この記事では、オンライン英会話におけるネイティブ講師と日本人講師についてご紹介していきます。
今話題のオンライン英会話。スクールに通わなくても、自宅で同等のクオリティの授業が受けられて、費用も抑えられていいとこづくめです。
フィリピン人講師の格安レッスンも魅力的ですが、やはり通学型の英会話教室のように、ネイティブ講師や日本人講師に教わりたいたいと思う人も多いのではないかと思います。
とはいえ、オンライン英会話は基本マンツーマン。ネイティブ講師といきなり画面越しのマンツーマンでうまくコミュニケーションがとれるのか心配ですよね。
その点、日本人講師のほうがハードルは低そうですが、効果は劣るのかしら?などと思う人もいるかもしれません。
結論からいうと、ネイティブ講師も日本人講師もそれぞれ特徴があり、「学ぶ目的」や「英語レベル」などによってきちんと選ぶとどちらも効果が期待できます。
ここでは、ネイティブと日本人講師の違いを詳しく紹介しつつ、ついつい判断ミスを犯しがちなポイントなども交えてご紹介していきますよ。
ぜひオンライン英会話選びの際に参考にしてみてください。
オンライン英会話にはどんな講師がいるの?
ではまずは、オンライン英会話にはどのような講師がいるのでしょうか。
大きくわけてこの3種類。
- フィリピン人講師
- ネイティブ講師
- 日本人講師
それぞれの大まかな特徴をご紹介していきます。
フィリピン人講師
格安をうたっているオンライン英会話の多くはフィリピン人講師です。物価の問題でレッスン料が安く、25分のレッスン相場が200円前後。
フィリピンの公用語は英語とフィリピン語(タガログ語)。地域によって様々な母語が使われていますが、国民の多くが英語を話せます。
ネイティブ講師
ネイティブ講師とは母国語が英語の講師。主に、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの講師が該当します。
ネイティブ講師のレッスンの相場は25分1,000円。フィリピン人講師に比べて高くなりますが、通学型のECC外語学院やNOVAなどと比べたら価格は1/3から1/5と割安です。
日本人講師
日本人講師の相場もネイティブ講師とほぼ同額で25分1,000円ほどです。
日本人講師の多くは、元英語教師や、海外担当部署などの仕事で英語を日常的に使っていた人。国内に住んでいる人が多いですが、海外組もいます。
今回は、この3つの分類の中でも、価格帯の近い「ネイティブ講師」と「日本人講師」について比較しながら、深堀りしていきます。
ネイティブと日本人講師を比較
ネイティブ講師も日本人講師も、得意分野と不得意分野があります。
その代表的な違いを4つの観点からみていきましょう。
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
発音やイントネーション | ◎ 本場の発音 |
◯ ネイティブには負ける |
レッスンや文法説明 | △ 英語での説明がわかりづらいことも |
◎ 文法などもわかりやすい |
異文化間コミュニケーション | ◎ 自然なフレーズを学べる |
△ 外国人特有のフレーズは学びにくい |
質問のしやすさや学習相談 | ◯ 英語で質問しにくいことも |
◎ 日本語で気軽に相談できる |
当たり前のことですが、本場の発音に触れることが最重要事項であれば、ネイティブ講師が最適です。
一方、日本人講師の場合、文法説明などを日本語でしてもらうこともできるので、頭できちんと理解しながら学習を進めることができるという特徴があります。
しかし、「発音ならネイティブ」「指導重視なら日本人」という理由だけで選んでしまうと思わぬ落とし穴もあるんです。
それでは、この表の中には現れていない注意点なども含めて、順にご説明していきます。
発音やイントネーション
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
発音やイントネーション | ◎ 本場の発音を学べる |
◯ ネイティブには負ける |
やはりネイティブ講師の場合、発音だけでなく、本場のイントネーションやアクセント、リズムに触れることができます。特にリスニングに力を入れたい人にはおすすめです。
言語は基本、モノマネです。お手本となる人がネイティブであれば、モノマネの精度も高くなります。
とはいえ、日本人講師の場合でも、海外生活歴が長かったりして発音がきれいな人もいます。自己紹介文や紹介動画などがあれば、ぜひ確認してみましょう。
もうひとつ重要なポイントですが、単にネイティブ講師の発音を聞くだけでは発音は良くなりません。自分の発音を本気で矯正したい場合は、発音矯正を得意とする講師についてください。
英語と日本語の発音は全く異なる筋肉を使っているため、適切な口の筋トレをおこなって定着させる必要があるんです。発音矯正指導は、日本人の方が得意な場合が多いです。
レッスンや文法説明
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
レッスン 文法説明 |
△ 英語での説明が わかりづらいことも |
◎ 文法なども わかりやすい |
日本人講師の方がレッスンの進め方や文法説明などがわかりやすい人が多いです。何より日本語で説明してもらえるので頭に入ってきやすいんですよね。
ネイティブ講師だと文法説明も英語になります。たとえば形容詞を「adjective」といわれてもすぐにピンとこないですよね?
そして、自分自身も英語を第二言語として学習してきた日本人講師は、日本人のつまづきポイントを熟知しているため、生徒が間違いをうまく回避できるように教えてくれます。
とはいえ、ネイティブ講師でも、TESOLなどの英語教授法を習得している人もいますし、指導歴が長く日本人の陥りやすい間違いを把握している講師もいます。
資格があったり指導歴の長いからといって、必ずしも教えるのがうまいということではないのですが一つの指標にはなります。講師の経歴などもチェックしてみるといいですよ。
異文化コミュニケーション
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
異文化コミュニケーション | ◎ 自然なフレーズ を学べる |
△ 外国人特有の フレーズは学びにくい |
ネイティブ講師に教わると、異文化への学びは多く得られます。その講師の出身国の文化や習慣について学ぶ機会があるかもしれません。
英語学習者の多くは「異文化の人と英語で交流したい」という最終目標をもって通っているはず。これが学習途中の段階から体験できるのは大きなメリットです。
実践会話練習でも、その差はあらわれます。同じ質問をしてもネイティブ的なリアクションをみることができますし、より実践的で自然なフレーズを学ぶことがができます。
そして、英語を話す時の非言語コミュニケーションもとても重要。目線や表情、ボディランゲージ、間合いなどが日本人とは異なります。
日本人講師がこのようなことを完全にカバーすることは難しいのですが、海外在住歴が長い講師であれば、ある程度近い効果を得ることができます。
質問のしやすさや学習相談
ネイティブ講師 | 日本人講師 | |
---|---|---|
質問のしやすさや学習相談 | ◯ 英語で質問しにくい |
◎ 日本語で相談できる |
日本語が使えるということで、日本人講師のほうが断然質問がしやすいです。次のレッスンまでにモヤモヤを解決して進めるのは嬉しいですね。
また、学習中の悩みなども相談しやすいという利点があります。日本人講師であれば、英語を学習している先輩としてアドバイスをもらえます。
ネイティブ講師の場合、基本質問も相談も全て英語でしないといけないため、その時点でハードルがグッと上がってしまうんです。
しかし逆に、何もかも英語でコミュニケーションしないといけないということで、英語力が鍛えられるという側面もあります。
スパルタ方式ではありますが(笑)、これは留学して英語力をあげるのと同じ原理。中級者以上であれば効果的に働く場合があります。
ネイティブと日本人講師のメリットとデメリット
それでは、違いがだいぶわかってきたところで、ネイティブ講師と日本人講師それぞれの最も際立つメリットとデメリットをピックアップしてご紹介します。
ネイティブ講師のメリット
メリット
- 教科書では学べない、英語音感を学べる
- 実際使われている自然なフレーズを学べる
- 外国人と話すための自信がつく
ネイティブ講師の場合、教科書だけではなかなか習得できない発音を始めとした「英語の音感」に触れることができます。表情や反応なども日本人と違うことに気づくと思います。
人を真似ることで習得していく言語。赤ちゃんが母語を習得する時、親や周囲の人の声や表情を観察して、それを何度も練習します。そして直してもらいながら、やっと話せるようになるんです。
ネイティブはまさに英語のお手本です。自然な発音、イントネーション、リズム、自然なフレーズ、適切な会話のスピードなどをインプットできるんですよね。
そして、やはり外国人と話す抵抗感をなくして自信がつく、という大きなメリットがあります。レッスン後に達成感を感じることができ、実践が楽しみになりますよ。
ネイティブ講師のデメリット
それでは、次はデメリットについてご紹介していきます。
デメリット
- 初心者だとコミュニケーションに困ることも
- 英文法の指導がうまくないことも
ネイティブ講師はもともとコミュニケーション力に長けている人が多く、発言しやすい雰囲気をつくってくれて、発話を促してくれる講師が多いでしょう。
しかし、レッスンは基本英語のみで行われますので、英語初心者レベルだと会話につまってしまったり、わからなくても質問ができないこともあります。
初心者の場合は、最初は日本人講師で基礎固めをして、慣れてきたらネイティブ講師に移行、もしくは併用するのがいいでしょう。
日本人講師のメリット
それでは次に、日本人講師のメリットをご紹介していきます。
メリット
- リラックスしてレッスンを受講しやすい
- 気軽に日本語で質問しやすい
- 自習法や英語資格などについて相談できる
日本人講師のレッスン受講後、実は多くの人が感じるメリットは、授業がわかりやすかったことよりも、リラックスしてレッスンを受講できたということ。
わからないことは日本語で質問できますし、余計なストレスを感じることなくレッスンを受講できるんですよね。
また、自習の悩みや、英検などの日本特有の資格のことも相談しやすいです。留学や転職など、キャリアアップに関する質問も同じ英語学習者の先輩として聞けます。
日本人講師のデメリット
それでは、デメリットに関してはどうでしょうか。
デメリット
- 日本語に頼ってしまいがち
- 発音があまり良くない場合も
デメリットはメリットの裏返しなのですが、日本語が話せる分、ついつい日本語に頼ってしまうことです。
また、どうしても発音がネイティブ並みではないこともあります。紹介動画などがあれば必ずチェックしてください。
ネイティブ講師に向いている人
- 英語中級〜上級レベルの人
- 発音重視、英語音感に触れたい人
- 文法より実践的な会話をたくさんしたい人
- 自然なフレーズを習いたい人
- 異文化に触れたい人
ネイティブ講師に向いているのは、積極的に実践会話練習がしたい、英語中級レベル以上の人です。会話練習を続けていくことによって、外国人と会話をする自信がどんどんついていきます。
うまく英語で言えなくても、どんどん質問をして姿勢が大切。テキストに沿って進めるのもいいですが、ぜひふとした疑問や実践的な質問など、積極的に投げかけてみましょう。
「こんな時は英語でどういうの?」「映画のこのセリフどういう意味?」「今度仕事で使うプレゼンを聞いてもらえる?」など、なんでも聞いて吸収していけるといいですね。
日本にいながらにして、生きた英語に触れられる貴重な機会をフル活用してください。
日本人講師に向いている人
- 英語初心者〜中級レベルの人
- しっかりと文法を理解しながら進めたい人
- 外国人との会話に慣れていない人
- 英語の資格取得を目指している人
- 学習相談や海外留学相談をしたい人
一方、日本人講師に向いているのは、英語が初心者レベルで、外国人と話すのに慣れていない人です。久しぶりに英語を学習する人でも安心して受講できるのではないかと思います。
大人の英語学習は、理論的に納得しながら進める方が効果的。本場のニュアンスに触れようとネイティブ講師のレッスンを受けても、ついていけなければ時間の無駄となります。
とはいえ、最終目標は外国人と話すことですよね。慣れてきたら、ネイティブ講師のレッスンを受けてみることをおすすめします。
まとめ
ネイティブ講師と日本人講師のレッスンでは、得られる効果が全く異なりますので、自身の英語学習において大切にしたいことを軸に選択するのがいいと思います。
また、英語学習の段階によっても、どちらのサポートが必要なのかの割合が徐々に変わってきますので、それに合わせて講師を変えていくことをおすすめです。
現在、ネイティブ講師と日本人講師のどちらのレッスンもあるオンライン英会話サービスも増えています。
最初は日本語講師からスタートして、徐々にネイティブ講師のレッスンと混ぜて、最終的にはネイティブレッスンのみにできるのが理想。
このような組み合わせができるのも、オンライン英会話ならではです。
ただ、急激に成長したオンライン英会話業界では、まだ講師の質にばらつきがあるのも事実。気になるところがあれば、まずは体験授業を受講してみることをおすすめします。