photo by allenran 917
『マダム・イン・ニューヨーク』というボリウッド映画を見ました。家族のために尽くすのが幸せという古風なインド女性シャシが主人公。
家族の中で自分だけが英語ができないことが彼女の悩みですが、ある日ニューヨークに嫁いだ姉から連絡があり、姪の結婚式の準備を手伝うため、シャシは家族より先に渡米することになってしまいます。
姉も姪もいない平日の日中、美しいサリーに身を包み、おっかなびっくり街を歩き始めたシャシは、意を決してカフェに入ります。
が、注文をしようにも、店員さんの早口の英語が聴き取れずにもたもたしてしまい、店員さんと彼女の後ろにずらりと並ぶお客さんたちを苛立たせ、あげく、珈琲を受け取ろうとしていたお客さんとぶつかり、店内に珈琲をぶちまけてしまいます。
彼女は逃げ出すようにカフェを去り、惨めな気持ちで一杯になり、ベンチで一人泣き出してしまいます。
その後、一念発起してシャシは英会話学校に通うことを決め、個性豊かな先生、クラスメートたちとの出会いから少しずつ変わっていき、と話は展開していくのですが、本題から逸れるので、映画の話はここまでにします。
このカフェのワンシーンでのシャシを見て、自分の英語にまったく自信が持てなかった頃のコンプレックスや不安な気持ちを、久しぶりに鮮明に思い出しました。
当時の私は、ちょっとした用事をすませるだけでも緊張してしまって、少しでもうまくいかなかったと感じた途端に劣等感で一杯になり、ひどく落ち込んでしまったりしていました。
今でこそ英語ネイティブのお客さん相手の仕事をしていますが、英語のネイティブではない誰もがそうであるように、私も当然、ある時期までは英語ができませんでした。
以前、これまでの英語学習の道のりについて記事でご紹介したように、今の語学力に至るまでには、長い時間と数々の試行錯誤がありました。
今回は、その記事では触れなかった、英語学習にまつわるちょっと恥ずかしい失敗談について、お話ししてみたいと思います。
大学1年の夏、友人と一緒にボストンに短期語学留学に
大学1年の夏、私は中学からの友人と一緒に、ボストンに1ヶ月の短期語学留学をしました。
たまたまその友人から、ボストンの語学学校の夏季短期プログラムに参加するという話を聞き、もともと大学での交換留学を考えていて、英語力を向上させる必要があった私は、渡りに船と、大喜びでその計画に便乗させてもらいました。
ボストンの中心地から少し離れたその語学学校は友人が選んでくれ、友人はホームステイ、私は学校内の寮に滞在することになりました。最初にお話ししておくと、このボストンで過ごした一夏は、大変充実した、楽しい時間でした。
留学生が集まる語学学校という特殊な環境の中で学ぶのは初めての経験でしたし、沢山の出会いもあり、英語力もたしかに向上はしました。その素晴らしい1ヶ月を過ごすきっかけをくれた友人には、とても感謝しています。
ですが、そもそも、自ら計画した留学でもなく、「英語力を向上させる」という曖昧な目的しか頭になかったことで、せっかく高い航空券代と語学プログラム費用を払い、わざわざボストンまで行って英語を学んだにしては、少々残念な結果で終わってしまった、と後悔している点がいくつかあります。
私自身の心構え、姿勢、そのときどきの対応の仕方次第では、もっと実り多い時間にできたはずでした。
10年以上も前の、若かりし頃の自分を今さら責めたいわけではありませんが笑、今の自分だからこそ、本来はこうすべきだった、というのがクリアに見える部分もあると思います。
そういう点を踏まえ、次回の記事では、このボストン短期留学において私がどういう「失敗」をしたのか、今だったらどう振る舞うかについて、具体的にお話ししたいと思います。