今回はたたき上げで英語を鍛える方法を取り上げたいと思います。

英語プレゼンは自分の伝えたいことを単純・明確にすること、英語の会議での議事録(日本語・英語)は積極的に取り組むとよいこと、そして英語の会議をうまく進めるための方法を紹介したいと思います。

目次

(1)英語プレゼンテーションをどう練習したか?
(2)英文議事録作成のディクテーション訓練
(3)英語のテレカンでやっていた「事前準備・段取り」の重要さ

英語プレゼンテーションをどう練習したか?

英語を鍛える上で、最も効果的なのが英語でプレゼンテーションをすることかと思います。

目の前にいろいろな聴衆の方々が座っていている中で、手に汗を握る状態で英語でプレゼンしなければいけない場面に自分を追い込むと、英語は結構できるようになるのではないかと思います。

私は大学時代のセミナーを取る前まで、英語でのプレゼンの経験は全くありませんでした。ゼミを取ってから、英語でプレゼンをする機会が多かったため、ビビりながらもそのプレゼンをこなしていました。

最初は、聴衆の前に立って英語でプレゼンをすることが全くできず、用意したスクリプトも出来がよろしくなく、「なんのためのプレゼンなのか?聞いている人の時間を無駄にしているのではないか?」と思ったほどです。

しかし、ゼミの授業の中で教授から「プレゼンテーションで重要なことは聴衆をいかに惹きつけるかである」ことを言われました。そして、以下のWebサイトを紹介してもらいました。

英語も大事といえば大事なのですが、英語で表現する上でプレゼンをシンプルにかつ聴衆を惹きつけるような内容に仕上げることが必要です。

シンプルに仕上げるという事前準備をしっかりすることで、英語に自信がない状態でも、英語でプレゼンできる形に持っていくことが出来るかと思われます。

ちょっと精神論になってしまいますが、よく言われていたのが「スライドに負けるな、プレゼンをする主体はあなただ」でした。

スライドを洗練されたシンプルなものに仕上げて伝えたいテーマを簡潔にわかりやすくすることが大事だと思います。

具体的に、シンプルな英語でのプレゼンはどのようなものなのでしょうか。Appleの創設者であったSteve JobsのApple製品のリリースのプレゼンが有名ですが、私個人的には以下のものを紹介したいです。

スライドをどう仕上げて、それでどう話を展開させるかの具体的なイメージを持つことができます。

最初に笑いのネタを言ってみたり質問を投げかけてみたりして、聴衆との距離を縮めようとしていることに気づきます。

その上で文字を極力少なくして、画像で話を進める形となります。私は英語ができませんでしたが、大学時代はこのようなプレゼンの進め方を真似るように努めていました。

もちろん、たくさんのデータや文字を多く見せなければならないプレゼンも場合によってはあるかもしれませんが、基本的には「聴衆を惹きつける」ことがプレゼンの目的でもあるので、シンプルに明確なプレゼンをすることが主流であると思います。

英語でプレゼンをする上で最も重要なことは「最も伝えたいことは何か?(イシューは何か?)」をしっかりと決めることだと思います。

そして、そこからロジックツリーのように要素をピラミッド構造で構築していくことが大事だと思います。

そして、各要素を一言で言うと何か・自分の言いたいことを最も効果的に訴えられる画像や図表は何かということを考え、それに当てはまるスライドを作っていき、拙くても自分の言葉で語れるように準備してプレゼンに臨むと、聴衆を惹きつけられる面白いプレゼンを仕上げることができるかと思います。

イシューを決めることやピラミッド構造の作り方については、以下の書籍がオススメです。前者は英語版の原典の方を読むこともお勧めします。

英文議事録作成のディクテーション訓練

私がビジネス英語を鍛える上で、これは本当によかったと思う経験は「英文議事録」の作成でした。これは、本当に自信を持ってお勧めします。

議事録というと、新人がやる作業に思われがちですが、新人でなくても若手中堅社員でも積極的にやるといいと思います。

私がコンサル会社に勤務していた時、ある海外進出支援のプロジェクトにアサインされて、日本語の議事録作成を任されました。

海外オフィスのメンバーと顧客との会議が英語で行われ、顧客に提出するための議事録をまず、日本語で書いて、それを顧客にチェックをもらって承認を得てから、海外オフィスメンバー向けに英語で書いて提出していました。

議事録は日本語・英語でも「決定事項を簡潔明瞭に記載する文書」であることがあるべき姿です。

日本語でこれを書けることが前提となりますが、それを英語でもやってしまうと、議事録作成能力だけでなく、英語力そのものをも鍛えることができます。

即ち、英語で構造化して整理する力、ディクテーションの書き取り能力を鍛えることができます。

特にディクテーションは語学力を飛躍的に上げることができますし、書くのが面倒な場合はシャドーイングをして聞こえたことを真似るだけでも力をつけることができると思います。

そう思ったのは、中学生の時にグレゴリークラーク氏の『クラーク先生の英語勉強革命―私の“ディープリスニング方式”ならだれでも語学の達人になれます』という本を読んだためです。

この本は日本の英語教育をかなり辛辣に批判していて、ちょっとやりすぎ感もあって高校の英語の先生も「言い過ぎでは」と言われたほどです。

しかし、ディープリスニングという方法は非常に示唆に富んでいると思います。

ディープリスニングとは、全くわからない「暗号解読」の状態のリスニングを何度も聞き返して辞書を駆使して調べながら進めると飛躍的に力をつけることができるというものです。

何度聞いても聞き取れないところは空白にしておき、全てを書き出した後、どうしても聞き取れなかった箇所をテキストによってチェックして、英語を聞く力の仕上げをしていきます。

さすがに、仕事で会議に関する理解が「暗号解読」の状態ではお給料をもらえる立場にはなれないのですが、議題の大枠はしっかりと理解した上で、英語での発言内容を注意深く聞き取って議事録を完成させるというプロセスは、このディープリスニングにやや似ているところがあると思います。

ちなみにですが、日本語で議事録を描く方法については、拙稿があります。

英語で議事録をいきなり書く訓練もしてもいいかと思うのですが、日本語が母国語の場合はまず日本語でしっかりと議事録をかけるようになってから取り組んだ方が効率はよいかと思われます。

どちらも、「決定事項を簡潔明瞭に記載する文書」を作成する作業であることは同じですが、慣れないうちはこれを作成すること自体が大変なことが多いためです。

私は英語で行われた会議の議事録を日本語で作成する際に、スマホの録音アプリで実際の会議の音声を録って、それを聞きながら「決定事項」「議事内容」をまとめていました。

短時間で仕上げるコツは、英語で議事が行われている最中に、決定事項に注意しながらパソコンでメモを取ることです。

決定事項は何か、など会議の流れを予めつかむ必要があります。その会議の流れをつかむ方法は次項「事前準備と段取り」にて記載します。

もちろん、はじめのうちは時間がかかってしまうことが難点ですが、振り返ると英語の会議の議事録を日本語と英語で作成したのは非常によい経験でした。

数をこなし、何度も上司の書き直しを経て、確認作業を経て改善をしていくことで、時間を短縮することができました。

英語のテレカンでやっていた「事前準備・段取り」の重要さ

英語での聞き取りで議事録を作成する作業(ディクテーション)がよい方法だと思えても、「途方もない時間がかかりそうだ」「締め切りに間に合わなくなる」といった不安があるかと思います。

事実、私もこのように記事で偉そうに言うものの、時間ばかりかけてしまって、「スケジュール感が無い」「〜〜時までって言っただろ!」とよく怒られていました。

コンサルタントの世界では、メールの返信は原則24時間以内と言われていました。議事録も上司のレビューが終わったものは翌日以内に送るのが基本でした(レビューで赤ペンが沢山入ったりすると遅れることは多々ありました・・・。)

締め切りが差し迫った中、英語を聞き取って、英語で議事録を提出しなければならない・・・そんな困った時、どうしたらよいのでしょうか。

一つ、会議自体を分かりやすく議題を設定して運営するという方法があります。アジェンダを事前に作成して、必要資料を配っておくというやり方です。

会議はそもそも何のために行われるのでしょうか?いつ誰と何について話をするかなど5W1Hがあるはずです。

それをまず書き出して、「どういった内容が議題として挙げられるべきか?」「そして、その議題について何が決定すると良いか?ゴールは何か?」を書き出しておくのです。

これが、アジェンダです。そして、その議題ごとに必要な資料を事前にメールで送っておきます。英語でそれを予めやっておくと、ディクテーションの議事録作成の時にだいぶ楽になるはずです。

大枠がアジェンダ作成によってわかっているはずなので、あとは誰が何を話していたかを聞き取って細かいところを詰めていけばいいかと思われます。

私も、先輩社員が作成したアジェンダをよく見ておいて、そこに書かれている内容に沿って議事録を議題や項目だけ記入した状態で準備して、会議に臨んでいました。

英語で作業をしなければならない時、事前準備・段取りをしっかりしておくと、なんとかやっていける状態に持っていけるのではないか、と思います。

議事録作成は、私がモンゴルにいるときでも大いに役立ちました(日本語でしたが・・・)。ある日本政府機関と仕事をした時、成果物の質を高く評価されました。

その背景には、打ち合わせで決定事項やTo-Doをまとめて、一つ一つ確認をとりながらモンゴル人と作業を進めていたことがあります。仕事の進め方で、言語を問わず強力なスキルになると思います。