社会人の語学学校

今回は語学留学の具体的な内容を解説します。語学学校の数は山のようにあり、綺麗なホームページやパンフレットを見ていると大きな違いがあるように見えますが、実は学校の中身はほとんど同じです。

では語学学校の具体的な中身を解説していきます。

(1)語学学校での授業時間

語学学校の授業は午前だけ、もしくは午後だけというところがほとんどです。

留学前のイメージだと、留学すると1日中英語漬けになると思っている方が多いのですが、実際は1日3時間程度の英語の授業が行われることになります。

特に費用が安い学校では授業時間が短い所が多いため、1日当たりの授業時間もしっかりと確認することがポイントです。

(2)語学学校での授業内容

外国の語学学校だからといって、英語がすぐに身につくような特別な学習ノウハウがあるわけではありません。実は授業内容は日本の学校で習うスタイルと基本的に同じです。

授業はテキストに沿って文法の解説や読解練習、先生や周りの生徒との会話練習などで構成されます。

テキストがすべて英語であること、会話が英語で行われること、他の生徒が国際色豊かなことが日本にいるときとの違いになります。逆にこれ以外の点は日本での英語の授業と同じなのです。

しかし、なによりすべて英語で行われ、「逃げられない」という点が留学するもっとも大きなメリットと言えます。

学校では1、2か月単位でペーパーテスト形式のレベルチェックがあり、普段の授業での態度と合わせ、翌月からのクラスが決まる仕組みです。

語学学校ではこのサイクルを留学期間続け、徐々に上級クラスに移っていくことになります。

(3)他のクラスメートはどんな人?

他のクラスメートは、非常に国際色豊かです。20代までの割合は多いですが、30代、40代の人もいます。地域は、東欧、中東、アジアなど世界中の様々な所からきています。

学校によっては特定の地域からの学生(たとえば中国など)にとても偏っていることもあるため、事前に学校の資料で確認することがポイントです。

他のクラスメートの授業への出席状況ですが、どの国の人も非常にまじめで、かなりしっかり予習復習を行い、休むことなく参加していました。

ただし、上級クラスになっていくと学生は英語がそれなりにできるようになっているため、学習動機が薄れてしまい、あまり態度のよくない生徒が増えていきます。

なお、語学学校には決まった入学日と卒業日というものが無いため、クラスメートは常に増減していきます。いつでも、今日から入学する人、今日でお別れの人が出てきます。

学校によっては区切りのいい月末などに、入学祝と卒業記念のパーティーなどを開くところもあります。

(4)語学学校に求められる英語力

「語学留学」に必要な英語力ですが、「英語」を学びに行くのですから、行く前の英語力はそれほど必要ではありません。

自分の英語力の無さを過度に心配される人もいますが、この点はあまり考慮する必要はないと思います。どの学校も基礎レベルから、上級コースまで様々なものが用意されています。

そして、希望すれば途中でのクラスのレベル変更にも柔軟に対応してくれる学校がほとんどです。

特に他国の学生は、クラスのレベルが自分に合っていないという理由だけでなく、先生が合わないなどの理由でもどんどんクラスの変更をしていました。

ただ、次回の「留学で英語ができるようになる秘密」でも詳しく説明しますが、英語力がグンと高まるのは、授業そのものよりも、学校で出会った世界各国の友人たちとの英語での雑談、日常生活を通してとなります。

そのため、難しい文法や単語は全く必要ないのですが、日本にいる間に英会話教室などに通い、英語での「会話」に抵抗感を無くしておくことが語学留学を成功させる秘訣になります。

私も留学前に日本の英会話スクールに通い、不十分なレベルでしたが、英語を口から出すことに慣れるようにしていました。

(5)もっとも緊張する語学学校の登校初日の流れ

登校初日がなによりも留学で最も緊張する瞬間です。

まず、学校への行き方ですが、ホームステイをしている場合は、ステイ先に同じ学校の学生がいることが多いので、一緒に連れて行ってもらうことが一番です。

そうでない場合は、前日などに一度行ってみることをオススメします。学校に着き、受付で名前を言うとオリエンテーションに案内されます。

オリエンテーションでは学校設備の説明や、困ったときの対応方法、街の中のあまり近づかない方がよい場所の説明などが1時間程度あります。

当然英語ですが、書面での資料も貰えるので安心です。次は英語レベルチェックのペーパーテスト(文法と読解)を受けます。

テスト後は、先生との面談があり、英会話のレベルチェックも行われ、自分が参加するクラスが決定します。このあたりの流れは日本の英会話学校とほぼ同じです。

なお、日本人はペーパーテストで高得点になり上級クラスに入れられ、周りの会話レベルの高さにショックを受けることが多いので、「会話能力が低い」ことをちゃんと伝えることが大切です。

その後はすぐ参加するクラスに連れて行かれ、担当の先生に引き継がれます。授業の途中からの参加となりますが、とりあえず見学的な感じです。

これから留学を考えている方は、初日は大変ですが、すぐに慣れるのでがんばって乗り切ってください。 

社会人の語学留学

(6)日本の英会話スクールとの比較

ここまでの説明から、語学留学に行くことは、日本の英会話スクールに行くことと比較し、あまり英語の上達は変わらないのではないか?という疑問を持つ方もいるでしょう。

確かに、学校の授業内容のみを取り出して比較すれば、あまり違いはありません。どちらも授業内容は、テキストを読み、読解や文法、会話の練習をすることで同じです。

海外の語学学校にだけ特別なノウハウや指導方法があるわけではありません。では、なぜ語学留学では英語力が格段に高まるのでしょうか?

次回は、なぜ留学で英語ができるようになるのか?その秘密を解説します