スクールに転職し、英語指導にあたった。担当受講生の羽山さんとともに、「TOEIC Speaking & Writing賞」で大賞を受賞。
堀 洋太トレーナー / イングリッシュカンパニー大学受験部 銀座スタジオ
大学卒業後、オーストラリア・ニュージーランドで実務経験を積む。帰国後、教育の世界に転身、早慶をはじめ難関大学への合格者を輩出した。ロンドンでも5年を過ごした。担当受講生の島根さんとともに、「Kids部門」で大賞を受賞。
イングリッシュカンパニーは第二言語習得論の知見に基づき受講生ひとりひとりの課題を分析し、各自の課題に合ったトレーニングを行っていることで有名なスクールです。
英語学習者が抱える課題はそれぞれ異なります。人によっては英語の音を知覚する力に課題があるかもしれませんし、音声は認識できてもその意味を理解するのに時間がかかっているのかもしれません。
今回話を伺った3人のトレーナーにおいても担当した受講生の抱える課題はそれぞれ異なりましたが、課題を正確に特定しその課題に対するトレーニングを適切に行うという流れは共通するものでした。
それでは実際にどのように課題を発見し、どのようにトレーニングを行ったのでしょうか。
リスニングの音声知覚を改善
三橋トレーナーが担当した受講生の服部さんは課題の一つに、リスニングの音声知覚(※1)があったそうです。
「音声知覚において特に音声変化(※2)の『連結』『弱形』『脱落』が起こる箇所の聞き取りが難しいようでした。リスニングだと内容が記憶に全く残らないものの、文字で書かれた状態だと内容を正確に理解することができたため、音と文字の結びつきが弱いという判断に至りました。(三橋トレーナー)」
※1)リスニングプロセスは「音声知覚」「意味処理」の2ステップによって成り立っている。音声知覚とは、発話された音声情報を単語として認識することをいう。例えば「ˈæpl」という音声を聞いて「apple」だと認識すること。
※2)音声変化とは、ネイティブが発音しやすいように音を変化させる現象のこと。
のように、まずは課題を正確に把握。その課題に対するトレーニングとして下記をされたそうです。
「英文の意味や発音を確認したうえで、チャンクごとに音読する練習をしていただきました。次のチャンクにどのような内容が来るかを予想しながら、意味内容をイメージしつつリズム良く音読するのを毎日続けていただきました。(三橋トレーナー)」
このようなトレーニングを粘り強く続けることで、服部さんは苦手としていた音声変化が含まれる箇所がスムーズに聞き取れるようになり、比較的長いスクリプトでも細かい箇所まで正確に聞き取れ、以前よりも内容を記憶にとどめることができるようになったそうです。
TOEICのリスニングパートは354点から450点まで上がり、リーディングも合わせるとTOEIC595点から3ヶ月で815点にまで成長したとのこと。
3ヶ月という短い期間ですごい成果ですよね。
リーディングの音韻符号化を改善
東トレーナーが担当した受講生は羽山さん。課題の一つに、音韻符号化(※3)があったといいます。
※3)リーディングプロセスは「単語認知」「音韻符号化」「意味処理」の3ステップで成り立っている。音韻符号化とは文字という視覚情報を頭の中で音に変換することをいう。例えば「apple」という単語を見て「ˈæpl」という音と結びつけること。
「書かれた英文を音読する際、頻繁に引っかかってスムーズに読めないという状況でした。自ずと、リーディングの次のステップである『意味処理』にも時間がかかっていました。(東トレーナー)」
そこで、ネイティブスピーカーのwpm(Words Per Minute: 1分間で読める単語の数)を参考に、目標タイムを設定した音読を実施してもらったそうです。
「スピードは感覚的な部分もあるので、定量的に「できた/できない」が判断できるようにしたのが狙いです。(東トレーナー)」
この結果、意味処理のスピードが上がり、受講開始時点の模擬試験では560点だったTOEICスコアが3ヶ月後には820点まで上がったそうです。リーディングの素点は46点から78点にまでなったとのこと。
こちらも短期間でかなりの点数アップだと思います。
イングリッシュカンパニーの専門性が高い理由
担当の受講生、島根さんと大賞を受賞した堀トレーナー。イングリッシュカンパニーの専門性が高い理由についても話を伺いました。
「イングリッシュカンパニーでは第二言語習得研究の知見やそれに基づく指導方針があります。また、入社してすぐ行われる新人研修や入社後も定期的に行なわれる教務研修も寄与していると思います(堀トレーナー)」
このように話す堀トレーナーも以前は別の学習塾で英語を教えていたのですが、そこでは確立された学習方針がなかったそうです。
「今は1つ1つのトレーニングの理由や目的を明確に理解し実施できているので、トレーナーとして自信を持ってサービスを提供できていると感じます。」
と堀トレーナー。提供しているサービスの質の高さの他に、やりがいについても語ってくださりました。
まとめ
英語コーチング・アワード 2022年秋で大賞を受賞したトレーナー3人の話はいかがでしたか。
膨大な時間を投入せずとも最大限の成果を出すイングリッシュカンパニーの学習メソッドの一端を知れたのではないでしょうか。
個人的な考えとして、英語学習はプロのコーチにしっかりと見てもらって取り組むのがもっとも効率が良いと考えています。もちろん自分だけで伸ばすのも無理ではありませんが自分で自分の課題を正確に認識するのはなかなか難しいものです。
スタディーハッカーが運営するイングリッシュカンパニー、ストレイルでは無料で課題発見やトレーニングを体験できます。
オンラインで体験も可能ですので、気になった人は気軽に試してみてはいかがでしょうか。