この記事では、通学型の英会話スクールで、ネイティブと日本人講師のどちらを選んだらいいかご紹介していきます。
オンライン英会話での講師の選び方についてはこちらの記事をご参考ください。
英会話スクール選びを始めた時に、講師はネイティブがいいのか日本人がいいのかって結構迷いますよね。
やはり英会話スクールはネイティブ講師のイメージが強いと思いますが、意思疎通がはかれるのかな?と心配してしまう人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、ネイティブ講師もプロですし、日本在住で一定期間日本で生活している人々のため、コミュニケーションのことをそこまで心配する必要はありません。
しかし基礎文法に不安がある場合などで、日本人講師のほうがいいこともあります。
ここでは、ネイティブ講師と日本人講師の違いや、どんな人にそれぞれ向いているかということを詳しくご紹介していきます。ぜひ英会話スクール選びの参考にしてください。
ネイティブと日本人講師を比較
ネイティブ講師と日本人講師は、正反対の特徴があり、片方の不得意分野を穴埋めするかのようにもう片方の得意分野があります。
つまり、自分が英語学習において何に重きを置くかで判断していくことが大切となるんですよね。
それでは、代表的な違いを5つの項目からご説明していきます。
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
発音やイントネーション | ◎ 本場の英語に触れられる |
◯ 発音などがあまりよくないことも |
文法 | △ 細かい文法説明がないことも |
◎ 文法説明がわかりやすい |
フレーズ | ◎ 自然なフレーズを学べる |
△ 教科書的な英語になりがち |
異文化コミュニケーション | ◎ まさにレッスンが異文化コミュニケーション |
△ やはり日本人 |
質問のしやすさや学習相談 | ◯ 英語で質問しにくいことも |
◎ 日本語で気軽に相談できる |
それではひとつひとつ説明していきます。
発音やイントネーション
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
発音やイントネーション | ◎ 本場の英語に触れられる |
◯ 発音などがあまりよくないことも |
ネイティブ講師のレッスンであれば、本場の発音やイントネーション、アクセントやリズムに触れることができます。リスニング強化には最適です。
日本人講師の場合、海外歴が長ければ発音がネイティブ並みのこともありますが、そうでない場合はどうしてもネイティブには敵いません。
言語の習得は基本、モノマネです。真似するためには自然な英語を話すネイティブが最も適しているのは疑いようもないですよね。
しかし、注意点として、自分の発音を本気で矯正したいのであれば、単にネイティブの講師の会話のレッスンに週1回通うだけでは難しく、専門の訓練をする必要があります。
英語には日本語と異なる筋肉を使う発音があるため、適切な口の筋トレをおこなって定着させる必要があるんです。発音矯正に特化したスクールなどもあるくらいです。
英会話スクールでは、発音矯正のためのコースを開講していることもあります。もしくは、マンツーマン授業で発音矯正が得意な講師を指名するという方法もありますよ。
文法について
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
文法 | △ 細かい文法説明がないことも |
◎ 文法説明がわかりやすい |
文法説明は日本人講師の方がわかりやすく、頭に入ってきやすいです。ネイティブ講師だと英語でわかりづらいですし、もともと文法説明にあまり時間を割かないことも多いです。
自分自身も英語を第二言語として学習してきた日本人講師は、日本人がどのように英語を学校で教わってきたのかを知っていますし、つまづきポイントなども把握しています。
とはいえ、ネイティブ講師でも、TESOLなどの英語教授法を習得している人もいますし、指導歴が長く日本人の陥りやすい間違いを把握している講師もいます。
資格があったり指導歴の長いからといって、必ずしも教えるのがうまいということではないのですが、一つの指標にはなりますので参考にしてみてください。
フレーズについて
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
フレーズ | ◎ 自然なフレーズを学べる |
△ 教科書的な英語になりがち |
より自然なフレーズを習得したいのであれば、ネイティブ講師をおすすめします。
というのも、やはり言葉は相手やシチュエーション、時代によって変わります。
文法的には正しくても、実際には使わない言い回しが山ほど参考書や教材に載っていて、日本人講師だとそれを正確に判断できない場合があるんですよね。
繰り返しになりますが、英語はモノマネです。よくあるフレーズなどは一字一句、完コピしていくことが大事。
そんな時、実際に使われる自然なフレーズを覚えたほうが絶対いいですよね。
異文化コミュニケーション
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
異文化コミュニケーション | ◎ まさにレッスンが異文化コミュニケーション |
△ やはり日本人 |
ネイティブ講師とのレッスンは、まさに異文化に触れる時間です。その講師の出身国の文化や習慣について学ぶ機会があるかもしれませんし、そこから世界に興味が広がります。
多くの人たちは「異文化の人と英語で交流したい」という最終目標をもって通っているはずなので、これが学習途中の段階から体験できるのは大きなメリットです。
会話練習でも、ネイティブだと日本人とは少し違った目の表情、リアクション、ボディランゲージなど、いろいろ体験できると思います。
外国人とちゃんと対話ができる、という自信がついていきますよ。
質問のしやすさや学習相談
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
質問のしやすさや学習相談 | ◯ 英語で質問しにくいことも |
◎ 日本語で気軽に相談できる |
日本語が使える日本人講師のほうが質問はしやすいです。次のレッスンまでにモヤモヤを全て解決して進めるのは嬉しいです。
また、学習中の悩みなども相談しやすいという利点があります。日本人講師であれば、第二言語として英語を学習した先輩として、アドバイスをもらえるという強みがあります。
ネイティブ講師の場合、質問も相談も英語でしないといけないため、その時点でハードルが上がっちゃうんですよね。
しかし逆に、何もかも英語でコミュニケーションしないといけないことで、英語力やコミュニケーション力が鍛えられる、というスパルタ方式(笑)の側面もあります。
ネイティブ講師のメリットとデメリット
それでは、ネイティブ講師のメリットとデメリットをご紹介します。
ネイティブ講師のメリット
メリット
- 教科書では学べない、英語音感を学べる
- 普段使われている自然なフレーズを学べる
- 外国人と話すための自信がつく
ネイティブ講師の場合、独学では習得できない「英語の音感」に触れることができます。これらの要素は実際会話する際、伝わりやすさに大きく影響します。
また、言語は生き物です。教科書的ではない現地の人たちが普段使っている単語や自然なフレーズを学びたい場合、ネイティブ講師が最適です。
そして、やはり外国人と話す抵抗感をなくして自信がつく、という大きなメリットがあります。レッスン後に達成感を感じることができ、実践が楽しみになります。
ネイティブ講師のデメリット
デメリット
- 初心者だとコミュニケーションに困ることも
- 短期で帰ってしまうことも
ネイティブ講師もプロですので、コミュニケーション力は長けています。発言しやすい雰囲気をつくってくれて、発言を促してくれる講師が多いでしょう。
しかし、特にマンツーマンの場合、英語初心者だと会話につまってしまうことはあるかもしれません。グループレッスンでスタートするのがいいかもしれません。
また、これは日本人が海外で仕事をする場合と同様に、様々な理由で急に母国に帰ってしまうケースはありますので、その点は頭にいれておいた方がいいと思います。
日本人講師のメリットとデメリット
それでは次に、日本人講師のメリットとデメリットをご紹介していきます。
日本人講師のメリット
メリット
- 気軽に日本語で質問しやすい
- 文法や構文説明がわかりやすい
- 自習法や英語資格などについて相談できる
日本人講師の場合、一回一回のレッスン内容の理解度が高くなります。「今日は半分くらいしかわからなかった...」などのようなことはおきません。
また、わからないことを日本語でも質問できますので、納得した上で次のレッスンに進むことができる気持ちよさがあります。
また、自習の悩みや、英検やTOEICなどの日本特有の資格のことも相談しやすいです。同じ英語学習者の先輩から、留学や転職などのアドバイスももらえるかもしれません。
日本人講師のデメリット
デメリット
- 日本語に頼ってしまいがち
- 発音があまり良くない場合も
日本人講師のデメリットは、メリットの裏返しなのですが、日本語が話せる分、ついつい日本語に頼ってしまうことです。
また、日本人講師の場合、どうしても発音などがネイティブ並みではない講師もいます。
ネイティブ講師に向いている人
それでは、どのような人がネイティブ講師に向いているのかをご紹介します。
- 完全初心者以外の全レベルの人
- 発音重視、英語音感に触れたい人
- 自然なフレーズを習いたい人
- 会話実践がたくさんしたい人
- 異文化に触れたい人
ネイティブ講師のレッスンは初心者には難しいのかという議論もありますが、基本的には問題ありませんし、むしろ始めのうちから本物に触れるのはいいことです。
というのも、一般的な日本の英会話スクールに通う多くの人は、初級から中級レベル。ネイティブ講師もそれを理解して、そのための準備と訓練をしています。
しかし、初級レベルのうちは英語への抵抗感から挫折率も上がります。まずは日本語が少しはわかる講師についたり、グループレッスンからスタートするのがおすすめです。
日本人講師に向いている人
逆に日本人講師に向いているのは、このような人々です。
- 英語初心者〜中級レベルの人
- しっかりと文法を理解しながら進めたい人
- 外国人との会話に慣れていない人
- TOEICなどの資格取得を目指している人
- 学習相談や海外留学相談をしたい人
学生時代に英語で挫折してしまい、やり直し英語学習を頭で理解しながらすすめていきたいという人に向いています。
外国人と話すことに自信がない人にも向いています。無理して本場のニュアンスに触れようとネイティブ講師のレッスンを受講しても、緊張でほとんど話せなければ本末転倒です。
とはいえ、最終目標は英語で外国人と話すことですから、慣れてきたらネイティブ講師のレッスンも受けてみたり、外国人と話せるイベントなどに参加してみましょう。
まとめ
言語学習は、まずはたくさんの質の高いインプットをすることが大事なので、できればネイティブ講師をおすすめします。
たとえば外国人の友達から日本語を習いたいと言われたら、私たちもまずは良い日本人の先生を勧めたい気持ちになると思いますが、これは英語でも一緒なんです。
ただ、当たり前ですが、ネイティブでも教え方があまり上手でない人もいますし、日本人でも発音がきれいで教え方も上手で、ネイティブ感覚を持っている講師もいます。
スクール選びの際は、必ず受講希望のコースの講師のレッスンを見学や体験をさせてもらってください。2、3校比べることができると自分との相性も見えてきます。
そして、もしまだ講師の国籍などを決めかねている場合は、ネイティブも日本人講師もどちらもいるスクールを選んで、組合わせたり、様子を見ながら講師を変えていくのもいいかもしれません。