語学学習ソフトとして有名な「ロゼッタストーン」ブランドで英会話スクールを全国展開する「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」で体験レッスンを受けてきました。

ロゼッタストーン・ラーニングセンターとはどのようなスクール?

ロゼッタストーン・ラーニングセンターは「マンツーマン」「パワーレビューシステム」「eラーニング」を組み合わせた「ブレンデッドラーニング」という学習方法を提唱しています。

これら一つひとつに関してこれから詳しく紹介します。

マンツーマンレッスンのみ提供

多くの英会話スクールでは、グループレッスンとマンツーマンレッスンの両方を提供していますが、ロゼッタストーン・ラーニングセンターはマンツーマンレッスンのみを提供しています。

理由は生徒さんの会話量を十分に確保し、納得がいくまで先生に質問できるようにするため、そして一人ひとりにきめ細やかなレッスンノートを提供して復習しやすい環境を作るためです。

(※)ロゼッタストーン・ラーニングセンターは全国に80校以上あります。対面でレッスンを受ける「ライブ校」とオンラインでレッスンを受ける「オンライン校」に分かれるのですが、今回行ってきた銀座校はライブ校です。

(※)現在は自宅からもレッスンを受講可能とのこと。体験レッスンもオンラインでできますよ。

パワーレビューシステム

他の英会話スクールと比べて、ロゼッタストーン・ラーニングセンターが最も特徴的なのはこの「パワーレビューシステム」ではないかと思います。

「パワーレビューシステム」というとやや分かりにくいのですが、ネット上に自分専用のページができ、そこにレッスン時の音声やノートなどが全て記録されていくシステムです。

例えば「この間のレッスンで聞き取れなかった部分があった」という場合は、レッスンが録音されているのでいつでも音声をダウンロードして聞き直すことができます。

「1年くらい前に受けたレッスンで、わからなくなってしまった内容があるので再び確認したい」という場合でも、過去のレッスン履歴からレッスンノートや音声を確認できます。

なおレッスンノートは全て先生が取ってくれるので、生徒さんはノートを取る必要がありません。レッスン中、先生は話した内容をすぐにパソコンに打ち込んでくれます。

これにはノートを取る手間が省けてコミュニケーションに対する集中力が高まるという面と、間違ったノートを取らずに済むという2つのメリットがあると筆者は感じました。

eラーニングとして「ロゼッタストーン」を利用できる

ロゼッタストーン・ラーニングセンターに入会すると、語学eラーニングソフトとして定評があるロゼッタストーンを利用できます。

レッスンと並行して、独学でeラーニングのロゼッタストーンを利用することで、英語の4技能をさらに効果的に鍛えることができます。

もちろん自宅のパソコンやスマホから利用できるのですが、ロゼッタストーン・ラーニングセンター内に設置されているパソコンからも利用可能。

筆者が銀座校にお伺いした際にも「レッスンに少し早く到着したのでeラーニングしよう」という生徒さんが何名もいらっしゃいました。

(※)生徒さん達は一般に販売されているeラーニング(TOTALe)でなく、市販されていないRosetta Stone Advantageというソフトを利用できます。多くの企業や官公庁団体などで使用されている大人学習者向けのソフトです。

ロゼッタストーン・ラーニングセンターのコース・料金

コースと料金を紹介します。なおレッスンは全てマンツーマン、1レッスン50分、料金は税込です。

コース名 レッスン回数
期間目安
料金
日常英会話 短期集中 32回
(2ヶ月)
253,440円
(単価7,920円)
ビジネス英会話 短期集中 32回
(2ヶ月)
322,300円
(単価8,058円)
デイタイムプラン(平日10:00~17:30開始) 160回
(16ヶ月)
933,460円
(単価5,834円)
学生向けプラン(資格対策) 38回
(4ヶ月)
269,940円
(単価7,104円)

※入会金 33,000円、教材費が別途必要となります。
※2021年1月時点の料金です。

上記以外にも多数のコースやプランが用意されていますので、詳細はロゼッタストーン・ラーニングセンターのホームページをご覧ください。

ロゼッタストーン・ラーニングセンター銀座校に行ってきました

銀座校の最寄り駅は銀座駅(東京メトロ丸の内線・銀座線・日比谷線)と東銀座駅(東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線)です。以前ご紹介したハミングバード銀座校と同じ運営会社ということもあり、場所も同じです。

銀座駅A5出口と東銀座駅A1出口からそれぞれ歩いて1分。「GINZA MISS PARIS」という、白くて人目を引くビルにロゼッタストーン・ラーニングセンターはあります。

ビル入り口付近のフロアガイドの9Fに「ロゼッタストーン」の表示があります。

エレベーターで9Fに到着すると、受付と待合スペースが広がっています。落ち着いた色調で上品なイメージです。

奥にはパソコンが3台並んでおり、レッスンを待っている間などにロゼッタストーンのeラーニングを利用したり、過去のレッスンを振り返ったりすることができます。

レッスンルームは仕切りで囲われたブース。先生1人と生徒1人が対面でやりとりできるよう工夫されています。なおリスニング学習を行ったり、録音した生徒さんの発音を確認するためにヘッドフォンが2セット用意されています。

レッスンに参加

今回は、Billy先生の体験レッスンに参加させていただきました。国籍はオランダですが、中米エルサルバドル出身で世界各地に住んだ経験があり、ITエンジニアとしてのバックグランドを持つ先生です。英語以外にもスペイン語、オランダ語、日本語などを話すことができます。

最初の5分はウォームアップということで、相互に自己紹介を行いました。

筆者:I visited to most of Eastern European countries such as Estonia, Latvia, Lithuania, Poland, Czech, Croatia and so on.

Billy先生:Sounds nice. You said, “I visited to European countries”, but “I visited European countries” is correct.

自己紹介の中で、私が visit のあとに来る目的語に不要な前置詞 to を付けて話していたことをすぐに指摘してくださいました。ちなみにこうして指摘してくださった箇所は全て、生徒さん専用ポータルである「パワーレビューシステム」に記録されていきます。

私がメモを取っていると、Billy先生は「私が全て記録するのでメモを取らなくてもよいですよ」と教えてくれました。

生徒がメモをすると「先生の指摘を間違って聞き取ってしまった場合、間違って覚えてしまう」可能性があるため、先生が正しく記録してくれるのは大変助かります。もちろん目の前のレッスンに集中できるという効果もあります。

次に音声を録音する大切さについて教えてくださいました。例えば「she」と「see」は日本人が発音するとどちらも「シー」となってしまいがちですが、これらは全く違う発音とのこと。先生の指摘を聞くだけでなく、自分の発音を録音して聞いてみてはじめて正しく理解できるそうです。

続いて学習方法について説明してくださいました。まずは「English Advantage」というテキスト。eラーニングとリンクされているため、レッスン後に学習内容を定着させることができます。

こちらはアウトプットを引き出すためのテキスト。生徒さんと先生の会話量が多くなるように設計されたオリジナルのテキストです。コミュニケーション重視の方にはおすすめです。

なお文法を中心に学習したい生徒さん向けには「PRESS」という別のテキストがあります。

こちらは、正しい品詞選びや動詞の変化についての理解度を確認する構成となっています。例えばこちらのページの題名は「I have been to Rome」。

過去形と過去分詞について正しいものを選択したり、文法に関する穴埋め問題について回答したりしていきます。

どのテキストを使うかは、生徒さんの自由です。もし自分がどちらのテキストを使えばよいか分からない場合は、先生または学習相談を担当しているキャリアナビゲーターに相談しましょう。

さて「この後、どのようなテーマで体験レッスンしましょうか。ビジネスが良いですか」とBilly先生から聞いてくださったので、この2種類のメインのテキストとは別の「MARKET LEADER」というビジネス向けのテキストで会話をすることにしました。

ビジネスに関する数多くのテーマがピックアップされていましたが、以前筆者が勤務していた会社で担当していた「CRM (Customer Relationship Management) 」をテーマにしたレッスンをお願いしました。

筆者がテキストの質問に答えていき、それについてBilly先生が講評を加えるというスタイルで進めていきます。

Which of these opinions about marketing methods do you agree or disagree with?
 - Cold calling (randomly phoning prospective customers) can serve a useful purpose.

筆者:At previous company I tried to make cold calling several times. In my personal opinion, in Japan, cold calling shows less results. But it depends on area. For example, my ex-colleague in Germany said cold calling is effective.

Billy先生:Good. You can rephrase “cold calling yields less results”, not “shows”.

マーケティング戦略として「コールドコーリング(顧客となりうる層に手当たり次第電話すること)」は効果的だと思いますか?という質問。筆者は「日本ではあまり効果がないと思うが、ドイツ出身の元同僚はドイツでは効果が高いと言っていた」という趣旨の解答をしました。

ここでもBilly先生はより相応しい表現を教えてくれます。そしてもちろんこの内容も全てノートに取ってくれます。いくつかの質問についてやりとりしたところで、体験レッスン40分が終了しました。

筆者はIT企業に勤務していた経験があり、Billy先生もITエンジニアとしても活躍されています。共通するトピックについて会話ができ、とてもよい学習となりました。

この点について伺うと「IT以外にも、教育、ファイナンスなどそれぞれ異なるバックグラウンドを持っている人が多いんですよ」と教えてくださいました。

キャリアナビゲーターの佐々木さんにインタビュー

次いで、ロゼッタストーン・ラーニングセンターの生徒さん向けの学習相談を行っているキャリアナビゲーターの佐々木さんからお話を伺いました。

 

Q: 「ロゼッタストーン」という名前になっているので、ロゼッタストーンのeラーニングを利用するのかと思いましたが、違ったので驚きました。

ロゼッタストーンのeラーニング教材は自習教材として利用可能ですが、レッスン時に利用することはありません。レッスンは独自に開発したカリキュラムに従って行います。

なおロゼッタストーン・ラーニングセンターはアメリカ出身でハーバードビジネススクールの卒業生でもある代表取締役社長Dean R.Rogersが設立した英会話スクールです。

日本語を専攻していたDeanは日本語を使って働く機会を得ましたが、日本語のプレゼンに大変苦労したそうです。自分の声を録音して何度も聞いて話す練習をしたという経験から、語学学習には「話す、聞くに集中すること」が大切と痛感したそうです。

日本人の多くは、レッスン中にメモを取ることに一生懸命になって、話す・聞くに集中しきれていない。こうした生徒さんに「アウトプットすること」に集中してもらうために「講師がノートを取り、録音する。生徒さんはアウトプットに注力する」というマンツーマンのレッスンスタイルが出来上がりました。

 

Q: 冒頭で「she」と「see」の発音の違いについても解説してくださいました。

先生が気づいた修正すべき発音の箇所は、全てレッスンノートに記録してもらっています。先生の正確な発音をその場で真似するだけでなく、録音された音声を活用して自分と先生の発音を改めて確認できます。レッスン後にいつでも復習ができるので、大変効果的です。

 

Q: 全レッスンを録音してくれて、いつでもネットの自分専用ページから確認できるのは便利ですね。

40分集中して話をしても、後になると何を話したか忘れてしまうことは多いのです。人間は忘れる生き物ですし、集中して話した後は疲れもありますので。だからこそ、後になって「何を話したかな」と思ったときにすぐに確認できるようにしています。

 

Q: eラーニングの「ロゼッタストーン」はどのように使うのが効果的ですか。

レッスンと全く同じ内容がeラーニングに入っているわけではありません。ですがレッスン内容を応用パターンで復習できる内容になっています。レッスンと並行して利用していただくことをお勧めしています。

eラーニングの活用法ですが、個人的には発音の練習にはとても有効だと思います。マイクに向かって話すと、自分の発音の音の波形が表れます。どの発音が正しくて、どの発音が間違っているかが絵で分かります。

 

Q: 生徒さんはどのようなレベルの方が多いですか。

幅広いですね。銀座校は初心者から上級者まで様々なレベルの生徒さんが通われています。全国的に見ると初心者の方々が多いです。半数以上は初心者の方です。

 

Q: 生徒さんはどのような目的でいらしている方が多いですか。

ビジネス英語を学びたい方が多いですね。例えば「上司が外国人になったから英語が必要」とか「そろそろ単身赴任なので、あらかじめ英語力を伸ばしておきたい」といった目的です。

他には経営者の配偶者の方もいらっしゃいます。ご主人はビジネスで英語を話しているが、奥様は得意ではない、ただご夫婦で外国人の方と会食をすることが多くなってきたので英会話を身につけたい、といったケースです。

他には英語学習が好きで続けている方や、海外旅行の際に英語を使いたいという方もいらっしゃいます。次回の海外旅行の際には、自分で全てアレンジして旅行に行きたいという方などですね。

 

Q: 生徒さんの年代・男女比はいかがでしょうか。

ビジネス英語目的の方が多いこともあり、30代の方が多いですね。他は20代から60代以上までと幅広い生徒さんにご利用いただいております。なお男女比はほぼ半分半分ですね。

 

Q: 先生の職業的なバックグラウンドが様々という点も面白いと思いました。

国籍は違えど、「ネイティブレベル」の英語力を持つ外国人は大勢います。(日本人でも幼少期から就職までずっとアメリカで過ごした方の英語はネイティブレベルと言えるでしょう。)

英語を習う目的は、特定の人だけと会話するというものではないと思います。語学力そのものだけでなく、できるだけ多くの外国人と接することで異文化や習慣を学び「コミュニケーション力」を向上させられるのもこのスクールの特徴だと思います。

そして多くの先生は日本という国、日本文化を魅力的に感じています。

 

Q: 先生が日本語がペラペラで驚きました。

ロゼッタストーン・ラーニングセンターの外国人講師は日本語を理解できます。自身も日本語を苦労して習得した経験を持っているので、英語に苦手意識を持っている人が何で困っているかをよく理解しています。

英語で質問するのが難しい、日本語で分からない点を確認したいという場合も対応できますので、この点から初級者の生徒さんにもおすすめできるかと思います。

 

Q: 宿題はどのように出していますか。

レッスンで学習したことを確実に定着させるために「学んだことを理解できているか」「使いこなすことができているか」を確認する宿題が毎回でます。eラーニングとリンクしているテキストもあるので、宿題はeラーニングとして出すことも多いです。またライティングの宿題もあります。

 

Q: 学習を効果的に続けられる仕組みとしての「ブレンデッドラーニング」は面白いですね。

マンツーマンレッスン、パワーレビューシステム、eラーニングを組み合わせて「ブレンデッドラーニング」と呼んでいますが、私のような「キャリアナビゲーター」も学習をサポートしています。生徒さんの学習方針を一緒に決めたり、学習相談を行っています。

 

Q: 初心者の生徒さんへのサポートも手厚いと伺いました。

初心者の生徒さんは「語学を習得したいとは思うが、語学を勉強するのはちょっとハードルが高い」という印象を持っている方が多いです。話せない、聞いても分からないのは恥ずかしいと感じる生徒さんもいらっしゃいます。

いきなり外国人の先生というと抵抗がある方もいらっしゃいますが、先生たちは日本語を理解できますし、マンツーマンなので他の生徒さんの目を気にする必要もありません。

キャリアナビゲーターが生徒さんが長く学習を続けられるためのサポートもしています。キャリアナビゲーターがモチベーション管理に注力している点を評価いただくことも多いです。

こうした点を総合的に考慮し「それであればやってみよう」と決心される生徒さんも多くいらっしゃいます。

 

Q: モチベーション管理とはどのようなものでしょうか。

ロゼッタストーン・ラーニングセンターでは、学習を始める前に「コミットメント面談」があります。この際にモチベーションに関するテストに回答していただきます。

10個の質問に回答してタイプA, B, C, Dのどの点数が最も多いかで、生徒さんが何にモチベーションを感じるかを測定します。

 

Q: 筆者もやらせていただきました。筆者はAが一番点数が高かったです。

Aタイプは「アタックタイプ」で「成功を収めたいと強く願っているこのタイプは、目標やライバルを見失ったときにモチベーションが下がる傾向」があります。

重要なのはタイプごとにモチベーションが下がるポイントが違うことです。キャリアナビゲーターは、生徒さんが何によりモチベーションが失われるのかを理解したうえで、モチベーションを維持できるようサポートしています。

とはいえ、ガチガチに管理すると逆にモチベーションが失われてしまうので、温かく管理し導くようにしています。これは先生にも徹底していますが、自主性を尊重したうえで、押しつけがましくなく導くことを心がけています。

体験レッスンをおえて

筆者が最も魅力的に感じたのは、先生が全てのレッスンノートを取ってくれて、音声録音もしてくれる点です。生徒さん専用ポータルにログインすると、過去のレッスンノートや音声が全て記録されています。パソコンやスマホでいつでも過去の学習内容を復習でき、音声を聞けるので大変便利です。

こうしたシステムのおかげで自分でメモを取ったり録音したりする必要がなく、目の前のレッスンとアウトプットに集中できます。メモを取ることに一生懸命になってしまう人ほど、このシステムはおすすめです。

またビジネス英語を学習したい方にとっては、先生の多くがビジネス経験を積まれているという点もポイントが高いと感じました。

当然のことですが、きちんとビジネス経験がある方にビジネス英語を習ったほうが、正しいビジネス英語を習得できると思います。

まとめ

レッスンでは「自分の言葉でたくさん話すこと、先生の話を聞くこと」に集中して、それ以外の「雑事」は先生にお任せしたい。英語指導経験とビジネス経験の両方を持つ先生にマンツーマンでレッスンを受け、時間対効果を最大化したい。このような方にとって、ロゼッタストーン・ラーニングセンターは非常に優れた選択肢だと感じました。

またモチベーション管理に注力するとどうしても「スパルタ」「徹底管理」になりがちだと思います。そこを「生徒の自主性に任せつつモチベーションを維持できるよう見守る」という方針は、多くの方にとって心地よく学習を続けられるやり方ではないかとも思いました。

上記お伝えした点に魅力を感じた方は、ぜひ体験レッスンに参加してみてはいかがでしょうか。体験は自宅からオンラインで受けることもできますよ。

レベルの高い先生、マンツーマンの効果、そしてノートも録音も先生にお任せしていつでもネットで確認できることのメリットを実感いただけると思います。