この記事は、「ここが変だよ、インド英語。通じる英語、通じない英語」の続編です。
今回は、インドで生活をしていて見聞きした、教育や英語に関する様々な話について書きたいと思います。
私立と公立で違いが大きい
インドでは小学校〜高校で私立と公立があります。私立の学校だと英語で授業をするところが多く、公立だと現地語での教育になる傾向があるそうです。
現地語での授業から徐々に英語にシフトしていくらしいです... が、その質が問題です。以下はものすごく極端な例ですが、公立の英語クラスのようです。
Funny English Teacher From India
いや... 先生、その発音とスペルはあんまりだ。子供がかわいそうだ。授業ががこれなら、そこで学ぶ生徒の英語も、推して知るべしです。
料理にうるさい海○先生の様な保護者がいたら「校長を呼べ」といいかねない感じです。大体、公立の方が教員の質はあまり高くないようです。
教員の給料が低い...
教員やトレーナー、インストラクターといった肩書きの人は給料が全体的に低いです。こちらでは、大体月に1〜2.5万円の給料で英語の先生を募集しています。
Teacher Jobs in India - Shine.com
ソフトウェアエンジニアだと初任でもその倍もらう人がいますので、もし自分が選べる立場にいたら、やはりそっちにいい人材が流れてしまうのは否めないと思います。
といっても日本でも英語ができる人は実業界に行ってしまうので、その辺りに関しては世界共通かもしれません。
インターナショナルスクールは教育の穴場!?学費は年間35万円!!
物価の安さから、教育も安いです。例えばインドの地方都市、トリバンドラムにあるインターナショナルスクールでは、駐在員の子供が通うスクールがあります。
Trivandrum International School
ここの学費は現地通貨で年間200,000ルピー、これは最近のレートでは約35万円です。例えば親子で来て、子供を6年通わせても学費210万円。
生活費は月に4万ほどだから年間約50万、6年で約300万。合計約500万です。日本のインターナショナルスクール2〜3年分ですね。
ちなみにこの年間の学費20万ルピーは、現地値段では高いです。ほぼ地方公務員の年収に相当しますし、物価や収入を考えると肌感覚では日本での年間200万円に相当します。
ここの学校では、元宗主国イギリスの影響なのかケンブリッジ系の各種国際テストを受けることが可能ですし、IB(インターナショナルバカロレア)プログラムへの対応もしているようです。
もちろん授業は英語が中心の環境ですので、成績や学校生活の結果によっては、卒業したあとには世界のどこの大学へも行くことができると思います。
大学は出たけれど...
以前会社のエンジニアと英語でのライティングの話をしたことがありました。その際に、いわゆる、「パラグラフライティング」の話をしたら、基本として知っているという以前に、大学で教わっていない印象でした。
TOEFLのライティングでは、「パラグラフの最初と最後だけ読めば全体の要旨が伝わるようにする」「5パラグラフの小論文の場合、1段落目に概論と結論、2〜4段落に理由と反論への反論、5段落目にまとめを入れる」といったセオリーを学びます。
その話をしたのですが、「パラグラフライティング?なにそれ、美味しいの?」という反応でした。
バンガロール大学の西嶋さん( @yukanon )によると、基本、インドの大学などでは論文試験と言っても、知識をどれだけ詰め込んだかを問う試験だったと仰っていました。
また、プレゼンなどをやらせるととても上手なのですが、「どう情報を加工して相手にわかりやすく伝えるか」を自分の頭で考えて資料を作る事は苦手そうとも仰っていました。このあたりに訓練不足の原因があるのかもしれません。
次回はインドのエンジニアリング教育の背景や職場での英語の話です。