個人輸入ビジネスの実態

このところ、書店でも輸入ビジネスに関する本をよく見るようになりました。不況で給料もなかなか上がらないなか、自分もやってみようかなという方も多いのではないでしょうか。

そんなとき、一番の不安はなんといっても語学だと思います。海外の業者と英語でやりとりするなんて無理・・・そう思う方が多いと思います。

では実際のところ、個人輸入ビジネスに必要な英語力はどの程度のものなのでしょうか。私が現在行っている個人ビジネスを例に詳しく見て行きたいと思います。

私のビジネスの内容

現在、私は海外のコミックを翻訳して販売しています。台詞はもちろん英語。台詞の翻訳のほか、コンテンツを持っている相手方とのやりとりも英語です。

最初の交渉から作業の進捗報告、商売上の提案まで英語でやっています。相手はオランダの会社なので、英語ネイティブではありませんが、当然のように英語を使います。

オランダは小学校から英語教育が行われているので、流暢に操る人も多いようです。そして、私の英語レベルはTOEIC850点前後です。一般的には高いといわれるレベルですが、「英語を使いこなす」という段階には遠い水準です。

交わしている英語のレベルは・・・?

コミックの台詞

コミックの台詞は会話文なので、使われている語彙や文法は特別難しくはありません。基本的には中学英語レベルです。

スラングが多いのでたまに「?」となりますが、オンライン辞書や最悪グーグルでそのまま検索すればだいたいヒントになるページに行けますし、シチュエーションや文脈で想像がつきます。

むしろ、漫画の台詞なので、あまり厳密に逐一翻訳しないほうがよく、全体の意味が通るように新しく日本語を書き下ろすようにしたほうが自然です。

海外ドラマの台詞を文字でよく見るとものすごく不自然な日本語だったりしますが、英語なら自然なセンテンスでも、そのまま翻訳すると長くて説明口調のくどい文章になってしまいます。

ビジネス上のやりとり

ビジネス英語というと、相当レベルが高そうです。履歴書に書くときも、「日常会話」「ビジネスレベル」ですよね。商談なんかできるのかとお思いの方も多いと思います。実際のところはどうなのか。

結論からいうと、中学英語にやや手間ひまがかかるくらいです。どういうことでしょうか。私の場合、相手はオンラインの出版社でした。ネットでコミックを売っている会社です。

これがマニアックな業界であれば難しい業界用語が必要だったかもしれませんが、「あなた方のコミックを翻訳して日本で売りたい」くらいの話であれば中学英語プラス多少の語彙で充分コミュニケーションできます。

もちろん、ビジネスメールにはある程度の様式やマナーがあるので、それは書店で買ってきた英文レターの書き方といった本を参考にします。

最初は相手の反応もわからないので本を見ながら丁寧に書いておきます。安全第一。やりとりが始まると、相手も海外ドラマ「フレンズ」の会話くらいくだけた感じだったりします。

まあ、これは相手の会社によるかもしれません。私の場合は相手もたぶんそんなに大げさな会社ではないので、友達みたいなノリになっています。

どれくらいのレベルで会話しているのか、一例をあげてみましょう。

I've translated 11 of 46 pages for now. It takes about 30 minutes per page.

And I sent some pages to the designer as samples. He did good job for them.

これは私が相手に進捗状況を報告しているメールです。流暢なのかどうなのかはわかりません。なんとなく文法誤りがポロポロありそうな気がします。

向こうもよく綴りを間違えていますし、そんなに美しい英文を書いているわけではありません。非ネイティブ同士だとこんなものです。

ただし、最初は明確にこちらの言いたいことや聞きたいことが決まっているので楽ですが、何度もやりとりしていると、想定していた会話から外れたトピックになることがあります。

そうなると、一気に何の話をしているのかわからなくなります。わからないといっても、単語や文法がわからないというより、文脈が外れるので一瞬頭が混乱するイメージです。

じっと読むと意味自体はわかってくるので、がんばればついていけます。このように、通常の業務であれば中学英語で充分です。多くの方が興味を持っている個人輸入ビジネスにおいても、この程度の英語で事足りると思います。

ただし、正式に相手と契約書なり何なりを結ぶときは、きちんと経験のある弁護士などに頼もうと思っています。