こちらは「英語が出来なくてもなんとかなった! 私のキャリア - 日系グローバル製造業編」の続編です。

さて、外資系IT企業、日系グローバル製造業と合計9年強働いたあと、私は仕事を辞めて世界一周の旅に出ます。

旅に出た理由は、9年も働いたから1年くらい夏休みが欲しかったからです(ちなみに、夏を追いかけて世界を回ったので、一年のうち10ヶ月くらい夏でした)。

この世界一周に出る前、TOEICでは計測不能な程の英語力の時から私は海外旅行に行っていました。

英語が下手くそな人の海外旅行

英語で外国人と話したことがない人が海外旅行に行く場合、とにかく必要な事は喋る事です。日本人は高校までで6年間、大学合わせると10年間も英語を勉強してます。

少なくともそれなりの大学の入試をくぐり抜けた人なら最低限旅に必要な単語は頭に入っているはずです。

というか、旅で必要な単語なんて、中学一年で大体習っているはずです。このくらいなら、さすがに多くの人が覚えているでしょう。あとは、それを喋るか喋らないかです。

旅の英語が簡単な理由

旅行で使う英語は簡単です。なぜなら、旅行者が行くところは限られており、そこには同じ事を何千回と聞いてきたスタッフが座っています。とっかかりの単語さえ話せば、あとは向こうが推測してくれるのです。

例えば、ホテルのカウンター。でかい荷物を背負った人がカウンターに来たら、スタッフは「宿泊者だ」「もう予約してるのか?してないのか?」くらいは推測してくれます。

「Reservation」とバウチャーを出せば、「ああこいつは予約してるんだ、鍵出して、紙書かせて…」と勝手に話しを進めてくれます。

予約をしてなければ「Can I stay?」と言えば「予約してないんだ。空室確認してと」と話しを進めてくれる。しゃべらなきゃいけないことは、そのとっかかりだけなのです。

心配な人は、日本の国内旅行をすることを想像して、飛行機乗ったり、タクシー乗ったり、ホテル泊まったりすることを想像して、そこで必要な会話を書き出してみましょう。

そして、それを英語でどう言うか調べて、暗記してしまえばいいんです。

英語ができないと困る場合

すんなり物事が進む場合は、こんな感じで、必要最低限の言葉ができればなんとかなります。

従って、ネットで飛行機やホテルを予約し、行きたい場所への地図をGoogleマップで作成して印刷して、タクシーの人に見せるように目的地の名前、住所を大きく書いたノートを用意しておけば(タクシー運転手には老眼の人が多いです)おおかた、すんなり行きます。

しかし、英語が出来なくて困るのはこじれた時、交渉ができない時です。例えばホテルを予約してあり、バウチャーもあるのに満室だった時。

なんとしてでも交渉して、部屋を空けてもらうか、他のホテルに無料で泊めてもらうか、全額返金させるかしなくてはなりません。

まずは「Why?」「I have to stay」「Room or Refund」などと単語で戦うことになるのですが、途中で心が折れてこっちが負けることもあると思います。

それは、英語が喋れない自分の負けです。その悔しさを胸に刻んで、英語学習のモチベーションにしましょう。

そして、日本に帰ってきたら、そのような状況下でどんな風に言い返せば良かったか、どう交渉すればよかったかを、自分で調べ、英語が話せる友人や英語学校の講師に添削してもらいましょう。

自分が心から言いたかった言葉、悔しい思いをしたリベンジの言葉は、しっかりと脳みそに刻み込まれ、次に同じ事が起こった時に必ず口から飛び出るようになります。

喋れないけど頑張った経験は他でも役に立つ

この様に、喋れないけどなんとかわかる範囲で会話をした経験はある程度英語を喋れるようになった後も色々役に立ちます。

まず、英語が話せない人との会話。英語は世界語と言っても全ての人が英語が喋れるわけではないです。特に中南米のスペイン語圏は英語がからっきし通じない場合が多いです。

そんなときに、数えるほどの単語数のスペイン語で数ヶ月生きていけたのは、少ない単語だけで交渉する術を知っていたからだと思います。

仕事の際も、マニアックな話しになって単語力が追いつかなくなった際に、いかに自分の知っている単語に置き換えて、相手に理解してもらうかを探るというスキルは思いのほか役に立ちます。

私はこれによって、スペイン語圏も、ポルトガル語圏も、アラビア語圏もなんとかクリアしてきました。

ただ、この様なスキルはあくまでもその場しのぎの最後の手段でもあります。自分が損することも多いし、正確な伝達ができずトラブルの元になる場合もあります。

私も何度も悔しい思いをしています。しかし、失敗こそが、学習のための最大のモチベーション。語学なんて、失敗して、恥をかいて、それを繰り返さないように覚えての繰り返しです。子供が母国語を覚えるのと同じように。

たとえ下手でも、海外旅行は是非チャレンジしてみてください! ただ、いきなり世界一周とかはやめた方がいいですよ。治安が良さそうで、観光客慣れしたところに、短期で行ってくださいね!