イングリッシュカンパニーの英語学習サービス「イングリッシュカンパニーモバイル」を試してみました。
イングリッシュカンパニーといえば、今話題の英語コーチングスクール。第二言語習得論に基づいた、効率よく英語力をアップさせる独自メソッドで評判の高いスクールです。
とはいえ、英語コーチングの相場は月15〜18万ほど。気になっているけれどなかなか手が出せていない、という人も多いのではないでしょうか。
そのイングリッシュカンパニーから登場したのが「イングリッシュカンパニーモバイル」。コーチングの看板トレーニング「速読リーディング」が月4,378円からスマホ1つで可能に。
実際に私も体験してみましたが、自宅でできる学習サービスとしてはかなり本格的でした。
使い勝手や気になる点などもレポートしていますので、ぜひ参考にしてください。
イングリッシュカンパニーモバイルって何ができるの?
イングリッシュカンパニーモバイルは、スマホで本格的英語トレーニングができるウェブサービスです。
元々はパーソナルトレーニング卒業生のために開発された、裏メニュー的な特別プログラム。トレーニングで一番人気の「速読リーディング」を自宅で続けられるようにしたんです。
具体的なサービスは、
- 「速読リーディング」で英会話力をつける
- Nikkei Asiaなどの生教材が週11本届く
- 認知文法動画が見放題のプランも
- 料金は月4,378円から
となります。
ひとつひとつ詳しくご説明していきます。
「速読リーディング」で英会話力をつける
これは、第二言語習得論に基づいたイングリッシュカンパニーの看板トレー二ング「速読リーディング」をスマホでおこなうことのできるサービス。
「速読リーディング」とは、英文を前から「チャンク(=かたまり)」で捉えることによって読むスピードをあげるトレーニング。
そこに英単語の学習をはじめ、チャンクリーディングやサイトトランスレーション、暗唱といった様々な学習法が組み合わさっています。
英文を語順通りに理解するというのは、まさにネイティブが読んだり聞いたりする時におこなっている方法。このスキルを徹底的に訓練しながら、英文暗唱までおこなっていくと、
- 速く英文を読む力
だけでなく、
- ネイティブスピードについていくリスニング力
- スピーキングの素地
も合わせてついてくるといいます。
英語は日本語とは根本的な語順などが違うので、やみくもに単語やフレーズを覚えるだけではなかなか話せるようにはならないんですよね。
このトレーニングでは、英語脳、英語耳、英語口を全て鍛えながら、英会話の基礎力をつけていきます。
Nikkei Asiaなどの生教材が週11本届く
教材はNikkei AsiaとThe Japan Times Alphaの英文記事で、配信は週に11本。5段階のレベルに分かれ、内容もビジネス、カルチャー、テクノロジーなど多岐に渡ります。
ひとつの教材は30秒から1分程度の英文で、それをリスニングから始めて最後は何も見ないで暗唱やシャドーイングができるまで、徹底的に聞き、読み、発音し倒します(笑)
きちんとステップをこなすと1教材で30分から1時間程度かかりますが、スキマ時間を使って分けて行うことも可能。通勤で単語、昼休みに暗唱、などのように進められますよ。
オンラインで鮮度の高いテキストが毎日配信されるので飽きる心配がないんです。世界の情勢などがわかり勉強になりますし、ビジネス会話ネタを収集したい人には一石二鳥かもしれません。
認知文法動画が見放題
イングリッシュカンパニーでは、文法を学ぶ際「認知文法」の考え方を取り入れています。
これは英語のネイティブがどのような感覚で英語を運用しているかを学ぶ、文法学習のアプローチ。英語をすばやくそのままの語順で理解していくために、非常に有効な考え方です。
「速読リーディング」は英語を前からすばやく理解していくスキルを鍛えるトレーニングなので、この認知文法の思考の仕組みを理解した上でおこなうとより効果的。
累計8万部を突破した大ベストセラー英文法書『英文法の鬼100則』の著者、時吉秀弥さんが解説しているのですが、とてもわかりやすく楽しく学べますよ。
料金は月4,378円から
イングリッシュカンパニーモバイルの料金プランは2つ。
速読リーディングをおこなう教材配信と、Nikkei Asia購読権(本来は月約2,000円)がついてきますし、TOEICを割引で申込むこともできます。
バリュー プラン |
フィードバック プラン |
|
---|---|---|
月額料金 | 4,378円 | 21,780円 |
教材の配信 | 週11本 | 週11本 |
Nikkei Asia 購読権 |
◯ | ◯ |
TOEIC IP 申し込み |
◯ | ◯ |
認知文法動画見放題 | ◯ | ◯ |
ウェビナーへの参加 | ◯ | ◯ |
シャドーイングフィードバック | ー | ◯ |
※ENGLISH COMPANY、STRAIL、ENGLISH COMPANY大学受験部(受講生・卒業生)はフィードバックプランが月額10,780円となります。
バリュープランになると認知文法動画や月1回開催のウェビナーへの参加が可能に。フィードバックプランでは、録音したシャドーイングのフィードバックを専門講師からもらえます。
独学シャドーイングだとクセや弱点は見つけにくいもの。値段は張りますが、英語力が伸び悩んでいる人にはおすすめ。
また、パーソナルトレーニングに興味がある場合、オプションで受講も可能(21,780円/回)。毎月15万ださなくても単発で試せるのは嬉しいですね。
実際にイングリッシュカンパニーモバイルを体験!
それでは、いよいよ実際に「速読リーディング」の体験です。
ログインすると、次のような画面がでてきます。スッキリとした見やすい画面です。
「速読リーディング」のトレーニングは、
- 教材を選ぶ
- リスニング
- 語彙チェック
- チャンクリーディング
- シャドーイング
のようなステップを踏みます。
チャンクリーディングは英文をチャンク(=かたまり)ごとに理解していく手法。シャドーイングはシャドー(=影)のように音声を追いかけて発音する学習法です。
これらは同時通訳者など語学のプロもおこなうトレーニングで、通常は通訳学校などで専門的に教わって身につける学習法。
これを気軽にスマホ1つでできるのは嬉しいですね。
まずは教材選び
どうやらスタートの月始めから配信された教材が全て利用できる模様。私が始めたのは月前半だったのですが、既に20個近くの選択肢がありました。
そして下へスクロールすると、「レベルチェック用」の教材を発見。まずはこの教材で自分のレベルを確認すると良さそうです。星の数は難易度を表します。
- 初級者:星1つ、星2つ
- 中級者(TOEIC500以上):星3つ
- 上級者(TOEIC800以上):星4つ、5つ
手はじめに、星1つの「米)レベルチェック用1」を選択。
レベル1と2はアルク、レベル3以上はNikkei Asiaの教材とのこと。タイトルにある「米」は「アメリカ英語」を表していて、イギリス英語のものもありましたよ。
どこまでリスニングできるかチャレンジ
選んだ教材名をタップして、出てきたのがこのページ。
どうやら音声を聞くのかなというところまではわかりましたが、、、、さてどう聞いたらいいのかな、と迷っていると、右上に「ヒント」アイコンを発見!
そこを押すと、そのページの使い方がでてきました。この「ヒントボタン」は便利ですね。
今回選んだ教材の音声は30秒程度。
「音声を一度、通して聞いたあと、わかった内容を日本語で声に出して説明してみましょう」
とのこと。
私が聞き取れたのは、
- 新店舗開店の告知アナウンスかな
- スポーツ用品を扱ってる店?
- でも、どこの都市かわからない...
- 新しい技術を扱ってるっぽい
レベル1となめていましたが(笑)、1回聞いただけではボヤッとして、知らない単語もでてきて焦りました。それも聞き逃して慌てると、その前の内容も忘れていくという始末...。
とはいえ、ヒントに、
「ここで全部わからなくても大丈夫です」
という優しいお言葉を発見。めげないで先に進めることにしました。
語彙やフレーズをチェック
続いて、英単語の意味を確認します。
こうやってポイントになっている単語を抜き出してもらうだけでも、どこでつまずいたのか、どうして全体がボヤッとしか理解できなかったかがわかりますね。
わたしの場合、
- Guangsho(広州)
- endeavor(〜しようと努める)
がピンとこなくてひっかかったようです。
どうやらこの教材は、広州市に新しくできた最新技術を駆使したスポーツ用品店のオープニングスピーチ。冒頭でつまずいていた「Guangsho」の意味がわかってスッキリしました。
「まずは ”まとめて再生ボタン” で正しい発音を聞いたあとに、音読練習をしましょう。その単語を使う場面をイメージしたり、体で動作をしたりしてみると定着しやすいです。」
とのこと。
確かに動詞などは動作をすることで体が覚えます。とりあえず「endeavor」は前のめりの姿勢で発音してみました(笑)
「テストする」をタップすると、日本語が消えるのでここで意味が言えるか確認。続いて英語を消して、瞬時に単語が口からでるようになるまで3〜5回繰り返します。
単語は繰り返し学習することが大事なことはわかっていても単語帳作りってめんどくさいんですよね。この方法だとゲーム感覚でできますし、身についてくる感覚がありましたよ。
英文を前から理解していく「チャンクリーディング」
次はいよいよチャンクリーディング。このトレーニングで一番のボリュームゾーンです。
文章を前からかたまりで理解していく訓練は、まさにネイティブがやっている英文の読み方。繰り返していくことでリーディング、リスニングのスキルがあがってきます。
学校では日本語に訳すことが多かったはず。そのため、日本人は英文を後ろから読んでいくクセがありますが、そのやり方では読むことはできても会話にはついていけません。
出典:『究極のビジネス英語リスニング Vol.2』(アルク刊)
※チャンクわけ、日本語訳の作成:イングリッシュカンパニー
「最初はチャンクごとの意味確認。その後「日本語OFF」にして音読。内容をイメージしながらおこなうことが大事で、浮かばない時はすぐに日本語を表示して確認しましょう」
細かいことですが、この「英語ON・OFF」「日本語ON・OFF」ボタンが秀逸!答えをチラ見することで逆に単語の印象が残ります。
続いて、チャンクごとにすばやく日本語訳を言っていくサイトトランスレーション。
英語を話したいのになぜ日本語訳?と思うかもしれませんが、これをおこなって英語音読に戻ると、英文内容理解がスムーズになり、音読の学習効果が高まるんです。
ここからは発音やリズムにも注意して、頭の中でイメージを浮かべながら何度もマネしていきます。すると、最後は「英文OFF」にしても英語が自然とでてくるように!
この暗唱までおこなうと、スピーキングの素地ができてくるとのこと。最初は聞き取れなかった英文が最後にスラッと全て言えるようになるこの体験は、結構感動しますよ。
影のように音声についていく「シャドーイング」
ここまでくると、もうこのテキストの文章にはだいぶ慣れてきて、大トリとなる「シャドーイング」をおこなう準備がととのっています。
シャドーイングとは、英文を聞きながら1、2語遅れで発音する練習。初めは英文を見てOKですが、最終的には音だけを頼りに進めます。
英語学習法としてよく紹介されるので、いきなりニュース動画などで試して挫折する人が多いのですが(笑)、こうやってステップを踏むことが大事なんですよね。
出典:『究極のビジネス英語リスニング Vol.2』(アルク刊)
「マネする時は、抑揚やアクセント、音声変化をマネするようにしましょう」
ここのポイントはネイティブの音声をできるかぎりマネすること。英語はやはり基本はモノマネです。役者になった気分で感情を込めてとことんマネしましょう。
と、ここで1レッスンが終了!
その後、レベル3や4のNikkei Asiaの時事問題を扱った教材などもチャレンジしてみましたが、進め方は全く同じです。1教材の所要時間の目安は30分〜1時間程度でした。
イングリッシュカンパニーモバイルを使ってみた感想
良かった点
- 正しい英語学習法を身につけられる
- 教材が豊富で内容も幅広く、質が高い
- スマホ1台でできて操作性がいい
- スキマ時間に小分けで学習しやすい
第二言語習得研究に基づいた効率的な学習方法を、スマホ1台で習得できるのは見事です。スキマ時間を利用して小分け学習できるのも嬉しいですね。
英語学習本は多く出版されていますが、付録教材は限られがち。鮮度の高いテキストが週8本配信されるのは嬉しいですね。また、単純に海外のビジネスニュースを読むことで勉強になります。
教材内容はどれも興味深いものばかり。日経と聞くと硬いニュースを想像するかもしれませんが、台湾のアフターコロナ旅行や、バンコクのお洒落カフェの話題までいろいろありましたよ。
画面は直感的に操作できてストレスフリー。ちなみに、使い方をまとめた動画がありますので、最初にそれをみておくとコツがつかめます。
気になった点
- レベル1の教材はあまりないかも
- 実際の英会話練習はできない
教材は5段階レベルとのことでしたが、実際にはほぼレベル2から4でした。とはいえ、どのレベルの教材も学びがあるため、あまり星の数にとらわれなくても良いのではと感じました。
たとえば私が試したレベル1でも知らない単語がでてきましたし、レベル4でも内容に馴染みがあれば、速度調整をしながら初中級者でも十分チャレンジできます。
また、大事なことですが、このサービスは英語を話すためのスキルの土台をつくる基礎トレーニングで、実際に英会話練習をする機能はついていません。
そのため、このトレーニングをしばらくおこなった後に会話練習をしていく必要があります。職場などで実践する機会がない場合、オンライン英会話などをうまく利用しましょう。
他社サービスとの比較
それでは、次にスマホでできるほかの英語学習サービスと比較していきます。
独学で完結するサービスと、シャドーイングのフィードバックがついてくるサービスの、それぞれとで比べていきます。
他社比較-1:独学で完結型
まずは、リクルートが運営する総合学習アプリ「スタディサプリ」と、ニュース記事のシャドーイングサービスである日経のアプリ「LissN」とで比較します。
イングリッシュカンパニーモバイル | スタディサプリ | LissN | |
---|---|---|---|
月額料金 | 4,378円 | 2,178円 | 600円 |
対象レベル | 初中級〜上級 | 初心者〜上級 | 中級〜上級 |
教材種類 | アルクの厳選テキストとNikkei Asiaの最新ニュース記事 | 日常英会話、ビジネス、TOEIC対策用のプランから選択 | 日経新聞英語版 |
1教材にかかる時間の目安 | 30分〜1時間 | 3分〜 | 10分〜 |
追加可能なサービス | フィードバックプラン、パーソナルコーチングプランあり | オンライン英会話とのセットプラン、TOEICコーチプランあり | ー |
無料体験 | ー | 7日間 | 1か月 |
もちろん幅はありますが、コアのターゲットはスタディサプリが初中級者、イングリッシュカンパニーは中上級者、LissNは上級者という印象。
スタディサプリはストーリー仕立ての教材などもあり、ゲーム感覚で楽しく英会話フレーズなどの練習がしたい人に向いています。
一方、LissNが使用するのは日経新聞英語版の長い記事を次々とシャドーイングするアプリ。既に英語の基礎力があり、その維持と向上を目指したい人向けです。
イングリッシュカンパニーモバイルは、その中間的存在。ビジネスで通用する高い英会話力を目指す人向けですが、基礎力をつけるトレーニングを丁寧におこなうサービスです。
他社比較-2:シャドーイングのフィードバック付き
続いて、シャドーイングの指導をおこなう「シャドテン」とイングリッシュカンパニーモバイルのフィードバックプランを比較していきます。
シャドテンは英語コーチングスクール、プログリットが運営するサービス。
イングリッシュカンパニーモバイル (フィードバックプラン) |
シャドテン | |
---|---|---|
月額料金 | 21,780円 | 21,780円 |
教材数 | 週11本配信 | 約300本 |
対象レベル | 初中級〜上級 | 初中級〜上級 |
教材種類 | アルクの厳選テキストとNikkei Asiaの英字新聞 | ビジネスからエンタメまで幅広く、TOEIC対策なども |
1教材にかかる時間の目安 | 30分〜1時間 | 30分。数日同じ教材を繰り返す |
シャドーイングフィードバック | 1日1回 | 1日1回 |
返答の納期 | 翌営業日までに | 24時間以内 |
無料体験 | ー | 7日間 |
料金は同額で、対象の英語レベルもほぼ一緒ですが、教材の種類が少し異なります。
イングリッシュカンパニーモバイルはニュース記事などをメインにしていてビジネス寄り。一方、シャドテンはハリウッドスターインタビューなどエンタメ寄りのものもあります。
そして、シャドテンは名前の通りシャドーイングだけに特化したサービス。イングリッシュカンパニーモバイルは単語暗記の機能があり、認知文法動画で英語脳を育てることもできます。
ネイティブの英語脳の仕組みから理解したい人はイングリッシュカンパニーモバイル、とにかくシャドーイングに集中したい人はシャドテンが向いています。
イングリッシュカンパニーモバイルはこんな人に向いている
- コスパ重視で本格的なトレーニングがしたい
- スキマ時間を利用して小分けに学習したい
- ビジネス英語に強くなりたい
- 会話のレッスンだけでは限界を感じていた
- 英語のコーチングスクールに興味がある
自宅でリーズナブルに、本格的な英語学習トレーニングがしたい人に最適。第二言語習得論の知見に基づく専門家集団が作成したプログラムなので、効率的に学習ができますよ。
1日の学習時間は30分〜1時間でOK。一気にやらなくても小分けにおこなうこともでき、教材となるニュース記事などで学英語はビジネスの実践でも使えますよ。
今まで、なんとなく自信のない英語で話していた人や、英会話スクールなどに通っても効果が実感できなかった人で、しっかり英語の基礎力をつけてみたい人におすすめです。
英語のパーソナルトレーニングをオプションで単発受講することもできます。英語のコーチングスクールに興味があって少し試してみたかった、という人にもいいですね。
まとめ
イングリッシュカンパニーモバイルは、これまで独学ではなかなかできなかった本格的英語学習トレーニングをスマホ1つで安価に出来るようにしたサービスです。
上手にトレーニング法を解説している書籍があっても練習教材が物足りなかったり、手取り足取り教えてくれるスクールがあっても金額が高かったりしていたのを、一気に解決してくれました。
体験受講ができないのが残念ですが、解約は簡単にできますので、まずは1か月だけでも試してみるというのも手かと思います。
気になった方はぜひ公式サイトをチェックしてみてください。