大手英会話の安定性

90年代の英会話ブームをピークに、最近まで英会話の市場規模は縮小し続けてきました。市場環境が急速に変わる中で大手でも倒産する会社が出て、一時社会問題にもなったほどです。

過去には上場企業のNovaが倒産

その中でもNovaの倒産はニュースで大きく報道されましたので、覚えている方は多いのではないでしょうか。そしてその時に問題になったのは、先払い授業料返還の問題です。

事前に何十万もの授業料を払っていた生徒は、授業を受けられなくなっただけでなく返金を受けられませんでした。

後日、Novaの事業を引き継いだ会社によって、残りの授業料分は通常の25%の料金で提供されましたが、事業継承時に既存教室は多数閉鎖になりました。それにより最寄りの教室が無くなってしまい、遠くまで通わないといけない方が多くいたようです。

教室選びは慎重に!

このような事態は、英会話以外の、エステなどでも起きています。大手だから安心というわけでもありません。では、このような事態を回避するにはどうすればいいのでしょうか。

そのためには残念ながら、ご自身で気をつける他ありません。授業料が月払いの教室を選ぶ先払いでも短い期間にする安定性の高い会社を選ぶ、などです。

以下には、みなさんがそれらを判断出来るように、それぞれ大手英会話教室の授業料の支払い方法、その他現状についてまとめました。教室選びの一つの判断基準として、ご活用いただければと思います。

大手英会話教室

教室名 授業料の支払い方法 その他コメント
イーオン 先払い 株式会社イーオンが運営。非上場企業のため詳細は不明。 授業料は先払いだが、銀行による授業料の信託保全を行っている。
ECC外語学院 先払い 親会社は1962年設立の教育事業を多角的に行っている株式会社ECC。詳細は非上場企業のため不明。
シェーン英会話 月払い
※先払い可
東証2部上場の栄光ホールディングス株式会社の完全子会社。
ベルリッツ 先払い ベルリッツ・ジャパンは、外資のベルリッツコーポレーションの子会社
Gaba 先払い マザーズに上場していたが、東証1部上場の株式会社ニチイ学館にTOBで買収された。現在38教室のみで、すでに拡大路線はやめている。

過去に倒産した大手英会話教室

教室名 授業料の支払い方法 その他コメント
Nova 月払い
※先払い可
JASDAQに上場していたが、2007年10月に倒産。その後、株式会社ジー・エデュケーション(現:自分未来アソシエ株式会社)が事業を引き継いだ。倒産前は先払いだったが、現在は月払いがメイン。
ジオス 先払い 2010年4月に倒産。その後、株式会社ジー・エデュケーション(現:自分未来アソシエ株式会社)が事業を引き継いだ。現在、大人向け英会話は全て閉鎖している。
ELS・ジャパン 先払い 突然の破産宣告により、2009年12月倒産。

まとめ

安全性で言うと、支払いは月払いが一番ですが、そうでない場合、上場企業の資本が入っている会社の方が安定感はあります

上場企業の場合、決算を公開しています(親会社の場合は親会社の連結決算を見ましょう)ので、何の前触れもなく倒産するということはほぼありません。非上場の場合は会社の業績が分かりません。

ただし、業績をご自身でチェックしないとあまり意味はありません。Novaは上場企業でしたので、業績を見ればその兆候は現れていました。

また、倒産する数年前からそろそろ危ないと言われていました。しかし当時、残念ながら巻き込まれてしまった方は沢山いました。

生徒からすると英会話教室の授業料は決して安くはありませんが、運営側にとっては、講師の給料、立地の良い教室の賃料など高い固定費を考慮すると、英会話事業は資金繰りが楽ではありません。

生徒側は大手だから安全と決めつけず、慎重に教室を選びましょう。