「音」だけを練習する毎日

留学時代の写真

英語の発音は、「筋トレ」と「有酸素運動」。

・・・これ、毎日やってみた人にはよーくわかることですよね?私にとってもまさにそのものでした。

もし10分以上発音トレーニングをしても口回りが疲れない、というようなやり方をしている人がいたとしたら・・・それはたぶん、口の動かし方が足りない証拠!です。

私は高校生になってマドンナのアルバムを入手したとき、そのアルバムに入っている曲はほぼ全曲練習しました。

歌詞カードを見ながら耳で聞こえてくる音と一緒にひたすら口に出して繰り返し練習する毎日・・・舌とほっぺがほぼ筋肉痛状態。でも、「同じ人間なんだから言えるはず・・・!」と信じてやっていました(笑)。

ですが実際には・・・かなりテンポの速い曲の場合、100回やってもどうしてもできない!というフレーズも。

このとき、「ゆっくりでなければ絶対言えないフレーズもある・・・」ということも諦めとともに知りました。。。

子供のころから耳では聞いていたものの、口に出してはいなかったので、やはり口に出して言うことと耳で聞くこととは違う、とわかったのです。

私たち日本人が大人になってから英語を習うということは、Native Speakerのように話すのはほぼ無理です。が、英語らしく話す、ということなら、トレーニングすれば可能です。

歌は、その「英語らしく話す」トレーニングをするのにとてもよい素材です。

その後、大学生になって20歳のときにはじめてアメリカに語学留学に行きました。
そのとき、まったく英語を話すことはできなかったのですが、発音のクラスでだけ、先生にほめられました。

「あなたは話せないし日本人なのに、そのわりには発音が上手ね、誰に教わったの?」

「マドンナ。」

アメリカ留学時代

・・・このとき「マドンナの歌をきいて練習しました」、と文章で説明できるだけの英語力は私にはまだありませんでした・・・。

それでも。

"Oh, That’s great!”

・・・学校の英語の授業ではずっと劣等生だった私が、生まれて初めて英語の授業で先生に褒められた瞬間!・・・このときのことは今でも忘れられません。

英語の歌から学ぶこと

英語の歌から学べることはいろいろあります。
とくにリエゾン(音をつなげる)は歌が一番自然な形で覚えられると思います。

“Yesterday Once More”でいえば、最初の”When I”の部分ですね。これをWhen / I と分けて発音したのでは自然な英語ではありません。

Whenの最後のnと次のIはつなげて発音する。そう発音されているから、私が耳できいて書き取ったのは、「ウェーナイ」だったのです。

それから、英語の歌を練習することは、英語の発音だけではなく、リズムも学ぶことができます。これもとても大事なこと。

とくに韻を踏む感覚が自然に身についてくるはず。リズムの良い、テンポの良い英語を書いたり話したりするときにこれもポイントとなるところです。

発音トレーニングではそこまで意識する必要はありません。何百回もトレーニングを重ねているうちに自然とそういう「英語的な」音やリズムの感覚は身についてくるものですから。

英語の歌が好きな人は、音読を何度もやってみてその曲がかなり完成に近づいてきたな、と思ったら、カラオケにチャレンジしてみるといいと思います。

カラオケで英語の歌をうたうときのコツ・・・それは歌詞を先読みすること。次にくるフレーズの歌詞を目で追っておくと、スムーズに歌えるようになります。ぜひやってみてください。

「好き」からせ世界が広がる

学校の英語が大嫌いだった私がまさか大人になってこんな仕事をしているとは・・・あのころにはまったく予想もできませんでした。

みなさんの中には、いまはせっぱつまったものやはっきりとした目的がない、でもなんとなく英語を話せるようになりたい・・・という人も多いのでは?

私もずーっとそうでした。でも私はただ英語の「音」が好きだったことと、旅が趣味だったので飽きることなく英語の学習を大人になっても続けてきた、それがいまにつながっている、というだけ。

きっかけはなんでもいいと思います。本が好きなら本でもいいし、映画が好きなら映画でもいい。
ネットサーフィンが好きなら英語の情報は日本語の100倍以上あります。

買い物が好きなら海外の通販サイトから個人輸入すればいろんな新しいものが日本で買うよりも安く見つかります。

私はよく海外のサイトから買い物しますが、海外のショップは実にテキトーです。。。
数量を間違っていたり、それを指摘して追加で送ってもらったら今度は逆にだいぶ多すぎたり・・・足し算と引き算できますか???と言いたくなるような、、、自分で交渉しなければならない場面がしょっちゅうあります。

そういう世の中の現実を知るのも、また英語を使うからこそ広がる世界、です。

「英語」を目的にするのではなく、あなたが「好きなもの」が何かあれば、その世界を広げていくことを目的にする・・・「使える」英語を身につける、とは、そういうこと。

世界を広げよう!・・・そんなふうにワクワクしながら、どうぞ楽しんで英語を学んでいってください。