最近サービスを開始したSTRAILで体験コンサルティングを受けてきました。
STRAILは、英語ジムENGLISH COMPANYが運営する自習型サービスです。ENGLISH COMPANYが展開するサービスはどれも質が高く、実際に私も通っていたことがあります。
STRAILは、自習で学習を進めるのが基本ですが、週1回コンサルティングを受けて、自分の英語の課題を定期的に診断してもい、その解決策を提案してもらうサービスです。
体験を受けた感想を最初に言うと「英語が伸び悩んでいるが、その原因が分からないモヤモヤ感」が、1時間でスーッと消えていった気がしました。それだけ私の課題と克服法を的確に教えてもらえたのです。
それではコンサルティングの詳しい流れを書いていきます。詳しいサービス内容やENGLISH COMPANYとの違いについてはこちらをご覧ください。
体験コンサルティングの流れ
コンサルティングは、大きく分けて次の3つで進められます。
- カウンセリング
- アセスメントテスト(課題発見)
- ホームプログラムの提案(トレーニングメニューの作成)
以下、順番に見ていきましょう。
カウンセリング
カウンセリングの目的は、コンサルタントと学習経験や目標を共有することです。
一般的に次のようなことを確認されます。
- 学習経験年数
- 学習の目的
- 一番伸ばしたいスキル
- 1日に割ける学習時間
アセスメントテスト
次にアセスメントテスト(英語力の診断テスト)を受けます。このテストの目的は、英語学習のどこでつまずいているかを見つけ出すことです。
このテストは、第二言語習得研究の知見をベースに緻密に組み立てられたもので、他のスクールにはないSTRAILの特徴と言っていいかと思います。
今回のアセスメントは以下のような流れで進められました。内容は受講者の状況によって変わるそうです。
- STEP1:リスニングチェック
- STEP2:単語を確認して再びリスニング
- STEP3:音声 + スクリプト(ナチュラルスピード)
- STEP4:音声 + スクリプト(ポーズつき)- 意味のかたまりで聞く
- STEP5:意味のかたまりごとに日本語に訳す
- STEP6:シャドーイング
それぞれの詳しい内容は、私の体験談と一緒に後述します。
追記:2021年12月より、上記にスピーキング力をチェックするSTEP7が加わりました。
ホームプログラムの提案
最後にホームプログラムを提示されます。ここでの目的は、課題の克服です。
アセスメントテストの結果を元に、その人に合ったトレーニングメニューを作成してもらい、次回のコンサルティングまでスケジュールに沿ってトレーニングを進めていきます。
STRAILのコンサルティングを体験する方法
無料体験授業の中で、アセスメントテストを体験できます。申し込み方法はかんたんです。
下記のバナーから公式サイトに移動します。移動したら、右上の「説明会・お申し込み」をクリックし、参加希望日と名前や電話番号を登録すると完了です。
無料体験授業は頻繁に開催されていますが、曜日・時間帯はさまざまです。自分に合う時間帯をチェックしてみてください。
実際の体験コンサルティングをレポート
さて、実際の体験コンサルティングの内容と感想を書いていきます。
今回、コンサルティングに行ったのは、新宿にあるSTRAILの専用スタジオです。
担当してくれたコンサルタントはRice 恵子さんです。恵子さんは米国コロンビア大学大学院で言語学を修めた言語のプロです。
なお、今回は体験コンサルティングでしたので、カウンセリングの部分は簡単に済ませて、アセスメントテストとホームプログラムの提案に重点が置かれました。記事でもアセスメントテストから解説していきます。
コンサルタント:Rice 恵子さん
東京外国語大学外国語学部卒業、米国コロンビア大学大学院 東アジア言語文化学部修士課程修了。日本生まれの日本育ち。
受験英語では実用に耐えないことに疑問を抱きつつ、外国語教育研究の扉を叩く。国内外の教育機関で20年あまり第二言語教育(日本語・英語)に従事した。
アセスメントテストを体験
STEP1:リスニングチェック
はじめにリスニングチェックを行います。30秒程度の音声を聞き、日本語で内容を説明します。音声はTOEICのPart4を模したもので、1人の話者が1つのテーマについて話しています。
このSTEPでリスニングの内容を完璧に説明できるのであれば、課題はありません。あなたの英語は完璧です。もっと難しいリスニングに挑戦しましょう。
私の場合、このSTEPですでに苦戦しました。ヘッドホンを使って集中して聞きましたが、30%くらいしか理解できませんでした。
STEP2:単語を確認して再びリスニング
STEP2では、リスニング中に出てきたキーとなる単語を確認・記憶し、そのあとで再び同じ音声を聞きます。
このSTEPで聞き取れるようになったのなら、聞き取れない理由は単純に語彙力が足りなかっただけ、ということになります。
ここでの私の理解は40%程度。さきほどより理解できる部分は増えましたが、まだ全体が掴みきれませんでした。
つまり私の場合、STEP1のリスニングに苦戦したのは語彙力が足りなかったからではなく、ほかに何か理由があるということが分かりました。
こうやって角度や負荷を変えながら「ひとりひとりの弱点を見極める」のがSTRAILの強みです。
また、このSTEPでは単語の記憶法を指導されます。ひとつひとつの単語に時間をかけて覚えるのではなく、フラッシュカードの要領でテンポよく覚えていきます。
STEP3:音声+スクリプト(ナチュラルスピード)
STEP3からパソコンの画面を見ながらのテストになります。さきほどと同じリスニングを聞きつつ、同時にそのスクリプトが画面上に表示されます。
このSTEPでは、聴覚だけではなく視覚を通じて英語を理解します。このSTEPで理解が進むのであれば、聴覚での理解に問題があることが分かります。
私の場合、このSTEPで一気に理解が進みました。つまり、私には聴覚の理解に課題があることがこの時点ではっきりしました。実感として90%くらいの理解で、細かいところもほとんど聞き取れました。
STEP4:音声+スクリプト(ポーズつき)- 意味のかたまりで聞く
ここではスクリプトを意味のかたまり(チャンク)ごとに1秒程度のポーズを取りながらリスニングします。
このSTEPでは、ネイティブのように英文を頭から理解できているかどうか確認します。
通常、日本の学校教育では、長い文章でも一文ごとに日本語に訳しながら理解するように習います。
この方法では、英文を行ったり来たりして理解するため(返り読み)、正確にスピーディーに英語を読むことができません。リスニングも同様で、返り読みの癖があると、英語の語順通りに聞いて理解することも難しいです。
具体的に見てみましょう。
例えば、「The nations of Europe built a Union that replaced battlefields with bonds of commerce and democracy.」という文があるとすると、
The nations of Europe built a Union(「ヨーロッパの国々は連合を築いた」)
↓
1秒程度のポーズ
↓
that replaced battlefields(「戦場に取って代わり」)
↓
1秒程度のポーズ
↓
with bonds of commerce and democracy.(「商業活動と民主主義の絆とした」)
↓
1秒程度のポーズ
のように一文単位ではなく、意味のかたまりごとにポーズを入れながら読んでいきます。
このSTEPでつまずいてしまう場合、返り読みの癖が残っていると言えます。
私の場合、ここでは、ほぼ100%理解できました。
STEP5:意味のかたまりごとに日本語に訳す
ここでは、さきほどの意味のかたまり(チャンク)ごとに英文を日本語に訳していきます。これはサイトトランスレーションと呼ばれ、通訳者が必ず練習する方法です。
先ほどの例で言うと、「The nations of Europe built a Union」というチャンクが画面に表示されたら、瞬間的に「ヨーロッパの国々は連合を築いた」という訳語を作ります。
正確に訳す必要はなく、日本語でチャンクのイメージをすばやく説明できれば問題ありません。
ここで問題がある場合は、文法力や単語力の不足、返り読みの癖が強いなどいろいろな理由が考えられます。
私はここも問題ありませんでした。
STEP6:シャドーイング
最後のSTEPでは、シャドーイングを行います。シャドーイングとは、音声を聞きながら、聞こえてきた音声に少し遅れて、自分でも発音していくトレーニングです。
シャドーイングをすることで、どの程度の音声知覚能力があるか確認することができます。
私の場合、このテストはかなりきつく、途中で何度もついて行けなくなりました。つまり、音声知覚に課題があることがここでも分かりました。
アセスメントテストは以上で終了です。
追記:2021年12月より、このインプットアセスメントに加えて、スピーキングレベルを確認するアセスメントが加わりました。くわしくは、こちらの体験記事をご確認ください。
ホームプログラムの提案
アセスメントテストが終わると、すぐに今の課題を伝えてもらえます。そして、それぞれに合った課題を克服するためのホームプログラムを提案してもらえます。
私の一番の課題は音声知覚でした。その他も含めると、以下の3点です。
- 音声知覚そのものの問題
- 瞬間的に理解できる単語の量が足りない
- 意味処理スピードがまだ足りない
まず1点目は音声知覚そのものの問題。STEP3でスクリプトを見ながら聞き取りをした場合、理解度が飛躍しました。つまり音声知覚(音の聞き取り)そのものを鍛える必要があると言われました。
音声知覚を鍛えるためにはシャドーイングが最適だそうです。
2点目は単語力の不足。音声で聞いたら分からないかったのに、スクリプトを見たら、すべての単語が分かりました。
つまり、単語の意味は知っているけど瞬間的に反応できるレベルで理解していないことが音声処理のボトルネックになっていました。
瞬間的な単語力を鍛えるにはフラッシュカードの要領で単語学習を続けることだそうです。1日100語を課題としてこなすように言われました。
最後の3点目。STEP4のチャンクリーディングで、ポーズを取ったら100%理解できるようになっていました。
つまり、文法力や語彙力はあるけれど、まだ瞬間的に理解できるレベルではないということです。
これを鍛えるには、速読リーディングというENGLISH COMPANYオリジナルのメソッドがよいそうです。
それぞれの課題を改善するための提案していただいたホームプログラムの内容をまとめるとこちらになります。
- 音声知覚を鍛える→シャドーイング
- 単語力の瞬発力を鍛える→フラッシュカードの要領で単語力を鍛える。1日100語。
- 意味処理スピードを鍛える→速読リーディング
ここでコンサルティングは終了です。的確な課題発見と改善提案をしてもらえて非常に密度の濃い1時間でした。
体験コンサルティングの感想とまとめ
体験を受け終えて感じた、コンサルティングの特徴です。
- コンサルタントの専門性が高い
- 課題の指摘がかなり的確
- 合理的なホームプログラムを提案してもらえる
なかでも一番素晴らしかった点は、課題の指摘が的確であったことです。
よく英会話スクールに行くと、単純に「リスニングが苦手ですね」などと結論づけられます。
ですがSTRAILでは「リスニングが苦手な理由」まで探ります。そのため単語の意味を教えてもらってから音声を聞いたり、スクリプトを見ながら音声を聞いたりと、色んな角度からアセスメントしてもらえるのです。
私はほとんどの期間を独学で勉強してきましたが、最近は伸び悩んでいました。自分の弱点を漠然とは感じていたものの、今回それを具体的に指摘していただき、初めて言語化できた感じがしました。
これもコンサルタントが高い専門性を持っているからこそだと思います。
いただいたホームプログラムの内容も非常に合理的で、私にどのような弱点があって、なぜそれをやる必要があるのか、ということを明確に説明していただいたので、非常に納得のいくものでした。
コンサルティングの時間は1時間ほどでしたが、流れるように進んでいき、内容にまったくムダを感じさせませんでした。
独学で勉強しているけど、思うように英語が伸びないという方は、ぜひ一度コンサルティングを受けてみてください。