photo by shankar s.

さて、前回の記事では、資格取得から初仕事デビューまでの道のりと、1年目の稼働実績についてご紹介しました。今回は、具体的にどんなルートで仕事を得たかと、どんな仕事を経験してきたかを、ご説明します。

仕事を得る3つのルート

フリーランスの通訳案内士が仕事を得るルートは、(1)通訳案内士団体、(2)旅行会社(もしくはオンライン旅行サービス提供会社)、(3)顧客から直接の3つとなります。

(1)通訳案内士団体

団体によって異なりますが、私の所属する団体では、入会すると会員としての登録がされ、団体に仕事の案件が入ると、所属会員に一斉にメールが送られます。

その案件の仕事概要、条件、謝礼金額などが記載されたメールに、その仕事を受けたい会員が返信をします。その後、アサインをされた会員のみに詳細の内容を記載されたメールが届き、その仕事をすることができます。

この仕事をさらに分類すると、所属団体が催行するツアーと、所属団体が旅行会社から案件を受けて募集のみを行うツアーがあります(*1)。前者の場合はアサイン決定後、ツアー催行会社と直接やりとりをすることになります。

(*1独自ツアーを行っていない所属団体は後者のみとなります)

(2)旅行会社(もしくはオンライン旅行サービス提供会社)

これも会社によって異なりますが、私がお付き合いしている会社だと、(1)のように案件ごとに募集がかかって自分から手を挙げる場合と、会社から直接打診を受ける場合があります。

(3)顧客から直接

私自身はまだ経験がありませんが、何らかのツールを使って、直接顧客から仕事を受けることも可能です。自分のホームページを立ち上げたり、通訳案内士と顧客をつなぐプラットフォームを利用したり、人からの紹介などのケースがあります。

なかには、自ら旅行会社を立ち上げて、海外の旅行会社に声をかけ、仕事を作っていこうとする人もいます。ちなみに2015年度の私の実績では、(1)が90%、(2)が10%、(3)は0%でした。

稼働日数58日のうち70%をしめるロングツアーがすべて所属団体経由だったことも大きいのですが、経験がゼロのうちから機会を与えてくれた所属団体には深く感謝しています。

しかし、どこかひとつに偏りすぎているのもよくないので、もうちょっと仕事を受ける先を分散化させていく必要があると感じています。

メインでやりたい小規模グループのロングツアーでは(3)は現実的に難しく、(1)のボリュームを徐々に(2)に移行させていくのが理想かなと考えています。

ロングツアーに出ていない期間には横浜と鎌倉の1日ツアーのボリュームを増やしたいので、そこでは(3)も試していくつもりです。

どんな仕事を経験してきたか

昨年経験した仕事は(1)ロングツアー(2)1日ツアー(3)スポットツアーの3種類です。

(1)ロングツアー

グループの人数、日数、滞在都市は案件ごとに異なりますが、昨年は15〜40人、4〜9日間、東京、箱根、大阪、京都、奈良、神戸、広島に訪れるツアーがありました。

ツアー期間中は朝から晩までお客さんと一緒に過ごすので、お客さんとより深い関係を築けるところが私は好きです。

(2)1日ツアー

私は横浜在住なので、東京もしくは横浜の1日ツアーも行います。ツアーの進め方はグループか個人かによって異なっていて、グループであれば予め決められた行程どおりに、個人であればお客さんの要望やペース次第で柔軟に内容を変更して行います(*2)。

行程の最初の場所もしくはお客さんの滞在先のホテルで待ち合わせをするのですが、いろいろなホテルのロビーを訪れることができるのもなかなか楽しいです。

ここ数年では日本の港に寄港する大型クルーズ船も増えているようで、横浜の大桟橋までお客さんたちをピックアップしに行ったこともありました。

(*2ここは旅行会社との契約次第です。中には個人でも行程をしっかりこなすことを求める会社もあるかもしれませんが、私の場合は個人であればお客さんとの合意の上であれば行程は自由に変更していい、という取り決めになっています)

(3)スポットツアー

これはもう本当にいろいろな種類のスポットツアーが存在するかと思いますが、私は築地市場案内、相撲部屋朝稽古、工場見学ツアーなどを経験しました。

ちなみに昨年の実績でいうと、(1)が70%、(2)が10%、(3)は20%でした。今年は現時点では(1)が100%。どういう比率になっていくのかは、自分でも楽しみです。

次回は、2年目に差しかかろうとしている現時点で通訳案内士という仕事について思うことと、これからのキャリアについて書きたいと思います。