このページの目的

アウトプットのうち、「話す」ことは球技と同じであること、そのために必要なトレーニングのポイントおよびトレーニングの流れ、ツールを選ぶためのポイントを知る

さて、いよいよ「話す・書く」=「伝える」の回に入っていきます。
この学習法はこの「伝える」を習得することが一番のメイン!気合を入れて、楽しく取り組んでくださいね。

「簡単な英文」からはじめる

自然な英文が口から瞬時に出てくるようになるために「英語脳」を作り上げていく・・・

ここから、「伝える」こと、その中でもまずは「話す」トレーニングに入っていきます。難しいことではありません。英語はシンプルな言語。複雑に考える必要はまったくなし!

・・・というより、「話す」ことに関しては、アタマで考えてはいけません。
カラダで覚えるもの、スポーツと同じ、と思ってください。

とくに、「会話」は、スポーツ、その中でも球技と似ています・・・ということは、ここに入る前に、当然、筋トレ=「発音トレーニング」は、終えている、ことが必須条件です。

球技の練習を考えてみましょう。正確に球を投げる、打ち返す、パスを出す、ゴールに入れる・・・それらができるようになるために、何度も何度も繰り返し繰り返し実際にボールを打って、蹴って、運んで、練習しますよね?

それは何十回というレベルではないはず・・・何百回も、何千回も、練習するのが当たり前。

実際の人間同士の会話というのはこれと同じ。会話はキャッチボールとよく言いますが、キャッチボールできるようになるまで繰り返し繰り返しトレーニングするもの。

「話す」トレーニングに一番いい方法は①「簡単な英文」→②「英文の応用を広げる」というやり方。

まず必要なのは①の「簡単な英文」が瞬時に口から出てくるようにすること。
「簡単な」というのは・・・本当にものすごく「簡単な」ものから始める、ということです。

読めばごく簡単な文章でも口から出てこないのが多くの日本人。まずはそこから始めます。

「話す」トレーニング教材を選ぶポイント

ここから数回にわたってさまざまな教材を紹介していきますが、その前にまず、このトレーニングに有効な教材を選ぶポイントをあげておきます。

  1. 初めは「できるだけ簡単な単語から構成される短めの自然な英文」を使うこと。
  2. 「自然に口から出す」トレーニングをするためのものなので、Native Speakerによる音声付きの教材であること。
  3. 基本的な文法に焦点を絞っているものを使うこと。(本はあまり分厚くないもの)
  4. 文法事項にとらわれ過ぎずに「よく使う表現」から学べるものであること。
  5. 一つのパターンに対して例文が複数あり量をこなせること。

1と3の理由については前に説明したとおり。4と5については教材紹介の中で詳しく。

基本的な日常会話で「話す」こと、「伝える」ことに本当に必要な語彙や文法はごく限られています。まずはそこに焦点を絞ってトレーニングするのが、最短で「使える」英語を身につけるために必要なこと。基本的なことを話せるようになったら、応用はあとから身につけましょう。

いずれの教材を使う場合でも、一日最低10分くらいは声に出してトレーニングしてくださいね。
音を出せない場所では出さなくてもOK。空気を出してささやくだけでも効果はあります。

これを毎日やっていたら、自然と「英語を話したい!」という欲求がわいてくるはず・・・

そしてここでのゴールは、「英語で考え、英語で話す」こと。
日本語→英語 というやり方は、少なくとも「話す」上では卒業しなければなりません。

そうなるために、はじめはごく簡単な文章から口に出していくトレーニングを行っていきましょう。

「簡単な英文」を使ったトレーニング方法の流れ

これからいくつかそのトレーニング教材を紹介していきますので、その教材を使った具体的なトレーニングの流れを説明します。

どの教材であっても基本的な流れは同じです。

  1. 一つのパターン文の意味、構成(文法)を、テキストを読んで理解する
  2. テキストを見ずにパターン文の英文を耳で聴いて、ポーズボタンを押しながらRepeatingを繰り返す。
  3. 暗唱できるまでRepeatingできるようになったらShadowingする。
  4. 日本語の訳が音声で流れる場合には日本語の訳をきいたらポーズボタンをおし、その文を英語で瞬時に口から出す→答えの英文をもう一度聞き、確認する。完全にできるまで繰り返す。
  5. 日本語訳の音声がない教材の場合にはテキストの日本語訳を見る→テキストから目を離し、その文を英語で瞬時に口から出す→答えの英文をもう一度聞き、確認する

一つの例文を1~4の流れで完全にすぐに言えるようになったら、次の例文へ進みます。

この流れを最低でも一つの例文に対して3日は繰り返しトレーニングすると、ほぼ定着してきます。できれば覚えた後はシャッフル機能を使って覚えた例文がランダムに出てくるような状況で確認の練習をするのが良いと思います。

トレーニング教材紹介

では実際にそのトレーニングのための教材を紹介していきます。

475740803X 新装版 英会話8秒エクササイズ ()
スティーブ・ソレイシィ

前に紹介したスティーブさんの教材です。すでに引用したAll aboutのこちらの記事で詳しく説明が掲載されています。

この記事の中で、英語を話すための「瞬発力」そして「量をこなすこと」―をスティーブさんが語っているので、ぜひこの記事は読んでみてください。

Native Speakerの方の作られた教材の場合にはこのスティーブさんのように日本語や日本人の特徴を熟知している方のものが良いでしょう。

ここで、スティーブさんの記事から私が共感した文章を抜粋します。まさに私がこの学習法ページを書いているコンセプトにつながる言葉です。

「実は、私がこれから何年間もかけて運動しようとしていることは、文法の規制緩和です。本を読めば読むほど、英語番組を見れば見るほど、教室へ行けば行くほど、「規制大好き」が伝わってきますよね。TOEICの試験を見れば見るほど、規制ばっかり!無駄な規制が多過ぎます。これは、本当に英語を話したい人にとっては、じゃまになってしまいます。」

私がこの学習法ページで文法の回にごくごく基本的なものしか紹介しなかった理由も、そこにあります。

日本人というのは大きな枠の中に守られて、おさまって安心する国民性、という話をしたことを覚えていますか?日本というのは国全体がどうも枠組みを作ることが大好き、ルールが大好き、規制が大好き、なのですが・・・

ルールに縛られると生きた英語を身につけることはできません。なぜなら前回も書いたようにことばは生き物だから。常に変化し、進化しています。ことばというのは、そういうものなのです。

コミュニケーションに必要な生きた英語を身につけるには、とにかくその生きた英語をどんどん口から発することしかないのです。

ボールを正確に打ったり蹴ったりするためにはとにかく何百回もトレーニングをつむこと!

いろんなパターンの球を打ったり蹴ったり運んだりするトレーニングをどんどん積むことで、少しずつ体に染みついていく・・・最初からミスひとつしない人なんて、いませんよね?

まちがったっていいんです。まちがった数だけ、身についていくんですから。

英語を話せるようになるということは、そういうことなのです。

「生きた英語」の教材を使ってどんどん口に出してトレーニングして、身につけていきましょう!

次のページ以降も教材の紹介をしていきます。あなたに合うものを見つけたら、一つの教材をとことんトレーニングするようにしてください。10回や20回口に出すだけでは足りません。最低でも30回以上は一つのフレーズを口に出して、そして応用して、スムーズに球を打ち返せるようになりましょう。

オウルン20