私はインドのIT企業に2年間勤務したので、その体験から「インド英語」について少し書いてみたいと思います。
インド英語ってどんなの?
「インド英語」って聞きにくい、という噂を聞いたことがあるかもしれません。もしかしたら噂には聞いたけど、実際どんな感じなのかなぁと思った方、こんな感じです。
A Sampling of Indian English Accents
あーなるほど、確かに何か分かりにくいなぁと思ったそこのあなた、甘い!!これは「上澄み」です。こんなのもあります。これを聞いてどう思いますか?
very -very funny english speaking
ここで考えないといけないのが「英語」とは何か、からなんですね。
母語の影響を受けてしまう第二言語
このビデオでは、コミュニケーションとして、出演している人の間では意味の伝達ができている様にみえます。ですが、みなさんは何をいっているのかわかりましたか?これを純粋に英語として切り取って評価してみると、
- 発音がやはり聞き取りにくい
- 英文ではなく、単語を並べて勢いでしゃべっている
- ワードチョイスが不適切
です。しかし、(おそらくは)Hindi母語話者間なので通じているというのがあると思います。
例えば、「早く立て」というのを、"Stand velocity!"と言われても、むしろ英語ができる人の方が理解するのに時間がかかるかもしれません。
恐らく、母語をそのまま英語にしたのでしょう。しかし、こういった母語→英語変換による不適切な英語表現は、インド英語に限った話ではありません。
日本人同士なら通じてしまう「かもしれない」英語もあります。例えば古典的なネタですが、飲み物は?と聞かれて、ある英語できない人がこのように返事をしました。
I am orange juice. (私はオレンジジュース。)
いや、お前は人間だろうというツッコミを入れたくなる、超ド直訳です。
逆に、こういった系統のド直訳でも、通じる物もあります。例えば日本語でいう”対岸の火事”
Company ABC filed for chapter 11. It is not a fire on the other side of the river for us.
(会社Aが破産した。これは、私たちにとって対岸の火事ではない)
などは、多分英語にしても通じると思います、なぜかというと、何となくイメージが湧くからです。
再度ド直訳の日本語の例をだします。何とか相手に頑張ってもらたくて、「ここは、一つよろしく。」と言いたくて
here, one, please.
などという日→英の笑えない直訳の話を聞いたことがあります。これも通じません。
英語話者の間で使う表現が脳内にストックされていればOKなのですが、そうで無い場合に判断基準として大事なのは、相手が発した言葉の意味をイメージできるかどうかだと思います。
インドっぽいインド英語
会社で良く耳にする(多分)直訳系の表現を紹介します。
「You do one thing.」
類似表現: How about doing A? / Now, Next thing is… など
ある意味日本語の「えっと」や、英語の「you know / well」 などと似たような使い方なのでしょうか。用例は以下のとおりです。
You do one thing. Give a call to OOO and ask for his advice, OK?
(そうねぇ、OOOさんに電話してアドバイスをもらってもたら?)
しかし、You do one thing. 「あなたはある事をします」といわれても、「Like what? 」「え、何をするの?」と意地悪なツッコミの質問したくなる、なんとも言えない表現です。これは教育のレベル高い低い関係なく、同僚の間でよく見かける表現です。
「According to me, ...」
類似表現: in my view, I think, I’d say など「私なら」の意味
通常、「according to …」 という表現は、本や偉い人の話を引用する事が目的です。その権威を背景に、「〜がこう言っている。だから〜だ!」と言うために使います。
その引用ソースに「me」を持ってくるというのがどれだけすごいことか、と私は考えてしまいます。
普通の英語話者には、ここにmeを持ってくる感覚は、多分ないと思います。しかし、インドでは結構多くの人がただ自分の意見を言う際にaccording to meを使います。
そのたびに、私は心の中で「自分が偉いと思っている訳ではなくて、悪気もなくて、ただ単に意見を述べてるだけなんだよ・・・」と補正を加えながら同時に「お前、どんだけ偉いんだよ・・・」と性格悪く突っ込んでいます。
次回以降も、こんな感じでツッコミを入れつつ、紹介していきたいと思います。
お知らせ
インド生活の結晶「インドに行くなら草食系な、南インドに行こう!」もどうぞ。
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