こちらは「英語が出来なくてもなんとかなった! 私のキャリア - 外資系IT企業編」の続編です。
前回お伝えした、英語が喋れなくても何とかなる外資系IT企業に勤めて7年。
この間のほとんどを製造業相手の営業技術者をやっていたので、本格的に製造業について知りたくなり、大手グローバル製造業に転職しました。
転職の際、たいしてできるわけでもないのに「アメリカに1ヶ月出張行ってました」とか「新製品のリリースにβテストから参加してました」とか、「本当のこと」をアピールすることで「英語ができる人」として入社したこの会社。
当時の時点で、世界十数カ国を回るバックパッカー経験もあったので、会社側もアジアの奥地に飛ばす要員として評価してくれてたのではないかと思っています。
ですので、会社に入ってからも「英語できます。っていうかやります」アピールが効いたのか、紆余曲折の果てに、世界8カ国のスタッフと共同プロジェクトの担当にアサインしてもらうことができました。
日本、中国、タイ、メキシコ、スペイン、南アフリカ、UK、アメリカ。
アサインが決まった直後に「英語が上手くない」ということはばれたので、「おまえは、ノンネイティブ担当」ということになり、主に上記のうち前6カ国を担当することになりました。
ちなみに、この時点でTOEICの点数はたぶん600点程度。たぶんというのは、点数が低いと不利になるのであえて受けてなかったからです(そして、私は今でもあえて受けてません)。
ノンネイティブと仕事をするということ
日本企業で、英語ノンネイティブの国のスタッフと仕事をする場合も、言語は当然のごとく英語です(中国には一応日本語通訳がいましたが)。
英語で現状を聞き出し、英語でドキュメントを作り、英語で指示を出し、英語で進捗確認をする。朝はメキシコと、昼はタイと、夜はスペインとといったように、時差の関係で一日中外国人とテレビ会議をすることもしばしば。
強制的に英語力は鍛えられます。この時に、曲がりなりにも仕事を回すために必要な事は、想定される質問や指示に関して、あらかじめ使う単語を調べておくことです。
英語ノンネイティブの人との仕事は、相手の語彙数も多くないこともあり、非常にシンプルなやりとりになりがちです。従って、必要な単語さえしっかりと共有できていれば意思疎通はできます。
事前の資料に、共通認識として持っておかねばならない用語を書いておき、早い段階でその内容を確認、共有し、それをベースに話をすれば意外とスムーズに事は運びます。
私のような英語が得意でない人にとっては、器用にじゃんじゃん言い回しを変えてくるネイティブの人よりも仕事がやりやすいこともしばしばです。
相手に伝わりやすい言葉を
そして、できる限り気をつけたのは、相手に伝わりやすい英語を使うことです。ノンネイティブの人たちは、当然のごとく各国ごとに訛りがあります。
そして、聞き取りやすい発音、単語があります。ある程度そこを意識して、相手が聞き取りやすいような発音で話す、相手が知らなそうな単語は使わないことを心がけながら会話をするようにしました。
これは、中国人のスタッフが、一生懸命ジャパニーズイングリッシュっぽい発音で会話をしてくれたことから学んだことです。
こんな事をしていたら、タイ出張から帰ってきた後は同僚から「おまえの英語はタイ人っぽい」って言われるようになり、いいんだか悪いんだか…という感じでした。
ただ、この後会社を辞める際に、一緒に仕事をした人たちに一斉にメールをしたところ、海外のスタッフから真っ先にメールが返ってきて、別れを惜しんでくれました。
そんなわけで、海外との仕事ができるチャンスがある日本の大企業にいる人は、英語で仕事をするために、まずは最低限仕事ができるだけの英語力を身につけ、「英語できます!海外仕事やりたいです!」と自己主張することから始めましょう。
そして、アサインされたら、専門用語を中心に最低限必要な単語を覚えて、相手と共有し、その言葉を中心に仕事を進めていくといいと思います。そして、話す際には、相手が受け取りやすい言葉を選ぶこと。
この自己主張と、相手のことを思いやる気持ちのバランスをとれば、多少下手な英語でも周りがフォローしてくれます。
そして、周りのフォローをありがたく受けながら、英語の経験値を増やし上達していく事を心がけましょう!ちなみに、このレベルで許されたのは「日本の親会社の社員」であったという理由も大きいです。
相手と対等な立場で仕事をするためにも、応急処置をしながら、きちんとしたハイレベルの英語を身につけようと努力をすることも忘れてはいけませんよ!