バックパッカー流 英語学習法

さて前回TOEICテストを受けたあなたは、点数が予想以上に悪くて落ち込んでいることでしょう。そうです。予想以上に道のりは長いのです。

しかし、バックパッカー流はアイデアと発想の転換でそれを軽く飛び越えます。

英語の学習に一番大切なものはコレ!

英語の学習に一番大切なものってなんでしょうか? 勉強法? それとも戦略でしょうか? 私は英語学習に一番大切なのは、モチベーション(やる気)だと思っています。

英語の教材は、今の日本、良い物がたくさん揃っています。でもいくら教材があっても、学習のモチベーションを維持できなければどうにもなりませんよね。

日本の日常を暮らしていると、このモチベーションを維持するのは、とっても大変です。ハッキリ言って、モチベーションさえ高ければ、どんな学習法を使っても英語はそこそこ使えるようになると思います。

では、どうすればモチベーションを高めることが出来るのでしょうか?まず一つ目の方法としては、英語学校に入ることです。

英語学習者に囲まれていると、自然とやる気が湧いてきます。駅前留学でも良いのですが、海外留学をすると、更に容易に高いモチベーションを維持できます。

いま話題のフィリピン留学であれば、先生と1対1で会話でき、さらに食事や宿がついて月10万円ほどで留学できるのでお勧めです。

南の島で留学準備をしよう

しかし、ここで1つ問題があります。日本から、直接海外の英語学校に入ってしまうと、普段の日本語環境に慣れているせいで、英語を話すハードルが高いままなのです。

その結果、周りの日本人学習者と日本語で話し始めてしまいます。それが楽しくなり、英語の学習がおざなりになってしまった日本人たちを、英語学校では多く見かけました。

これでは英語でものを考えることなど到底不可能。安くないお金を払い、時間もかけて英語学校に来ているのに、非常にもったいないと思います。

そこで私がお勧めするのが、入学前に自習とモチベーションUPを兼ねた海外旅行を挟む方法です。とくに日本人が少なく、英語話者が沢山いる環境を旅行しましょう。

私はタイ南部の島々を1ヶ月ほど旅行してから、フィリピン留学をしました。

ちなみに「タイ南部の島ならタイ語じゃない?日本人も多いんじゃない?」なんて思われがちですが、ここは植民地か!?と思ってしまうくらいに白人ばかりいます。

しかもイスラエルやフランス、ポーランドなど世界中から旅行者が集まり、英語でコミュニケーションをとっています。

このように観光地では、世界中から楽しむために集い、初対面の人同士が、気さくに英語で会話しているのです。

そんな中に飛び込んで、一言挨拶をしましょう。旅行先でオープンになっている彼ら、きっとあなたにも興味を持ってくれることでしょう。

そしてそんな英語話者に囲まれていると、英語を勉強する気がムクムクと湧いてきます。

英語学校に入る前に、まずこちらでモチベーションを高め、勉強と実践を繰り返し、これまでの日本語脳を捨て去りましょう。

「直接法」と「間接法」

さて、ついにバックパッカー流学習法の説明に入りますが、その前に。語学の学習には、直接法と間接法があるのはご存知ですか?

直接法は、我々の母語である日本語を使わず、学習対象の英語のみを使って学習する方法。そして間接法は、日本語に訳して英文を理解し、英語を学習する方法です。

これまでの日本の学校の授業では、間接法で英語を勉強してきたことになります。本屋に行っても間接法の学習本が多いので、直接法については馴染みがないかもしれません。

日本語を介さず英語が習得できるのかと、疑問に思われる方も多いでしょう。実は日本にある外国人向け日本語学校では、日本語のみを使って教えています。

外国人が日本語だけで日本語を覚えられるわけですから、当然英語だけを使って英語を身につけることもできます。どうぞ、安心してください。

じゃあどちらが優れているのか?という話になると、未だに決着が付かない論争が続いていますので、言及は避けます。とりあえず、バックパッカー流では直接法を使うということを覚えておいてください。

英語を身につけたい? ならば英語教に入信しませんか?

私は、英語を勉強するモチベーションを最大限に高めるにはどうしたら良いか?を考えました。そしてそのためには、宗教を利用するのが良いとの結論に達しました。そうです。私は英語教を立ち上げたのです。

つまり、 「英語を身に付ければ救われる」「英語を身に付ければ、オールオッケー」ということにしてしまうのです。そしてそこへ至るための勉強は、「天国へたどり着くための修行」と位置づけましょう。

はい。これでモチベーションはバッチリですね。では修行法の解説に入ります。

1つ目の修行法:シャドーイング

シャドーイング

1つ目の修行法は、シャドーイングです。

まず、1つだけお気に入りの洋画を選んでください。日常会話をベースにしたものが良いですが、なにより何度見ても苦にならないことが重要です。

私の場合は、レオナルド・ディカプリオのバックパッカー映画、「ザ・ビーチ 」を選択しました。タイの島が舞台なので、気分は盛り上がり放題です。

これを英語字幕で見つつ、耳から入った音声をタイムラグなしでそのまま発音します。この「タイムラグなし」というのがとっても重要になります。

英語の授業でよくやる、一旦頭のなかで理解して発音するのは「リピーティング」といって全くの別の行為ですのでご注意を。

リピーティングと違い、このシャドーイングは「頭で理解する前に」「間髪入れず」「聞こえたまま」発音します。

ちょうど、歌詞がうろ覚えの曲に合わせて歌う感覚ですね。これを、完璧にできるまで繰り返しましょう。またタイのビーチでは、上の写真のようなバンガローに1,000円〜1,500円程度で泊まれます。

大声で修行に明け暮れても変な目で見られることはないので、大変オススメです。修行が完成した暁には、英語で夢を見て、英語で寝言を言っていることでしょう。

2つ目の修行法:写経-イング

写経

1つ目の修行法と対を成すのが、「写経-イング」です。シャドーイング中に分からなかった単語を、ノートに控えておきます。そしてそれを、バイブル(英英辞典)で調べ、発音記号・説明・例文などを全て書き写します。

ただしこのバイブルを選ぶ際、英語初心者は気をつけねばなりません。通常、英英辞典というと、Oxford Advanced Learner’s Dictionary(通称OALD)が勧められます。

電子辞書に入っているのも、大半がこのOALDです。しかし、これは初心者を陥れる罠です。このOALD、名前の通り、英語上級者(Advanced Learner)向けの辞書なのです。

直接法での勉強に挑戦して挫折する原因の一つは、このOALDだと断言します。新しいことに挑戦する際のコツは何か?それは、学習のハードルをトコトン下げること。

英語上級者になるまでは、絶対に見てはなりませんよ。私が英語初心者の皆様にお勧めするのは、「Oxford Essential Dictionary」です。

こちらは、超簡単な英単語で超シンプルに説明してくれます。まずは、ここから始めてください。それでも、説明の中にわからない単語が出てくると思います。それは、さらにバイブルで調べ、書き写しましょう。

とにかく、分からない単語を見つけたらバイブルで調べる、そして何度も読み上げる。そういった癖を身につけましょう。もちろん、どんなときもバイブルは肌身離さず持ち歩きます。

だって、あなたはもう英語教信者なのですから。バイブルに載っている単語の半分以上を写経-イングしたら、内なる神の存在に気づくはずです。

もしEssential Dictionaryに役不足を感じたら、「Oxford Wordpower Dictionary 」に移行しましょう。そうです、まだOALDに手を出してはいけませんよ。

ちなみに、iPhoneのLongman Dictionaryも説明が簡素でお勧めですが、それとは別に紙の辞書を持ち歩くのをお勧めいたします。そうです。その方が、圧倒的に修行をしている感が出るためです。

もうひとつのバイブル

もう一つ、重要なバイブルがありますのでご紹介いたします。シャドーイングで発音・イントネーション・フレーズを鍛え、写経-イングで語彙・スペルを鍛えていても、唯一文法だけが抜け落ちてしまいます。

そこで、基本文法を直接法で学べるバイブルをご紹介いたします。世界中の英語学習者に愛されているベストセラー、「Grammer in Use」シリーズです。

その中でも、初心者向け、もしくは中級者向けの版がお勧めです。ちなみに、上級者向けのAdvanced Learners版もありますが、著者が違っておりクソですので、たとえ上級者になろうとも購入してはいけません。

このGrammer in Use、簡単な説明と例文、そして図解によって文法を理解することができます。シャドーイングや写経-イングの合間に読むと、ここで覚えた英文法が、いつも使われていることに気が付くでしょう。

まさに「アハ体験」、ですね。このシャドーイング、写経-イング、Grammer in Useの修行をぐるぐると回していくと、やがてバターになります(なりません)。

だんだんと、英語の回路が脳の中に作られて行くのが分かると思います。そして、自習ではカバーできないスキル、自分だけでは組み立てることのできない表現が、きっと出てくると思います。

そういったものは、天国(英語学校)を訪れたときのために、メモをしておきましょう。神に直接質問できるなんて考えると、なんだかワクワクしてきませんか?

さて次回は、ついに神様(英語の先生)に会いに行きます。準備はいいですか?