このページの目的

英文を頭で理解するだけではなく、「話す・書く」ことができるようになるための英文法でもっとも重要なのは「語順」であり、英語は「配置」のことばであることを理解する

「文の区切り」をつかむ

オノハ12

私たちが英文を見たときに最初にすること!それは・・・

①のdo(一般動詞)の文なのか②のbe動詞の文なのかを見分ける動詞をパッと見つけること!とお話しました。

そしてそのために必要なこと。それは・・・「文の区切り」をつかむこと!です。

ビッグ・ファット・キャットの〜』の本文から引用すると・・・

「文を切るべき位置で切ることができるかどうか―実はこれが英語をマスターするうえでもっとも重要な事柄かもしれません」

「文を切るべき位置で切る」=英語の「文の区切り」がわかる、ということ。「文の区切り」がわかるとは、文がフレーズごとに固まって(ひとかたまりとして)見える、きこえる、ということです。

オウルン14

一体、どうやって?

 

・・・そのための一番のカギは・・・

「語順」。・・・これが今回のキーワード、です。

「使える」英語を身につけるカギ―読むだけではなく、聴くこと、話すこと、書くこと・・・それらができるようになるには、どうしても、英語の語順を身につける!こと。

そしてこの「英語の語順」を身につけるときに、とくに「話す」「書く」というアウトプット=「使う」ことを重視して考えると、「英語は配置のことばである」ということを知る必要があります。

単語をどのように配置するか?それによって文章の意味が決まってくるのが、英語という言語。

それについては、お勧めの本とともに詳しく紹介します。
これは「使える」英語を身につけるための英文法のバイブルといってもいい本です。

「一億人の英文法」を英文法の辞書にする

4890855270 一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)
大西 泰斗 ポール・マクベイ

これはNHKの講座も担当していた大西先生がまとめた「話す」ための文法の本。大西先生の英文法の基本コンセプトは「暗記は不要」です。

ただしこの本はボリュームがあって練習問題はないので、持ち歩いて空き時間に解説を読んでトレーニング・・・という使い方には向きません。

ですが、この本一冊で、「話す」ための文法の説明はほぼ網羅されていて、しかもほとんど図解付き。そのためにボリュームがあるわけですが、話すのに必要のない文法は排除して、実用的ではない文法用語も使わずにここまでわかりやすくまとめているのは、圧巻!です。

まずはとにかく最初から最後まで順に読む、というより見る、という方が適切かもしれません・・・がこの本の基本。

・・・ではありますが、ボリュームがあるので途中で飽きる人もいるかもしれません。
また、一回読んで理解したつもりでも、すぐに使わないと忘れますし、しょっちゅう使っていないとまた忘れるものです。そのため実際に英文を使う練習をするときにまた開くことになると思います。

そこでこの本は次のような使い方をオススメします。

オウルン15

①最初の「0 英文法の歩き方」と「1 主語・動詞・基本文型」はなにがなんでも順に読んでしっかりと理解する。

②「2 名詞」は名詞についてだけ書かれているわけではなく非常に重要なことが含まれる。とくに「文の区切り」をつかむのに重要なエッセンスが詰まっている。上の二つの章を読んで基本の文型を理解したら、「2 名詞」をじっくりと読む。

③そのあとの項目については、ざっと読める人は読む。読めない!という飽きっぽい人は、どこに何が書かれてあるか、見出しをチェックしておく。

あとは辞書的な使い方でもOK。つまり、「これの使い方がよくわからない」と詰まったときに、その項目をまたじっくりと読む、ということ。

辞書的な使い方もできるように、ちゃんと章ごとにぱっとめくれるように見出しが工夫されています。
本を閉じた状態で見てみると、どの章がボリュームが多いかが一目瞭然。
読んで理解する、と書いた最初の3つの章以外では、ボリュームが多いのは「時の表現」、そして「前置詞」です。この二つは重要かつ日本人が苦手とするポイント。この後のページでも詳しくお話していきます。

なお、この本にはCDブックもありますので、本の内容を読んで理解したら、CDブックを聴いて音読を繰り返すのもよいと思います。

「配置の言葉、英語」

英語は配置のことば。「一億人の英文法」の「0 英文法の歩き方」の本文から一部引用します。

「英語はどこまで行っても、配置のことばだという本質です。・・・(略)・・・

ためしに red (赤)という単語を考えてみましょうか。・・・

(1) red
(2) Red is the color of passion. 【名詞】
(3) I love red. 【名詞】
(4) I love that red dress.
(5) That dress is red.
(6) The iron is burning red.

red の役割が、文中の位置によって判断されていることがわかりますか?
(2)(3)が「赤」という名詞になるのは、主語・目的語の位置に置かれているからです・・・・・

日本語は「赤」「赤い」「赤く」と語尾を変化させることによって文中での機能をあらわしますが、英語はそれと同じことを配置によって行っているのです。・・・・・

英語は配置のことば―それが英語の本質です。・・・・

基本文型は4つ。修飾ルールは二つだけ。英語の配置はそれで十分。」

大西先生の言われている通り、「文法は暗記するものではない」・・・その通りだと思います。
この本を読んで仕組みを確認したら、あとは使って覚えていく。
もし使うときに困ったら、この本を開いて都度確認することをオススメします。