フィリピン留学の歴史としては、まず韓国系の英語学校が最初にたくさんできたそうです。その後最近は日系資本の学校も増えてきた、というのが流れのようです。

そんな中、フィリピン人講師の離職率はどこの学校も高く、結構多くの人が半年~1年ほどで離職していくらしいです。

現在は日系の学校で教えているフィリピン人講師にも、以前は韓国系で務めたことがある人やスカイプ英会話で講師をしていた人がおり、講師の人に「日本人に教える上で嫌な点はありますか?」という意地悪な質問をしてみました。すると意外な回答が返ってきました。

できない人に英語で文法を教えるのが無駄だと思った。

フィリピン留学の学校によっては、英語のテキストを使用しているところがあります。私もTOEIC820の時に英語の文法書を使用して文法をやり直したこともあったので、英語で英語を学ぶ利点は理解しています。

しかし、例えば中学1年生レベルに英語で文法を教えるのは、ものすごく大変で手間がかかります。現実は以下の様な感じみたいです。

生徒側の感じていること

「説明を英語でされても分からない、質問をしたくてもできないので、わかって無いけどOKと返事をしないといけないオーラを感じる。(分からないというと、何で分からないのかわからない、といったリアクションがある)」

先生側が感じていること

「英語で説明しても、単語力や語彙力が無いから説明しても通じないので、時間がもったいない。」

「テキスト進捗具合からしても、今日中に終わらせないといけないタスクがあるから、さっさと次に行きたい。」

このようにお互い不幸になる非生産的なことが、韓国系のみならず、日系の学校でも結構繰り広げられているそうです。

「英語をシャワーのように浴びてネイティブは英語を覚えている」

などというもっともらしいセールストークがありますが、ネイティブは10年・20年という時間をかけて語彙力や表現力をつけているのです。

それをたかが2ヶ月や3ヶ月留学して聞き続けても、効果には限界があります(大人なら尚更)。日本語の文法書などを読んで完璧に理解したうえで例文を覚えるほうがずっと効率がいいです。

学校によるが、日本人向け学校の方が比較的モチベーションが少ない生徒が多い印象

韓国系・日系それぞれの生徒内でモチベーションにとても差がある、とフィリピン人講師が言っていました。原因としては、結局は目的意識が大きな違いになっている、ともいっていました。

韓国人の方が出世や就職がシビアに絡むので、より勉強に前向きだといっていました。具体的には、韓国人でやる気のある人は、宿題を出せば絶対に終了して内容をマスターした状態で次のレッスンに望む事が結構ある。

しかし日本人の生徒の中にはもっとゆるくて、そこまで熱心に勉強していないで、「とりあえず宿題はやりました」という感じで内容は頭に入ってない(酷いと宿題もやっていない)人がいる、といっていました。

もちろん逆にやる気の無い韓国人もいるでしょうし、やる気に満ちて勉強している日本人もたくさんいると思います。

しかし、例えばセブ島で勉強している日本人と韓国人をそれぞれ100人集めたときに、モチベーションが高い・普通・低いで分けると日本の方が平均が低い、ということだと私は理解しています。

私も通訳学校に通ったりタイの英会話学校に留学していたときに毎日10時間くらい勉強していましたが、それと比較すると実際に訪問をした学校でも、勉強への意欲があまり高くなさそうな人もいました。

給料が「安い」

私が行った2校とも、給料はフィリピン人英語講師の相場よりかなり多く出していると経営者が語っていました。実際、「ここの学校は、普通より給料を多く出しているから良い学校だ」と先生も語っていました。

しかし、だからといって安泰ではなく、それでもまだ安いと思われてしまいます。理由はもっと高い給料を払うところが、フィリピンの外にあるからです。

フィリピンはメイドの大きな輸出国とも言われているほど出稼ぎに出る人が多いです。例えばドバイなどで仕事をすると、「セブ島の英語講師給料相場の2倍」よりも多くの給料がもらえます。

そこのポストに空きがあると、さっさとそちらに出稼ぎに行ってしまうようです。このように腰が軽く海外に動く様子は、普通の日本の感覚だとあまり理解できないかもしれません。

学校側としても、せっかく一人前の先生として育てた人が抜けてしまうのはマイナスですし、生徒側にもいいことはありません。しかし、21世紀の今では避けられないことでもあります。

ちなみに日系の他の学校の給料は相場通り、または相場以下な所もあるようですが、その給料で仕事をしたいと思う先生のレベルがどのくらいなのかは正直疑問です。

次回は、フィリピンの語学学校を選ぶ際の注意点をまとめたいと思います。