このページの目的

「話す」ための基礎トレーニング―よく使う表現について、基本的な英文法を確認しながらごくごく簡単な文章が口から出せるようトレーニングする

CD Bookでトレーニング(基礎編)

今回は基本編の英会話トレーニング本「中学レベルの英単語でネイティブとペラペラ話せる本!」を紹介します。

この本は2冊シリーズになっていて、2冊目についてはトレーニング用のアプリも出ています。
今回はまず1冊目の「基本編」を紹介します。

「基本編」といっても、「話す」ことに関しては基本のキすらできない・・・という人も多いと思いますので、「話す」トレーニングに関してはとにかく初めはごくごく簡単な文章からトレーニングしていくしかありません。そこからはじめましょう!

※この本はamazonで「なか身検索」できますので、この程度なら考えずにすぐに口をついて出てくる、という人は、2冊目からトライするといいと思います。(2冊目の紹介は次のページで詳しく。)

4478009899 中学レベルの英単語でネイティブとペラペラ話せる本!―CD付き
ニック・ウィリアムソン

このCD Bookは文字通り「中学英語」の単語レベルで会話するための本です。
これは中学校の英語も苦手だった、という人でも大丈夫。(ただしタイトルの「ペラペラ」には、これだけではまだ届かないとは思いますが。)

これは「話す」ための本ではありますが、日常会話をするために絶対に必要な文法についても解説しながら例文パターンを覚えいていく、という構成になっていて、その解説が実に初級者向けで簡潔なのです。

これをオススメする大きな理由が二つあります。

一つ目は、付属のCDを使って日常会話でよく使われる「いくらでも応用の利く」文例を使ってどんどん口に出すトレーニングをできること!
固い表現は一切ありません。

この、「よく使う、いくらでも応用の利く」文例から覚える!ことが英語(どんな外国語でも)をマスターする上で非常に大切なポイント。応用のきかない文は、基本をマスターした後で覚えればいいのです。

この本はまず、よく使う短い文章から入っています。

「現在形」のパターンから始まっているので日本人にも取り組みやすい。大きなポイントである「時制」をきちんと身につけるには動詞のパターンを区別して言えるようになること!そこから入っているのです。

1冊目は、短い文章が言えるようになったら「名詞節」をつけて少し複雑な文章も言えるようになる、という構成。パターンは全部で56あり、初級者でも取り組みやすいように大きな文字で要所要所に説明が入るので、飽きずに進められると思います。

著者のニック・ウィリアムソンさんはやはり日本語ペラペラ、日本人のこともよく知っているので、日本人が犯しやすいミス、勘違いをズバリついています。

たとえば、「10分遅刻しちゃったよ」はどう言いますか?

× I was late for 10 minutes.  ・・・これは日本人がやりがちなミスですねえ。

正しくは I was 10 minutes late. です。その理由がとても簡潔、明瞭に書かれています。

もう一つ、例をあげます。
「朝起きたら有名人になっていた」・・・という文について。

本文からそのまま引用します。

「いろんな英語本で I awoke to find myself to be famous.という長ったらしい文を正解として載せているのを見たことがあるのですが、ぜ~ったいに言わない!

正解は

I woke up famous.

です。」

・・・このように大事な部分は大きな文字、このあとの説明は実に簡潔、明瞭。とてもシンプル。

オススメの理由の二つ目は、付属音声CDの構成。
まず英文が流れる→最初の英文を頭にキープしながら日本語訳をきく→(自分で)最初の英文を口に出して言う、という流れ。

通常、このような音声教材は日本語訳が先に流れるものが多いです。日本語で聴いた内容を、素早く英文にする、というのは構文力(文法を用いて文章を組み立てる力)を鍛えるという観点では良いのですが、頭の中は「日本語」→「英語」の流れのため若干、日本語に引きずられてしまいます。要するに、日本語で考えてから英語を話すため、レスポンスのスピードが若干遅くなってしまいます*1。

出来るだけ日本語を介さずにそのまま英語で話す練習をするには、この教材音声のように英文サンドイッチの形は良いと思います*2。つまり英文→日本語意訳→(自分で)最初の英文の繰り返し、の形ですね。そして最後に自分で口に出して言う、このステップは絶対に抜かしてはいけません!

はじめの英文で、もし「?」となった場合、人間の脳は「?」の部分があると気持ちが悪いものなので、解決したいという欲求が出て次のことばに集中します・・・つまり半ば強制的に集中する構成になっているということ。そして最後は自分で口に出して言ってみる形なので、そのためには集中しないとできませんよね。

これは聞き流すだけの教材よりもはるかに効果が高いといえます。音声教材は、常に口から出して言う、ことを意識してください。前回も書きましたが、音を出さなくても空気を出してささやくだけでも効果はあります!ぜひ毎日最低でも10分程度はやってみてくださいね。

オウルン21

*1 もちろん、日本語→英語で練習していても、異なる例文で繰り返し練習し、マンツーマンレッスンなどで実践をすることで日本語を介さずにクイックレスポンスで話せるようになります。程度の問題ですので、日本語→英語の音声教材が駄目というわけではありません。

*2 ただしこのは、英文が先に流れるので先に答えが分かってしまいますから、構文力を鍛えるという観点では日本語→英語の順で流れる教材の方が良いこともあります。