こんにちは。私は外資系ソフトウェア会社の営業をしており、日本、台湾、タイ、フィリピンなどにソフトウェアを販売しています。

今回は、「読み書きは何とかなるが、聞けない、話せない」方々向けに、「どうすれば聞けるように、話せるようになるか」についてお伝えしたいと思います。

なお、私の現在の英語のレベルは「英語で読み、書き、話し、聞きができ、英語で営業プレゼンができるが、英語の厚い本を一冊も通して読んだことがないし、英語の映画を字幕なしで見ることができない」という程度です。数年前のTOEICは880点でした。

この方法の前提条件

この方法は「読める、書ける」人向けの内容です。

「受験勉強で英語をそれなりにやり大学に入り、就職活動でTOEICをやり就職したが、その後英語を使わずすっかり英語力が落ちてしまっている...。しかし何とかしたい」という人向けです。

こうした人が下記のような状況になった時に実践頂くことを想定しています。

  • 今英語を仕事で使う必要性は低いが、将来に備えて実践力をつけたい
  • これまで仕事で英語を使わずに来たが、突然使う必要が生じ、実践力が必要

なお、TOEICの点数を上げるための学習ではありません。TOEICの点数を上げたい方は別の記事をご覧ください。

英語不必要の環境から、英語 or DIEの環境に

私もかつて話す、聞くができませんでした。日本の高校大学を経て、前職は別の外資系ソフトウェア会社に新卒で入社(入社時TOEICは600点以下)。

入社後、日本企業向けに営業をしていたのですが、「お客様も、パートナーも、社内もみな日本人、日本語」という環境だったので、英語力はまるでありませんでした。

変化のきっかけは社内異動。営業から情報システム部門に異動すると、上司がカナダ人になり、メールのほとんどが英語になりました。

上司に報告や説明を英語でするだけでなく、アメリカ本社やインドのチームと電話で会議をしなければいけなくなりました。

会社は外資系なので、評価の低い人はリストラでいなくなります。生き残って家族を養うには、英語を何とかしないといけない状況になりました。

読める、書ける。が、話せない、聞けない

英語は得意ではありませんでしたが、受験勉強である程度やっているので、それほど長くない、また難しくない文章は読めます。

そして簡単で短い文章なら書くこともできます(ビジネス英語の文例集はネットに無料であるので、それをコピペしました)。困ったのは、話すと聞くの部分です。

カナダ人上司に自分の担当の仕事を説明し、彼からのフィードバックを聞いたり、海外にいるチームの人に適切なサポートを得るために説得する必要があります。

最初は外国に住んでいた同僚の助けを常にもらっていましたが、そのうち一人でやらねばならなくなりました。さてどうする?

私が行った練習法「プレゼン千本ノック」

英語を話せなくても、日々日本語で話をして、自分の仕事については精通しているはず。それならば、自分の仕事をプレゼンすればよいのです。この練習方法はいくつかのメリットがあります。

1.お金が(さほど)かからない

対面式のマンツーマンレッスンだとそれなりに費用がかかりますが、Skypeのマンツーマンレッスンであれば、費用は非常に安いです。

2. 時間がかからない

働いている全員がフィリピン留学に行ければよいのですが、長期の休みを取るのが難しいという方も多いと思います。

この方法は、週に1回もしくは2回のレッスンで十分ではないかと思います。もちろん、これより多くの回数をやるのは全く問題がありません。

3.仕事に直結する

この方法を続けると、自分の仕事についてのプレゼン能力がつきます。プレゼン能力があれば、海外のお客様に英語で提案ができる、海外支社への転勤の可能性が高まるなど、仕事のチャンスが増えます。

ちなみに題名は「千本ノック」としていますが、千回もやらないうちに、ある程度の能力がついてきますのでご安心ください。

「プレゼン千本ノック」の具体的な手順

Step1 英語のプライベートレッスンを予約

マンツーマンレッスンを1時間程度で予約しましょう(45分とか50分でも良いです)。

私は対面でやりましたが、対面でも、Skype英会話でもどちらでも良いです。そして毎週決まった時間に予約を入れて、自分を追い込みましょう。

Step2 プレゼン資料を作る

会社のPowerPointの資料などを流用して、英語練習用プレゼン資料を作りましょう。今やっている仕事の内容の中で、簡単に説明できる内容をピックアップしましょう。

例えば、製品の細かい仕様についての説明資料などは、日本語で話しても難解なので、英語プレゼンに入れない方が良いです。

営業している人は、社外秘の内容を削った資料を翻訳します。管理系職種でプレゼン資料がない人は、自分で会社説明、製品サービス説明などを簡単に作ればよいかと思います。

7、8ページあれば十分です。対面レッスンであれば印刷しておきます。

Step3 レッスン本番:プレゼン

事前にどのように話すか、予習しておくと良いですが、なかなか時間が作れないのが現状でしょう。私も予習はあまり行えませんでした。

レッスン開始時に、「これから英語でプレゼンをします。英語学習のために、できるだけ質問をしてください」と前置きをして、プレゼンを始めましょう。

Skype英会話の場合は、パソコンの画面を相手に共有してから始めます。プレゼンの内容は日本語でやれば簡単な内容です。

例えば「会社の創立はXXXX年で、従業員はXXXX年、XX業界でXX製品などを販売しています」といった内容です。ですから、英語だからといって難しいことはありません。

英語レッスン講師は、あなたの会社について何も知らないので、質問のレベルは浅いです。

例えば「今の社長は誰で、どんな人ですか?」「製品のマーケットシェアは何%ですか?」「あなたは会社のどんな所が好きですか?」などです。

これは英語レッスンですから、質問に間違いなく正確に答えることが目的ではなく、質問を聞いて、理解して、それについて自分の言葉で話すことが重要です。

Step4 レッスン本番:振り返り

レッスン時間のうち10分は振り返りの時間として確保して、講師からフィードバックをもらいます。

講師の力量によってフィードバックの内容にも差がありますが、表現について、発音について、文法についてなど、何かしら有用なフィードバックがもらえるはずです。

終了後、上記Step1に戻り、再びレッスンを予約、プレゼンをします。

プレゼン資料を毎度準備できればよいですが、準備できない場合は前回のものを使いまわします(2、3回以上、同じ資料を使い続けないこと)。

資料が同じものを再度使う場合は、別な講師にプレゼンする方が良いでしょう。

プレゼンのネタは無数にあります。「会社概要」「製品紹介」「会社の歴史」「創業者、社長の説明」「製品利用事例」「業界に関する説明」など。

ポイント

一番重要なのは「間違いを恐れるな」ということです。「もし間違ったらどうしよう」「もし通じなかったらどうしよう」などと、気にすることは全くありません。

相手は自分の仕事と何も関係がない英語の先生で、あなたの仕事の評価とは全く関係がありません。

間違いがあっても良いので、堂々と話しましょう。間違いがあればあとで講師が訂正してくれるでしょう。

ビジネス英語は比較的簡単

ビジネス英語と、ハリウッド映画の英語を比べると前者のほうが大変簡単です。ビジネスは、要するにお金を稼ぐこと、またはその付帯業務なので、感情のやり取りが多く発生しません。

究極的には全て定量化できる、数字に置き換えられるものなので、売上とか利益とか効率とか達成率などについて話せればOKです。数字は世界共通です。また語彙もビジネス英語は圧倒的に少ないです。

自分がIT業界に属していれば、IT業界でよく使われる英単語はすでにカタカナに置き換えて使っているものも多いので、新たに覚えなければいけない単語数は少ないです。

魚や野菜や動物の名前を覚えるほうが大変でしょう。恐れることはありません。

最後に

時間とお金があれば、信頼できるフィリピン語学学校に行くことは素晴らしい選択だと思います。ただ、既に働いている人が長期間フィリピン留学にいくのは容易ではありません。

そんな環境の中で実践的な英語力をつける方法として、上記は有効ではないかと思います(少なくとも私には大変有効でした)。ぜひ試してみてください。