都内を中心にスクールを展開する英会話リンゲージ。ホームページを覗くとピンクを基調とした作りになっている、かわいらしいイメージのスクールです。

今回の体験レッスンとインタビューを通じて感じたことは、レッスンで使用する教材の素晴らしさ。海外の英語教育の専門家が「英語を母国語としない人」のために、いかに効率よく英会話を上達させるかを主眼にして作ったものです。

日本ではあまり知名度はありませんが、教材自体は100年を超える歴史があります。この教材は世界各国の語学学校で採用されていますが、日本国内では英会話リンゲージでしか手にすることができません。

この教材を使って効率よく英会話を上達させる方法とはどのようなものでしょうか?この知る人ぞ知る教材を用い、どのようにレッスンを展開しているか取材してきました。

記事の目次

英会話リンゲージの特徴

英会話リンゲージは都内を中心に全部で7校舎ある英会話スクールです。設立は2014年と新しいですが、母体である全研本社株式会社は、それ以前に法人向けの英会話スクールを40年以上続けてきた実績があります。

プロの脚本家が作成したドラマ仕立ての教材

一番の特徴はイギリスで開発された「ダイレクトイングリッシュ」という教材を軸にレッスンを展開しているところ。

この教材は、英語学習著書で有名なルイ・アレクサンダー氏が提唱するダイレクト学習システムに合わせて構成されています。

プロの脚本家が作成したオリジナルのドラマをベースにプロの役者が出演し、自然な英語を楽しく継続して学習できるように工夫されています。

教材は入校時に購入する必要がありますが、中身はテキストだけでなく、ドラマが収録されたDVD、音声CD、解説書、自習用問題集がセットになっているので、自宅でも予習復習ができます。

この教材のもっとも素晴らしいと思う点は、ドラマの文脈に沿って学習ができるというところです。文法や語彙、表現をドラマのシーンの中で習得できるので、記憶が定着しやすく、実際に使う場面で覚えるのですぐにアウトプットに活かすことができます。

私自身、英語学習に海外ドラマを用いたことがありますが、そのとき出てきた印象的なセリフなどは教科書で勉強したときよりも覚えやすかったという経験があります。

早朝から夜遅くまで開校

開校時間がとても長く、早い日は朝7時からオープンし、遅い日は夜24時まで開いています。お仕事をされている方は、仕事に行く前や仕事が終わったあとにレッスンを受けることも可能です。

ただし校舎や曜日によって開校時間にはばらつきがあります。私が行ってきた横浜校は遅くても23時には閉まり、朝7時からオープンする日は火曜~金曜の4日間です。詳しくは公式ホームページで各校舎ページをチェックしてください。

フリートークテーブルを使っていつでも講師と会話を楽しめる

各校舎にフリートークテーブルが設けられています。こちらではレッスン前後やレッスンのない日に、講師と自由に英会話を楽しむことが可能です。

時間や回数などの制限もなく、話す内容はレッスンのことについてでも、それ以外のことでもOK。料金が別にかかることもありません。

月末には「Free Talk Day 」というのが設定されていて、その日は通常のレッスンは行われず、開校時間中ずっとフリートークが行われます。時間制限などはないので、好きな時に来て好きな時まで英会話を楽しむことができます。

完全月謝制で、値段もリーズナブル

リンゲージでは完全月謝制を採用しています。各クラスの定員は5名と少人数制、そして40分x月4回のグループレッスンが月13,200円です。どの時間帯のレッスンを受講するかによって値段が変わってきます。

昼間の時間帯のデイタイムコースがあり、大手スクールと比べるとかなり安く設定されています。

入会金は無し、教材は最初に購入する形です。1つのレベルの教材を1年間を通じて使用します。

横浜校に行ってきました

横浜校は横浜駅西口9番出口から徒歩3分。ヨドバシカメラ横浜店のちょうど真向かいにある、横浜天理ビルの11階に位置しています。

横浜駅から横浜天理ビルまではJOINUS地下街で繋がっているので、雨の日も濡れる心配がありません。

11階まで上がると、英会話リンゲージ横浜校の入り口があります。扉は常に開いているので、すぐに分かりました。

室内はコンパクトで、受付のすぐ裏側にレッスン用のテーブルが並んでます。各テーブルは仕切りで区切られており、オープンな雰囲気です。

受付を済ませて担当の方をお待ちしている間、各テーブルから英語が飛び交い、先生と生徒さんのレッスンの様子が伺えました。

無料体験レッスンを受講

英会話リンゲージのレッスンは1回40分ですが、今回は先生と1対1で20分間の無料体験レッスンを受講させていただきました。

先生はオーストラリアのメルボルン出身のロバート先生。テキストは「ダイレクトイングリッシュ」のレベル4を使用しました。

レベル4は3つある中級クラスの中で一番やさしい内容で「日常的な話題に関する語彙が増えることにより、外国人と自分の週末や旅行について細かい表現ができる」レベルです。

お互いに名前や出身地などの簡単な自己紹介を英語で行ったあとで、さっそくレッスンに入ります。

「ダイレクトイングリッシュ」を用いたレッスンでは、DVDに収録されているドラマを使います。DVDを始める前に、先生から観終わったあとでどんな内容だったか要約するように言われました。

さて、いよいよDVDのスタート。

カジュアルな服装の若いアメリカ人男性2人が自宅のソファーに座り、何やら話込んでいます。使われている英語は少し砕けたカジュアルな標準アメリカ英語です。

基本的にはナチュラルスピードですが、ところどころ若干ゆっくり目に話しているように感じました。

内容は「仕事に就いていない若者が父親に強制的にお小遣いを止められてしまい、仕方なくクレジットカードに加入した」というもの。視聴時間は(おそらく)3分間程度でした。

具体的な会話スクリプトをここに書くことはできませんが、英米人と話しているとよく耳にする語彙や表現が散りばめられた内容でした。

私自身は英語自体は7割程度は聴き取れたたものの、設定状況がうまく掴めず、結局何が言いたかったのだろうという感想で、うまく要約できませんでした。状況設定が複雑でなかなか骨のある内容と感じました。

ただ通常のレッスンでは、年間を通じて連続したストーリーを観続けることになるので、状況設定にはそれほど戸惑うことなく楽しく勉強が進められると思います。

DVDを観たあとにはレッスン中に出てきた表現を、自分でも使えるように練習をしました。

今回は「What are you an ideal consumer for?」という表現。直訳すると「あなたは誰(何)にとって理想のお客さん?」。つまり「いくらお金を費やしても惜しくないほど好きなことは何?」ということ。なかなか分かりにくい表現ですね。

この表現を身につけるために次のようなテンプレートを使って練習しました。以下の空欄を埋めて自分で文章を作ります。

I think I'm an ideal consumer for 〇〇.
Because 〇〇.

On the other hand, I'm not an ideal consumer for 〇〇.
Because 〇〇.

まともに考えるとなかなか答えが出てきませんが「自分にとって好きなことと嫌いなことを一つずつ挙げ、それについての理由を述べる」と考えると答えが出やすくなります。

私は先生にヒントをもらいながら、次のような文章を作りました。

I think I'm an ideal consumer for a dive trip to Thailand.
Because the sea of Thailand is beautiful.

On the other hand, I'm not an ideal consumer for an idol music.
Because it makes me irritated.

直訳はこのような感じです。

「私はタイのダイビング旅行の理想のお客さんです。(タイのダイビングが好きです。)」
「なぜなら、タイの海は美しいからです。」

「一方で、アイドルの音楽については理想のお客さんではありません。(アイドルの音楽が好きではありません。)」
「なぜなら、(聴いていると)イライラするからです。」

この英文でも間違っていませんが、先生がより洗練された表現に訂正してくれました。

I think I'm an ideal consumer for a dive trip to Thailand.
Because the marine life in Thailand is stunning.

On the other hand, I'm not an ideal consumer for an idol music.
Because I find it irritating.

文が完成したあとで、最初から最後まで通して読み上げます。このように一歩上を行く自然な表現を教えてもらい、上達を実感できるレッスン内容でした。

中條マネージャーにインタビュー

初心者が多く、男女比では女性が7割。講師はしっかりとした研修を受けていて初心者の指導もバッチリです。

ーー リンゲージはどういうレベルの方を対象にしたスクールでしょうか?

中條さん:リンゲージは、今までほとんど英語に触れてこなかったような方からネイティヴとディスカッションできるようなレベルの方まで、どのようなレベルの方にも対応しています。

ーー なるほど。実際にはどういった方が多いですか?

中條さん:初心者の方が7割近くですね。男女比も女性の方が多く、7割近くが女性です。

ーー スタッフも女性の方が多いですね。

中條さん:そうですね。リンゲージ全体で見れば男性スタッフも在籍しているのですが、横浜校のスタッフは、すべて女性なんです。ただ、講師については男性講師も多数在籍していますよ。

ーー 講師にはどんな方がおられますか?

中條さん:外国人講師はネイティヴだけでなく世界各国の出身者が多数在籍しています。採用では日本人への指導経験や人柄を重視していて、入社後も弊社の研修をしっかりと受けているので、初心者の方もしっかりとサポートできるようになっています。

日本人講師も多数在籍していて、その多くがTOEIC950点以上のレベルです。

ーー なるほど。私も体験レッスン受けさせていただいて、先生がレッスンのポイントをよく理解されていて、進行が上手いなあと感じました。

初心者に大切なのはインプット。リンゲージでは良質の教材を使ってドラマを観ながら楽しく大量のインプットが可能です。

ーー 英語学習の初心者にとって、英語を習得するために大切なことはなんでしょうか?

中條さん:一番大切なことは、最初に英語を大量にインプットすることだと考えています。

日本の中学/高校の英語教育は、そもそも授業の時間数が多くありません。しかも授業は日本語で行われ、和訳の練習も多くするので、どうしても英語より日本語が頭に残ってしまいます。

授業内容は英会話の練習というより、難しい英文を丁寧に解釈していくといった場面が多いのではないでしょうか。

そういった方が大人になって改めて英語を学び直そうとしたとき、どうしても学生時代に身に着けた勉強方法を繰り返してしまいます。そうすると、結局インプット量が増えていきません。

ーー 確かに日本の中学/高校ではインプットの絶対量が足りていないと感じます。アウトプットについてはどうお考えですか?

中條さん:特に初心者の方によくあるのは、英語を話せるようになるために「とにかくアウトプットの練習をする」という誤解だと思います。

そもそもインプットされていない英語をアウトプットすることはできません。ですので、英語力を上げるためには、どうしても最初に英語のインプット量を増やす必要があります。

そういった考えからリンゲージでは、ドラマを観ながら英語だけで書かれたテキストを使用して、良質なインプットを大量に行なうようにしています。

ーー なるほど。アウトプットできるようにするために、まずは大量にインプットが必要ということですね。ですが初級レベルも英語で授業を行うとなると、英語が苦手な方が挫折してしまうことはありませんか?

中條さん:リンゲージには日本人講師も在籍しており、日本語でのフォローもできるので、レッスン後などでも気軽に質問していただくことができます。

またレベル3までの初級レベルには、テキストに日本語訳の解説がついているので、初心者の方でも理解しやすいようになっています。

もしレベル1のレッスンでもついて行くのが大変な場合は、その下のレベルのFoundationクラスをご案内するなど、その都度ご対応させていただいています。

高品質のレッスンを低価格で実現したスクールです

ーー リンゲージはどういった方に向いている英会話スクールだとお考えですか?

中條さん:リンゲージは従来の英会話スクールのように高い受講料をまとめて支払うことが難しい、料金が高すぎて始められない方や、低価格のスクールだとクオリティが低すぎて続けられないという方にとって、高品質で低価格を実現させたスクールです。

ですから今まで英会話を始めることができずにいた方や、続かなかった方に通っていただきたいと考えています。

まとめ

プロの脚本家によって書かれたドラマを使って、良質な英語の大量のインプットが可能なリンゲージ。ドラマを観ながら学習することで、さまざまな状況の中で最も自然な英語表現をストーリーに基づいて覚えることができます。

もちろんインプットだけでなく、中級レベル以上からはプレゼンテーションを行い本格的なアウトプットの練習を行います。学習者レベルに応じて的確に学習がプログラムされていて、さすが100年の歴史を持つ教材だと感じました。

レッスンはすべて英語で行われるので、人によっては最初はついて行くのが精一杯かもしれません。ですが繰り返しCDを聴き、日本人講師やスタッフの方によるサポートもうまく活用しながらレッスンに取り組めば、確実に力がつくカリキュラムだと思いました。

ご興味ある方はぜひ体験レッスンを受講してみてください。力がつく実感がきっと得られると思います。