このページの目的

日本人が英語を話すときに最も間違いを犯しやすい「時制」の重要性と、コミュニケーションに必要な4つの時制を理解する

口語に必要な「時制」は4つ

前のページで紹介したスティーブさんの記事で、「時制」について、「メジャーなものとマイナーなものがある」「メジャーなものとは現在形、過去形、未来形、この3つ」と述べていますね。

そしてもう一つ、これに「進行形」を加えれば、口語はほぼカバーできる、と考えていいです。

特にアメリカ人は過去の出来事については完了形と過去形をあまり区別しません。
完了形を使う場面というのは限られています。

少なくとも会話やチャットに関しては、時制は上の4つをしっかりと区別して使えるようになる、というのがまず基本。ですからここはしっかりとトレーニングします。(トレーニングについては「話す」のページでも具体的に紹介していきます。)

ただし、ListeningやReadingでは完了形はもちろんでてきますから、完了形とはどういうものかという理解はしておきましょう。また、イギリス英語を身につけたい人は、会話でも、完了形も押さえておく必要があります。

「時制」は感覚的につかむ

会話やChatで“What do you do?”ときかれて間をおかず瞬時にこたえられますか?
では”What are you doing?”は?

・・・この二つの答えはまったく別のものですよね?

ちなみに二番目の質問の答えは、いまここを読んでいる人であれば100人中100人がほぼ同じ内容の答えを言うはず、ですよね?

では週明けの月曜日に次のようにきかれたら?

“What did you do this weekend?”
“What did you do last weekend?”

オノハ12

・・・この二つの答えは同じもの?別のもの?・・・わかりますか?

では“What are you doing this weekend?” は?

この「this weekend」と“What did you do this weekend?”の「this weekend」は、同じ「this weekend」であっても、違う「とき」ですよね?

これらの質問の違いを理解して、そして間をおかずに「簡単な単語を使った自然な文章で」瞬時に"I (do)/ I (did) / I’m gonna・・・" の形で答えがぱっと出てくる人は、基本的な英語の語順、時制を感覚的につかんでいる人です。

ですが、これらのごく簡単な質問に対して「えーーっと・・・(これはいつのことをきいてるの?語順はどうだっけ、時制はどうだっけ?)」となる人、少し詰まる人は、まずは英語の語順、そしてさらに時制を皮膚感覚で身につける必要があります。

時制については、前回紹介した「一億人の英文法」にも詳しく説明がありますのでそこを読んで理解しつつ、「話す」の回で紹介する教材で実際に「話す」トレーニングをしながら身につける、という方法をオススメします。

また、問題集で身につけたい、という方には次の本がオススメです。

練習問題を解いて「時制」を身につける

「時制」の項目は理解するべき分量も多く混乱しがち。読んだだけではなかなか身につかない、という場合もあるかもしれません。

そこで練習問題をときながら身につけられる本を紹介しておきます。(イギリス英語の本です)

4327451037 ネイティブスピーカーの英文法―英語の感覚が身につく
大西 泰斗 ポール マクベイ Paul Chris McVay

「一億人の英文法」の著者の大西先生が書かれた本。
こちらは一日で読めてしまうくらいポイントが簡潔にまとめられています。

この本はイギリス英語の文法の本ですが、「時制」についての話が半分近くを占めています。
それだけ「時制」というのは英語を身につける上で重要だということ。
また、”a”と”the”の区別もこの本を読んで練習問題を解くとかなり身に付くはず。

ただ説明の内容自体は「一億人の英文法」のほうがわかりやすいのでそちらを読んで理解を深め、この本では練習問題をときながら時制を身につける、というやり方をオススメします。

この本の特徴を簡単にまとめると・・・

・日本人が苦手な文法が簡潔にまとまっている
・説明と練習問題があって読めばすぐに身に付く
・イギリス英語の文法を身につけることができる
・持ち歩ける本で必要な文法をおさらいできる

※この本を読む前に中学校レベルの文法か、「ビッグ・ファット・キャットの・・・」の本の内容は理解しておいてください。少し難しいと感じられる文章も入っているかもしれませんが、難しい文章は無理して100%理解しようとする必要はありません。

ここに書かれていることは本当に重要なことだけ。一通り説明を確認しながらエクササイズして理解を深めることができるようになっています。
※ただし完了形についてだけは、もし混乱するようなら、読んで「なるほど」と理解するレベルでも大丈夫。

文法の本でありながら、薄いので持ち歩きもでき、空き時間に読んで問題を解いて身につける、という使い方ができる便利な本というのは少ないので、そのような使い方をしたい人にはとくにオススメです。

さて、ここまでお話してきたポイント、覚えてますか・・・?
簡単な単語を使えるようになること、語順、時制。この三つが重要なポイントです。

・・・をふまえて、次は簡単なエクササイズをします。