今回は、イングリッシュカンパニーの「初級者向けコース」の体験授業を受けてきました。
これは、中高6年分の英文法を6か月で総復習するグループコース。学生時代に苦手だった英語が大人になって急に仕事などで必要になったりすることってありますよね。
それもどうせやるなら基礎からしっかりやり直ししたい!そんな人に最適なコースです。
とはいえ、挫折してしまったあの英語の授業を我慢しながらまた受ける、ということではありませんのでご安心ください(笑)
イングリッシュカンパニーは、今話題の英語コーチングスクール。学校で習った方法とは全く異なる、第二言語習得論に基づいた独自メソッドで効率的に学習を進めていきます。
体験授業を受けた感想をひとことでいうとしたら「英語を最初からこうやって習いたかった!」に尽きると思います。ぜひ体験レポートを参考にしてください。
イングリッシュカンパニーの「初級者向けコース」とは?
イングリッシュカンパニーは、大学受験予備校からスタートした「英語コーチングスクール」。トレーナーの専門性の高さが評判のスクールです。
第二言語習得研究の知見に基づいたパーソナルコーチングで有名になりましたが、そのメソッドを利用したグループレッスンはリーズナブルで質が高いと人気が高まっています。
グループレッスンは3段階のレベルがあり、初級者、中級者、上級者向けのコースが用意されています。
コース | 対象者 | TOEIC目安 |
---|---|---|
初級 | 中高6年分の英文法を学び直したい | 500点未満 |
中級 | リスニングやリーディングの精度をあげたい | 500〜800点 |
上級 | ビジネスレベルの英語を身につけたい | 730点以上 |
そして、今回ご紹介する「初級者向けコース」の特徴としては、
- 6か月 x 週120分の少人数トレーニング
- 英語をイメージでとらえる認知文法
- 読む、聞く、書く、話すをバランスよく
- グループで刺激し合いながらの自習
があげられます。順番に説明していきますね。
6か月 x 週120分の少人数トレーニング
トレーニングは週に1回、たっぷり120分間。グループレッスンとはいえ、3〜6名の少人数制のため、英語での発話量は結構多いです。
現在、全てのクラスがオンラインで開講中です。新クラスは毎月開講されていて、平日クラスと週末クラスがありますので、ライフスタイルに合わせて選択が可能。
半年間のカリキュラムは次の通り。見覚えはあるけれども忘れていそう...そんな文法項目がずらっと並んでいますが、これを6か月で完全制覇します。
文法 | |
---|---|
1か月目 | 単語の覚え方/文型/be動詞/現在形/過去形/助動詞 |
2か月目 | 文型/現在分詞/未来を表す表現/過去分詞/現在完了/知覚動詞 |
3か月目 | 不定詞/動名詞/使役動詞/比較 |
4か月目 | 関係詞/接続詞/助動詞と完了形/過去完了/分詞構文/仮定法/間接疑問 |
5か月目 6か月目 |
可算名詞・不可算名詞/前置詞/文法の総復習 |
また、上記文法以外にも単語や発音指導、クイックライティングなどをバランスよく加えていくそうですよ。
英語をイメージでとらえる認知文法
文法を学ぶ際、イングリッシュカンパニーでは「認知文法」という手法を使います。
これはネイティブのように英語をイメージとしてとらえていく方法。英文を読む時、前から順に文のかたまりのイメージをつくっていきます。
構文に当てはめながら日本語訳するのをやめることで、「英語を英語のままで」すばやくクリアに理解できるようになるんです。
これは体験授業でも試してきたので、レポートをご参考くださいね。
読む、聞く、書く、話すをバランスよく
「中高6年の文法を学び直すコース」と聞くと、講義を聞いたり読んだりがメインになるのかと思うかもしれませんが、書く、話すといったアウトプットもバランスよくやっていきます。
思ったより声にだすトレーニングをするんだなと、60分の体験授業をうけて驚きました。120分の本授業では、口が疲れるまで話すことになりそうです。
とはいえ、第二言語習得論は話せるようになるためにはまずは語彙・文法をインプットすることが必要だという考え。
「知らない単語で話す」とか「知らない文法で文をつくる」なんてことはできませんから、当然と言えば当然です。しっかり知識をインプットしつつ、アウトプットの練習もしていきます。
グループで刺激し合いながらの自習
グループで学習する一番のメリットは同じ目標をもった仲間ができること。パーソナルトレーニングでは手に入れられない「仲間の力」を借りたい人には最適です。
週1回のトレーニングが終わると、トレーナーよりメーリングリストで次回までの課題が全員宛てに送られます。これは1日1時間ほどの学習量となる自習課題。
各自、学習進捗を「Studyplus」というアプリに毎日記録。その後クラスメイトにメーリングリストで報告し合うのですが、これがいい刺激となり効果的に働くとのこと。
料金は?「全レベル対応コース」との違いは?
イングリッシュカンパニーでは、パーソナルコーチングをおこなう「全レベル対応コース」も初心者に対応しています。
どちらにしようかと迷っている人もいるかと思いますので、違いをみていきます。
「全レベル対応コース」には3か月と6か月のコースがありますが、ここでは、初級者向けコースと同様の6か月のものと比べています。
全レベル対応 コース |
初級者向け コース |
|
---|---|---|
トレーニング形式 | マンツーマン | グループ (最大5名) |
トレーニング時間 | 90分 x 週1回 | 120分 x 週1回 |
期間 | 6か月 | 6か月 |
入会金 | 55,000円 | 55,000円 |
受講料 | 679,800円 (113,300円/月) |
264,000円 (44,000円/月) |
トレーニング メニュー |
ひとりひとりの課題を発見してプラン作成 | カリキュラムに沿ってすすめる |
自習サポート | アプリStudyplus | アプリStudyplus |
個別カウンセリング | トレーニングと合わせて毎週 | 月1回 x 10分間 |
※全て税込みです
※初級者向けコースの教材費は11,990円、オンライン発送事務手数料が別途かかります
※全レベル対応コースは記載の料金に、別途市販教材費がかかります
大きく変わってくるのは、トレーニングメニュー。マンツーマンの「全レベル対応コース」であれば自身の弱点をピンポイントに強化できますし、発話量も確実に増えます。
とはいえ、文法を基礎からおさらいしたいという目的なのであれば、「初級者向けコース」のグループレッスンで網羅しますし、授業料は半分以下になります。
マンツーマンにこだわらずに、基礎から学び直したいということであれば、コスパのいいグループレッスンの「初級者向けコース」をおすすめします。
「初級者向けコース」のレッスンを体験!
イングリッシュカンパニーの「初級者向けコース」の体験授業を受けてみました。参加者は私をいれて3名。担当してくださったのは、辰巳トレーナー。
60分ほどの体験レッスンは、
- スクール紹介と学習メソッド(8分)
- 授業を体験1:認知文法とは?(10分)
- 授業を体験2:パタンプラクティス(15分)
- 初級者向けコースの紹介(5分)
- Q&Aタイム(15分)
という流れで進みました。詳しくご紹介していきますね。
スクール紹介と学習メソッド
まずは、イングリッシュカンパニーのスクール概要や学習法の紹介。
結果を残しているのは、第二言語習得研究の知見を得た、専門性の高いトレーナーがトレーニングをおこなっているから。
第二言語習得研究で英語学習の最短ルートとされるのは、「語彙文法」→「読む・聞く」→「話す・書く」という順番に重点をおいて学習すること。初級者向けコースでは主に「語彙文法」に取り組みます。
しかし3つを完全にバラバラにやると効率が悪いので、バランスよくおこなうのがいいそうです。初級者向けコースでおこなうのは「大量のインプットに少量のアウトプット」。
具体的には、
- 効率的に単語を覚える
- 認知文法にそって文法学習
- シャドーイングで音声トレーニング
- クイックライティングで瞬発力を強化
などをおこなうそうですよ。
授業を体験1:認知文法とは?
次は、実際の授業形式で、上記の4項目の中で最も基本の考え方となる「認知文法」による英文の捉え方を初体験しました。
扱ったトピックは「進行形」。まずはこんな1文を見るところからスタートです。
Taro is eating sushi now.
ついつい私たちは英文を見ると「太郎は、今、寿司を、食べています」のように、後ろから和訳してしまいますが、実際の会話でこのように訳していたらとても間に合いません。
そこでトレーナーから提案が。
では英語を英語のまま理解しましょう!
じゃあどうやって英語のまま理解するかですが、意識するのはたった2つのこと。
- 前から順番に
- イメージを思い浮かべながら(訳さない!)
では、ひとつひとつの単語をなるべく具体的に想像してみてください。Taro はどんなイメージですか?
「小学5年生くらいの少年」「もうちょっと上で中学生」「30歳くらいを想像しちゃいました」などとみんなで思い思いの「太郎像」を披露しました(笑)
じゃあ is は?...というと困ってしまいますね。というのも、日本人はbe動詞のイメージがないんです。
それは学生時代にbe動詞を「〜は、です」という訳で覚えてしまったから。そこでネイティブのもつbe動詞のイメージを見つけるために、別の文で考えてみることに。
たとえば This pen is….で会話がとまってしまうと、「どんなペンなの?」と次の言葉を待ちますよね。 つまりbe動詞は「説明するよ!」というイメージなんです。
be動詞でさえ、ネイティブの人たちにはイメージがあったとは驚きました。
そして進行形の動詞であるeating。進行形は動詞の意味に「動作の途中」のイメージが加わるとのこと。静止画ではなく動画のイメージという感じでしょうか。
この説明の後でもう一回「Taro is eating sushi now.」と聞いたところ、文字情報ではなく、なんとビビッドな映像になりました!これは経験したことのない感覚でした。
その後、長めの文章でも映像を思い浮かべるトレーニングをしましたが、回数を重ねるに従ってやりやすくなりました。これは繰り返し訓練することで身につきそうです。
この「英文をイメージで捉える手法」ですが、実はプロの現役通訳も実践している方法なんです。記憶を保持しやすくなるので英語力がグンとアップしますよ。
この癖がついて聞き取りが楽になると、会話をしていても自分が次に話すことを考える余裕がでてくるため、スピーキング力も向上します。
授業を体験2:パターンプラクティス
次は、認知文法を応用したパターンプラクティスというトレーニング。
私たちはパターン、つまり型を選んでしゃべっているとのこと。このトレーニングでは型を繰り返し練習して瞬間的に使えるようにしていきます。
今回は「現在分詞」を練習しました。たとえばこのような文章。
I’m thinking about him.
Bob is talking to his boss in French.
They are making the documents.
大事なのは必ず「想像しながら」英語を話すこと。英語の文章とイメージをきっちりリンクさせていきます。
彼とは誰?ボブはどんな人?書類は紙、それともデータ?
徹底的に情景を思い浮かべながら、順番に音読。次々とあたっていくので、ゆっくりしている暇は一切ありません(汗)。スピードアップしながら何度か読み上げていきました。
慣れてきたところで画面上の文章が部分的に消えて、虫食い問題に!しっかり映像を浮かべながら音読ができていたかどうかが試されます。
それにしても、これは文法のインプットタイムのはずなのですが、口を動かしている時間が相当多いと感じました。これが「トレーニング」と言われる理由なんですね(笑)
何度も何度も繰り返すと口が覚えていきます。そして、ついには英文を見なくても全員間違わずに言えるようになりました!
最後に応用としてのアウトプット練習。トレーナーが英語で質問していきます。
トレーナー:What were you doing at 5pm yesterday?(昨日の午後5時に何をしていましたか)
生徒:I was reading a book.(本を読んでいました)
みんな自然と今日やった現在分詞を使った文章で即答していました。ほとんどスポーツのように反射的にレスポンスができるようになりましたね。
しかしトレーナーはその答えにもツッコんできますので気が抜けません(笑)
トレーナー:What was the book about?(どんな本でしたか)
生徒:It was a … story book!(ええと...物語の本でした)
トレーナー:All right!
適度なプレッシャーでテンポよく進みますが、止まってもゆっくり待ってくれる先生。できた時には手でグッドマークをつくってくれたりと話しやすい雰囲気をつくってくれました。
と、ここで体験授業は終了。
コースの内容やカリキュラム説明
次はコースの料金、カリキュラム、サービスなどの説明がありました。
最初の4か月で基礎語彙・文法にフォーカスし、5〜6か月目にその内容を定着させ、使えるようにしていく。最初と最後にTOEIC Bridge IPテストを受験して効果測定をするようです。
イングリッシュカンパニーのオリジナルトレーニング「速読リーディング」も適宜おこなっていくとのこと。これは自分で自分自身の課題を発見するのに最適なトレーニング。
それ以外にも、多読や発音矯正などの指導も入れていくとのことでした。
Q&Aタイム
最後はQ&A。私もいくつか気になっていた質問をしてみました。
Q: このコースはどのレベルの方が対象ですか。また半年でどのくらいのレベルになれるのでしょうか。
A: 目安はTOEIC500点未満ですが、英語を基礎からやり直したい方であればどなたでも受講できます。
終了時に「基礎文法はできる!」という自信がもてるレベルになってもらいたいと思っています。
Q: 毎日の学習時間は?具体的にどのような課題がでますか?
A: 次のトレーニングまでに、
- 単語300個
- 文法の復習
- 音読・シャドーイング
- 多読教材 3冊
のような課題をだします。
全部で1日1時間ほど時間をつくっていただくことを想定しています。とはいえ、これは平均の時間ですのでもう少し少ない人もいますし、2時間以上やっている方もいらっしゃいますね。
Q: 多読教材とはなんでしょうか?
A: 多読教材は、イングリッシュカンパニーオリジナルのもので、1ページに写真が1枚とごく易しい英文が1文あるようなものからスタートします。
こちらの教材は電子書籍なので、音声もすぐに聞くことができます。スマホでもお読みいただけるので、スキマ時間の楽しみにされている方もいるくらいです。
Q: 個別カウンセリングはどのようにおこないますか?
A: 月に1回、トレーニングの半分の時間を使って10分ほどの個別カウンセリングをしています。そして、待っている間の時間を利用して、ほかの生徒さんには文法のチェックテストを受けてもらっています。
カウンセリングは、Studyplusの学習状況などをみながらアドバイスしていますが、もちろん学習方法の相談などにものりますよ。
Q: 教材はどのようなものを使いますか?市販教材を購入する必要がありますか。
A: 初級者向けコースは基本オリジナル教材を使いますが、一部、単語帳やTOEICの問題集などはご購入していただいています。
Q: グループだと個別の弱点などをみつけてもらえるのでしょうか。
A: パーソナルのように個人個人を細かくみることはできませんが、速読リーディングというオリジナルトレーニングによって自分自身の弱点を発見することが可能です。
弱点ごとに効果的な学習方法のアドバイスをしますので、ご自身の課題に合わせて自習のメニューをおこなっていただくとより効果が高まります。
体験して感じたこと
良かった点
- 授業のテンポがよく、わかりやすく楽しい
- 英文法への苦手意識がなくなりそう
- オンラインだと周りを気にせず発話しやすい
- 先生が意外とひとりひとりを見ている(笑)
参加型の授業で発話機会が多いので、実践的で鍛えられるトレーニングだと思いました。
また、指導法が理論的でありながら暗記型でないため、今まで英文法に対して苦手意識があった人でもスッと入ってくる、なじみやすさがあるのではないかと思いました。
オンラインのグループレッスンは初体験でしたが、思ったより発話しやすかったです。一斉に音読しても他の人の声はPC越しでしか聞こえないため、結構マイペースにできました。
また、実は先生には全員の顔がしっかり見えているため、結構ひとりひとりを見てくれていることがわかりました。一斉にしゃべっていても個別にアドバイスを受けて驚きました!
気になった点
- 個別カウンセリング時間が少なめ
- 初級と中級コースで迷ってしまうかも
グループレッスンのため、個別にトレーナーと対面で相談できる機会はどうしても少なめ。積極的に質問したりカウンセリング時間を有効に使うことをおすすめします。
また、英語をどこで挫折したかわからない人は、コース選びで迷いそうですが、まずはどちらのコースを体験してみてから決めるのがいいかもしれません。
「初級者向けコース」に向いている人は?
- 苦手な英語を中学文法からやり直したい
- 短期集中で効率的にやりたい
- 学校の従来方式でない学習法に挑戦したい
- マンツーマンでなくていいが大人数はNG
学生時代とは全く違う方法で英語をいちから学習したい!と真剣に思っている方にはぴったりのコースです。
半年で中高6年間の英文法と単語を身につけるのは簡単なことではないですが、適切な指導法による学習と本人の努力が合わされば無理ではないんですよね。
とはいえ、もちろん語学は週1のレッスンで身につくものではないので、課題をしっかりこなすことは大前提。そしてこのコースでは仲間が後押ししてくれるので心強いです。
気になる方は、ぜひウェブサイトを確認してみてくださいね。
- 参考:中級者向けコースを体験
- 参考:パーソナルトレーニングを体験