このページの目的

インプット=「聴く・読む」ためのトレーニングには「少し難しい」と感じる英文を使うこと、英語を「聴く」ことの便利さと重要性を知る

「Input」のトレーニングは「聴く」ことが中心

前回までの「Output」、つまり「伝える」ことに関しては、ごく簡単な文章からトレーニングを始めること!とお伝えしました。

一方の「Input」に関しては・・・

常に、「あなたの今のレベルより少し難しい」と思うものを「聴く・読む」ようにすること!

・・・これが最大のポイントです。

これを正しいトレーニング方法とともに続けていけば、語彙も着実に増えていきます。

この「学習法」ページで紹介しているのは受験英語でもない、英語の試験のための勉強でもない、生きた「日常の暮らしの中の」英語を使えるようになること、コミュニケーションのための英語、です。

学習の進め方」でもお伝えしたことですが、話すのは、1分間に約100語のスピードで話せるようになれば十分。

ですが、聞き取るのは、1分間に400語で話されるナチュラルスピードの英語を聞き取れるよう訓練することが重要になります。

なぜなら「会話」でまず大事なのは、相手の言っていることをきちんと聞いて理解すること、だから。ここを怠ると誤解や間違いのもとになるので、要注意!

中学の英語を終えている、ことを条件としているこの学習法ページを見ているあなたは、もうすでに基本のInput・・・とくに「読む」ことについて、は、ある程度こなしてきています。

というのも多くの日本人が「読む」ことを中心に学校で英語を教わってきたので、「読む」・・・つまり文字で書いてある英語を理解する、ということは、ある程度できます。

これは、この「読む」という作業は自分のペースで行うものなので、ゆっくりでもいいから、という理由もありますね。

ですが・・・まったく同じ英文をNative Speakerが話しているものを文字を全然見ないで耳だけで聴いてそのまま理解できるか?というと・・・

オノハ7

残念ながら、「読む」ときほどには理解できない、文字で書いてあればわかる文章でも、音声だけでは聞き取れない、という現象が起こります。

・・・なぜでしょうか?

これはもう言うまでもなく、単純に「聴く」訓練をしていないから。そこでここでのInputは、おもに「聴く」ことが中心になります。(最後の回では「多読」も紹介します。)

英語は「耳」で得る情報量が多い言語

英語という言語の場合、情報量の点においても、「聴く」ことは「読む」ことと同じくらい、重要です。

日本語は「漢字」という「表意文字」を使うので、文字を視覚的に見ただけでパッと意味が頭に入ってきます。ですから日本語は文字で情報が伝わりやすい。

たとえば「怒」という文字を一文字みただけで意味がわかる、「柊」という漢字は知らなくても「何かの木?」と推測できる・・・それが漢字というものです(「ひいらぎ」です)。

一方の英語を含む西欧の言語は、文字にアルファベットを使うため、その文字の羅列を見ただけで視覚的に意味が頭に入ってくることはありません。アルファベット一文字一文字には何の意味もないから。

そのかわり・・・英語を含む西欧の言語は、「音」を文字が表している、つまり音と文字情報はイコールであるため、日本語と違い音声による情報が非常に多いのが特徴。

そのためオーディオブック(本の音声版)もアメリカでは昔からかなり発達しています(車社会の影響もあり)。これは知ってみると驚くのですが、たいていの本はオーディオブックがあり、その情報量の多さは圧倒的!です。

そしてそれらは著者本人の肉声で録音されていることも多く、「本人が語りかけてくれる」本を「耳で聴いて読む」ことができるのです・・・これ、スゴイことですよね?

これが本当に「使える」ようになるとその便利さの恩恵にあずかることができます・・・通勤しながら、車を運転しながら、散歩しながら、料理をしながら、ストレッチしながら、いつでも「手を動かして本をめくる」ことなく、音声による「本」を手ぶらで「耳で読む」ことができるのです。
(私は英語の本についてはほとんどこのオーディオブックで、「耳で読んで」います。)

つまり、音による情報をInputすること、「聴く」ことは、英語という言語を使って情報を得る上で、情報量の上でも、便利さの上でも、とても大きなことなのです・・・

オーディオブックについては内容が中上級~レベルになるためここでは詳しく紹介しませんが、あなたにもぜひそのレベルに達してその世界の広さを早く味わって欲しいと思います。

・・・さっそく、ここで紹介している方法でListening力を鍛えていってくださいね。

今のレベルより「少し」難しい英文で

英語は耳で聴くツールが多い、ということは、英語のListening学習をする上ではとても便利なことでもあります。ですから、これを有効活用しないテはありませんよね。

Listeningのトレーニングをする、というときに思い浮かべる代表的なものが英語ニュースサイト、だと思います。

英語ニュースサイトはたくさんありますが、CNNやBBCのようなサイトは少なくとも中級レベル以上でないと難しく、初~中級者がいきなり聴こうと張り切ると聴き取れないことばが多すぎて途中で挫折しかねません。

Inputのためのツールは、初めに書いたように、Output用のツールと違い、「少し難しい」というレベルが良いでしょう。そうすることで、無理なく文章を頭に入れながら、語彙もListening力も同時に鍛えていけるから、です。

この「Input」の回では、初中級者~中級者が「少し難しい」と感じる、Nativeの子供向け、あるいは英語学習者向けのサイトやニュースサイトなどを紹介しながら、効果的な「聴く・読む」の学習法について説明していきます。

これは、この学習法ページで紹介している「発音」「文法」の学習を最低限終えてから、「話す・書く」のトレーニングと並行して進められる「聴く・読む」ためのトレーニング方法です。

英語は「耳でも読む」言語であることから、ListeningのトレーニングをすることはReadingのトレーニングにもつながります。ここで紹介するものはすべて、耳で聴いたものを文字でも読むことができるツールなので、どちらも有効活用していってくださいね。

また、語彙の回で説明した「Dictation」は、Listeningと語彙を同時にUPさせられる学習法です。
とくに中級レベルまでの人は、週に1回でもいいので、時間がとれるときはこれから紹介するツールを使ってDictationするように心がけるといいと思います。