英語ペラペラのエンジニアを目指す岩田(@iwaking)です。港区にある「ニック式英会話」に行ってきました。
実はニック先生のことは、前からYouTubeで知ってたんです。著書の『中学レベルの英単語でネイティブとサクサク話せる本』も愛読していたので、間接的にはずっとお世話になっていた先生です 笑。
そんなニック先生が運営している「ニック式英会話」というスクールがあると聞いて、さっそく体験レッスンに行ってきました。
行った感想は「東京に引っ越してこのスクールに通いたい!」。大げさではなく、本当にそう思いました。
ニック式英会話の目標は「正しく、自然な英語を身につける」なんですが、こう言いながら「だからネイティブといっぱいフリートークしよう」なんてスクールが実際はけっこう多いんですよね。
でもニック式英会話は違いました。瞬間英作文など、正しい文法で話すための学習に欠けている「自然さ」と、フリートークに欠けている「正確さ」をうまく補うメソッドだったんです。
しかもけっして複雑ではなく、シンプルで万人受けしそうなメソッドなんですよね。さらにそれを日本語ペラペラで、英語と日本語の違いを知りつくしているニック先生が分かりやすく説明してくれます。
ニック先生の説明を聞いてから英文を作ってみると「自分ってこんなにスラスラ英語が出てくるんだ」とビックリしましたよ。
ニック式英会話に行ってきました
ニック式英会話は、麻布十番駅から歩いて2分。
ドアを開けてニック先生とご対面。自分が一方的に知ってる先生だったので少し緊張してたんですが、とても気さくな方だったのですぐにリラックスできましたよ。
「YouTube見てます!」と伝えて少し雑談したあと、さっそく体験レッスンがはじまりました。
体験レッスンを受けました
生徒さんはビギナーレベルから始める方が多いとのことで、私もビギナー用の体験レッスンを受けました。
考えこむ時間を減らす「英語脳」
「ピアノもテニスも毎日の練習が大切なように、英語も毎日発信することが大切です」とニック先生。ここまではよく言われることですよね。
先生:でも、ただ例文を読みまくればいいとか、ミスだらけの英語でもとにかく話せばいいとか、そうは思いません。毎日の練習では「正確さ」も気にかけるべきです。
確かに。「ミスをしてもいいから、たくさん話そう」っていうセリフを聞くこともありますが、ピアノを上手くなるのに適当でもいいからたくさん練習しようとはなりません。英語でも正確さを考えなくていいというのはおかしいですよね。
先生:毎日正しい英語を発信すれば、少しずつ意識しなくても英語が出てくるようになります。考えこんでしまう時間が減って、英語脳ができていくんですね。
そのためビギナークラスの3ヶ月は、フリートークにはほぼ時間をかけず「英語脳」を作ることにフォーカスするそうですよ。
体験レッスンも「英語脳」を作るための話が満載だったのですが、そのなかでも大事なポイントと感じたのが、この4つ。
- チャンク(かたまり)で覚えてしまう
- チャンクを組み合わせてパターン練習
- 日本語に惑わされず正しい時制を選ぶ
- カタマリで覚えれば質問も簡単に
これらを中心に、体験レッスンの様子を書いていきます。
チャンク(かたまり)で覚えてしまう
考える時間を減らして英語脳を作るためのひとつ目のコツが「チャンキング」。チャンク(=かたまり)で覚えてしまうということですね。
まずはニック先生の英語をリピートします。
- go home(家に帰る)
- go to the beach(海に行く)
- get a haircut(髪を切る)
- take a shower(シャワーを浴びる)
- break up (恋人と別れる)...
このあたりはおそらく「コロケーション」と言われるやつですね。
先生:「家に帰る」は「go home」ですよね?でも日本語をそのまま英語に訳そうとすると「go to home」だっけ?とか考えてしまうんです。
日本語で「家」というと名詞しかないから、日本語の発想だと「go to home」って言っちゃいそうですよね?だから、こういうのはもう決まり文句として、チャンクで覚えたほうがいいというのは納得です。
「get a haircut」とかも英語的な発想だなって思います。これをチャンクで覚えなかったら「I went to cut my hair yesterday.」って言っちゃいそうじゃないですか?笑
先生:「break up(恋人と別れる)」も、イメージで考えて「break out」って間違えてしまう人がけっこういます。
だから日本語よりも、イメージよりも、チャンクで覚えちゃったほうがいいんですね。
ちなみに「break out」は「脱獄する」などの意味なので、全然違いますよね。
しかも始めからネイティブ発音をチャンクのままリピートすることで、初心者でも正しい発音が身につきやすいと思います。例えば「get a haircut」でも、「ゲット ア」じゃなくて「ゲラ」ですもんね。
ちなみに「ゲラ」みたいに、ネイティブが自然なスピードで話したときに起こる「音声変化」については、ニック先生がYouTubeで解説してくれていますよ。
チャンクを組み合わせてパターン練習
「コロケーションのチャンク」のあとは、「文の最初にくるチャンク」をリピートしました。
- I want to
- Do you want to
- Do you want me to
- I'm going to
- I have to...
先生:それではさっきのコロケーションとこれらのチャンクを組み合わせて、文章を作ってみましょう。
- I want to go to the beach.
- Do you want to get a haricut?
- I have to take a shower.
自分でもビックリするぐらい、サクサクと作れました。いちから考えて話すよりも、2~3倍のスピードで英語が出てきた感じ。
ちなみに最初のコロケーションは、テーマごとに「一般(例:go home)」、「恋愛(例:break up)」、「家事(例:do the laundry)」などと分かれています。
文の最初にくるチャンクにも、いくつかのタイプがあります。
「動詞の原形が続くもの(例:I want to go home.)」、「名詞節が続くもの(例:I don’t know where she went.)」、「動名詞が続くもの(例:I miss going to the beach.)」などですね。
そして例えば【A】文のタイプ:動名詞が続くもの、【B】テーマ:遊び を選んだとしますよね。そうするとこうやって3つずつ組み合わせるだけで、9パターンもの文章が作れるんです。
- I like going out.(遊びに行くのが好き)
- I like having people over.(人を家に招くのが好き)
- I like splittng the bill.(割り勘が好き)
- I don’t mind going out.(遊びに行くのは構わない)
- I don’t mind having people over.(人を家に招くのは構わない)...
どのパターンで作っても自然な文章になるのがすごいですよね?
ここでは3x3=9パターンですが、【A】にも【B】にも何十~何百のフレーズが用意されているので、できるパターンはなんと5~6万もあるそうです。
生徒さんはこれをレッスン中はもちろん、自宅でも何度も繰り返すそうですよ。
日本語に惑わされず正しい時制を選ぶ
正しい時制を選ぶための話もありました。これも「英語脳」を育てるには欠かせません。
例えば現在進行形は、よく日本語だと「~している」って覚えますよね?
先生:でも「~している」という日本語は、普段のルーティン、今現在のこと、過去、未来とすべての時制で使われます。「普段なにしている?」「今なにしている?」「明日なにしている?」などですね。
言われてみればそうですよね。ニック先生、私たち日本人よりも日本語を深く理解されているのが分かります。
先生:英文を作るとき「いつのことを話しているのか」は一番最初に考えるべき。そのあと「肯定、否定、疑問」を考えます。
それでは時制に気をつけて、自分で文章を作ってみます。
先生:今帰っている。
私:I’m going home.先生:昨日は帰っていない。
私:I didn’t go home yesterday.先生:いつも5時に帰っている。
私:I go home at 5.
日本語では全部「~している」という形をとってますが、時制はすべて違うということですよね。だから日本語から時制を考えることはリスキーなんですね。勉強になります!
カタマリで覚えれば質問も簡単に
「相手にこう聞きたいのに、言い方が分からない...」という自信のなさから、結局だまったままになっちゃったこと、ありませんか?
こういうときにも「チャンク」で覚えた文章が役立つといいます。
例えば「do you want to ~?」という文章。よく「~したい?」と訳されますが、実際は誰かをさそったり、2人でなにかを決めたりするときによく使われるそうです。
先生:なに食べる?
私:What do you want to eat?先生:どこ行く?
私:Where do you want to go?先生:何時に会う?
私:What time do you want to meet up?
こうやって「do you want to」が色んなシーンで使えるということさえ教えてもらえば、疑問詞をつけて色んなパターンが作れるんですね。しかも本当にいつもの自分よりスラスラと英語が出てくるんで、驚きます。
先生:こういうパターン練習を毎日やれば、口も脳も英語に慣れてきて、実際の会話に備えることができますよ。
ほかにも、例えば「お支払い方法はどうしますか?」と聞くとき。「方法=method」なんて使う必要はありません。
正解は「How do you want to pay?」。これでOKなんですよね。こういうシンプルな発想、今の自分にはとても大切な気がします。
自分の場合、ある程度は正しい文法で話せていると思うのですが、なんか日本語に縛られたような、「ネイティブはそんな言い方しない」みたいな英語から抜け出せないんですよね。
今回の体験レッスンはビギナーレベルでしたが、初心者だけじゃなく中級以上の人にも役立つ内容だと思いました!
これらを練習できるスマホアプリ
実はここまでの体験レッスンで習った「チャンクを組み合わせたパターン練習」「正しい時制の選択」「質問の作り方」などすべてが練習できる「スマホアプリ」があるんです。
例えばチャンクを組み合わせるパターン練習だと、日本語に対して正しい文章を選ぶテストモードや、自分で【A】と【B】のカテゴリを選んでひたすら練習できるモードなどがあるそうですよ。
このアプリには「置き換えトレーニング」もあります。「How old are you?」などおなじみのフレーズの形容詞を変えて「How hungry are you?」「How tired are you?」と表現を広げられるんですね。
ネイティブらしい自然なフレーズを使って、生徒さん自身が色んなパターンの文章を作れるように考えてくれたニック先生。こうやってレッスンで学んだことをアプリで復習できるのって、嬉しいですよね。
もちろんニック式英会話には距離的に通えないという方にもオススメですよ!
ビギナークラスを卒業したあとは?
ちなみにビギナークラスで「英語脳」を身につけたあと、中~上級のレッスンはどんな感じになるのか気になって質問してみました。
まず中級クラスでは「会話のテクニック、リスニング力、発音」などにもフォーカスしていくそうです。
会話のテクニックというと、他の生徒さんが話した出来事に対して、質問をしたり、「Speaking of ~」と似たような経験をシェアしたりすること。
さらに上級クラスになると、時事ニュースやテクノロジーなど、より難しい話題について記事を読んだりディスカッションをしたりするそうです。
頭でほとんど考えることなく正しい英文が出てくるようにするビギナークラス。ここで3ヶ月みっちりトレーニングしたあと、中~上級クラスでさらに表現の幅を広げて、会話のテクニックを身につけていくんですね。
無料のムービークラスも
ニック式英会話には無料のムービークラスもあって、こちらも人気とのこと。1回60分のレッスンで映画のワンシーン(約5分)を取り上げます。
まずは何度か字幕ありで見て、ニック先生がフレーズのニュアンスや音声変化について丁寧に解説してくれます。そして最後には字幕なしで見てみるそうですよ。
映画だとネイティブが使う自然なフレーズを、シチュエーションと一緒に覚えられるからいいですよね。
「映画から英語を学ぶのはすごくオススメ」と話すニック先生。このようにYouTubeでも取り上げています。
ニック式英会話に行った感想
良かった点
- 学習法がシンプルで説明も分かりやすい
- ネイティブらしい自然な表現が身につく
- レッスンと連動したアプリや教材がある
「正しくて自然な英語」を身につけるために、ニック先生が生み出したメソッド。
もともとシンプルで分かりやすく効率的なメソッドなのですが、それを日本語ペラペラのニック先生が「なぜ」というところまで日本語で丁寧に説明してくれるので、すごく納得感があるんですよね。
またチャンクで覚えることで、ネイティブらしいスピードや音声変化にビギナーレベルのうちから慣れることができるのもいい点だと感じました。
週1回のレッスンだけで英語がペラペラになることは絶対にないんですが、それを知っておきながら「宿題はプリントに目を通してくるだけ」なんてスクールはけっこうあるんです。
でもニック式英会話の教材やアプリでは何万パターンもの英文が作れるので、これを毎日家でも繰り返せば、実際の会話でもスラスラと英語が出てくるようになると感じましたよ。
気になった点
- 高いレベルのボキャビルは自分でやる必要がある
- 料金は安いほうではない
これはニック先生自身も言われていたんですが、「英語は意外とシンプルに表現できる」ということを学ぶのも大切な目的なので、ビギナークラスで難易度の高い単語を暗記することはありません。
なのでTOEICや英検で高いレベルの単語力が必要という人は、自分でボキャビルをする必要があると思います。
あと料金はグループレッスン(平均5人)で月17,000円(60分x月4回)です。安いほうではないですよね。
でもここまで分かりやすいメソッドが確立されていて、さらに自宅でも繰り返し練習できるシステムが整っているスクールは珍しいです。
本当に力を伸ばしたいなら、個人的には惜しむ金額ではないと思いますよ(気になった点は必ず書くことにしているので、あえて料金について触れましたが...)。
総評:初心者でも本当に「話せるようになる」スクール
日本語を外国語として学んでペラペラになったニック先生が、その経験をもとに生み出した英語学習メソッド。極めてシンプルで分かりやすく、スッと頭に入ってくるメソッドでした。
ニック先生が教えてくれるポイントを押さえるだけで、初心者でもすぐに「私ってこんなにスラスラ英語が出てくるんだ」と感じられると思いますよ。
あと今回はビギナークラスの内容でしたが「いつも難しく考えすぎてしまう」という中~上級者にもかなり役立つと感じました。日本語を基準に考えてしまっている人にとっては、とくに学びが多いと思います。
東京に住んでいる人にはぜひ体験レッスンに行ってみてほしいですが、そうでない人はアプリだけでもぜひ試してみてください。本当にオススメです(回し者ではないです 笑)!
ニック式英会話のコースと料金 | |
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週1回コース | 月17,000円(60分x月4回) |
週2回コース | 月26,000円(60分x月8回) |
プライベートレッスン | 60分あたり10,500円 |
初期費用 | 入会金15,000円 |