このページの目的

日本人が使い分けを苦手とするもっとも重要な基本語彙=「基本動詞」、その身につけ方と身につけるためのポイントを知る

Take nothing but pictures, leave nothing but footprints, kill nothing but time.

(※footprints=足跡)

一つも難しい単語を使っていないこの見出しの言葉。あなたは理解できますか?
どのような場面でこの言葉が使われているか、想像できるでしょうか・・・?

さていよいよ語彙の山場です・・・

「基本の、重要な語彙ほど表現の幅が広い」とお伝えしたことを、覚えてますよね?

今回は2回にわたってこの山場を説明していきます。

「基本」の語彙でありながら、英語上級者であっても実際にはなかなかうまく使いこなせないという、「簡単そうに見えて実はもっとも使いこなすのが難しい」語彙。それは・・・

①ごくごく基本の、そしてもっともよく使われる「基本の動詞」
②日本人がとくに苦手な「前置詞」
③上の二つを組み合わせた「句動詞」

・・・基本でありながら多くの人が苦手としていて重点的に取り組むことが必要な、この三つ・・・

ここは一度、腰を据えてじっくりと取り組むことが大事。
ここを攻略することがPracticalな英語の最大のポイントといってもいいと思います。

この三つに関しては、「文法」の回で紹介する「一億人の英文法」にも詳しい解説があります。何度でも読んでイメージをしっかりと植え付けてください。それぞれ、該当箇所は以下の通り。

①「基本の動詞」(p111~)
②「前置詞」(p367~)
③「句動詞」(p372~※「前置詞」の中にあり。)

この説明を読んで理解することと並行して、音声付きの持ち歩けるサイズの本でトレーニングすることを強くお勧めします。

②については語彙というよりルールとして覚えた方が良いので、文法の回で詳しく説明します。そのためここでは説明を省きます。

①と③は上級レベルの、英語で論文を書けるような人でさえなかなか使いこなせないという特徴があります。それは、書き言葉と話し言葉はやはり違うということです。義務教育と大学受験を通じて身につける英語は、この話し言葉の英語がほとんど出てきません。

この三つを使いこなせるようになれば「生きた」英語を身につけていると言えると思います。

これらについてはできるだけ多くの例文にふれて、説明も複数の先生が解説しているものに目を通してみるようにするといいと思います。そうすることで実際に使われているケースをたくさん見てだんだんと理解が深まっていきます。

それではトレーニング用の教材を紹介します。

次に紹介する本は詳しい講義を音声で聴くこともでき、そして例文も豊富。次のページで紹介する本とあわせて2冊セットでそろえることをオススメします。
例文もNative Speakerの音声付きなので、トレーニング用にもいうことなし。

このシリーズはその単語の持つ「コアイメージ」をつかむことを重視しています。「コアイメージ」とは、その単語のもつ共通の意味、象徴的なイメージということ。どんな単語にもこの「コアイメージ」があるので、常に意識してそれをつかむようにしておくと良いと思います。

①基本動詞強化編

4864540071 英語のパワー基本語[基本動詞編]: ネイティブ感覚の英語力アップ (田中茂範先生のなるほど講義録2)
田中 茂範

※音声は講義と例文をダウンロード可能

英和辞典の編集主幹も務められていている、著者の田中先生は、以下のように述べています。

「そもそも基本語は中学で習うやさしい単語ですが、「基本語を使い分けつつ、使い切る」力となると話が違ってきます。」

「英和辞典では約10万の単語が2000ページに載せられています。ところが、実際は、500語程度の基本語(簡単な名詞を除く)で2000ページの50%以上を占めているのです。」

「たとえば「置く」はputの意味の一部か?というとそうでもない。あるお店で「卵を置いていますか?」は”Do you carry eggs?” ・・・・「彼は秘書を置いた」は”He staffed his secretary.”・・・・英和辞典を見ると”put”=置く、課す、があり、今度は和英辞典で「置く」を調べると”carry, staff, lay, leave...”と複数の英語表現が出てきます・・・つまり「putの意味って何?」という問いに対してどこまでいってもputの意味がとらえられないということ。」

「基本語の意味は単純であいまいである。そしてあいまい性があるからこそ、基本語はさまざまな状況に適用することができるのだ」

この「さまざまな状況に適用することができる」幅の広さが、基本語の難しさでもあり、面白さでもあります。基本語にはかならずコアとなるイメージがある、そこをとらえられるようにすることがこの本の目的です。

オウルン15

この本ではコアイメージをアイコンのような簡単なイラストで表現しています。このコアイメージはしっかり理解しましょう。

それができれば、様々な形で応用できるのがこの「基本語」・・・あなたも新しい語彙を自分で生み出していけるようになります。それがことばの面白いところでもあるのです。

まずこの本でコアイメージをとらえたら、実際に応用して「使える」レベルまで消化するためにトレーニングする。そのための本が次の2冊目です。(次のページへつづく)

※冒頭の一文の意味はこの1冊目の本に掲載されています。