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従来の英会話スクールとはメソッドが全く違う「グローバルスクエア」が気になって、体験レッスンを受けてきました。校舎は東京の飯田橋にあります。
はっきり言うと、グローバルスクエアは「ただ異文化交流や英会話をワイワイ楽しみたい人」には向いていないと思います。
逆に「自分が何が苦手かすら分からない」、だけど「その場しのぎでなく正確な英語を話せるようになりたい」という方には、私が自信を持ってオススメします。
なぜならグローバルスクエアには、日本語の知識を使って英語の本質を理解する効率的なメソッドがあるからです。とても分かりやすく「なるほど!」と思えるレッスンでしたよ。
グローバルスクエアってどんなスクール?
グローバルスクエアは1997年、英字新聞ジャパンタイムズ社の特別講師を務める各務先生が設立したスクールです。
まずはグローバルスクエアの特徴を、
- 「3つの言葉のルールを理解する」メソッド
- 独自テキストを使った高速反復トレーニング
の2つに分けて書いていきます。そのあとでクラスや料金について簡単に紹介しますね。
「3つの言葉のルールを理解する」メソッド
グローバルスクエアのホームページを見ると「いわゆる普通の『英会話教室』ではありません」と書かれています。
近年の「英語オンリーで学ぶ」傾向に対し、グローバルスクエアでは「ある程度の年齢に達した日本人が英語を効率的に習得するには、日本語の知識を活用することが大切」と考えています。
私はこの考えに賛成です。先生と生徒の「日本語」という共通知識を使ったほうが、はじめは効率的だと思うからです(もちろん中上級者になれば英語オンリーでの会話練習も必要ですが)。
そこでグローバルスクエアは、英語と日本語が共通して持つ3つのルールを導き出しました。それが「文の骨格」「動詞のかざり」「名詞のかざり」です。
これらのルールを理解すると、日本語と英語の類似性が明らかになり、その結果、直感的に英語を使えるようになるそうです。この3つのルールについては体験レッスンで詳しく聞いてきましたよ。
独自テキストを使った高速反復トレーニング
3つのルールを徹底的に叩き込むために、各務先生が独自で開発した学習法。その学習法が取り入れられたオリジナルテキストを、生徒さんは教室だけでなく自宅でも使用します。
ルールが理解できたら、今度は「何度も聞いて何度も口に出す」ということです。ルール自体は知っていても、それを瞬時に運用できないことって多いですよね。なので反復トレーニングは大切だと思います。
グローバルスクエアのクラス・料金
グローバルスクエアのクラスは3種類です。
スピーキングクラス
英語を使用した独自のパターンプラクティスで進行します。3つの言葉のルールを徹底することで、言語反射神経を鍛え上げます。初心者から上級者まで幅広く参加できるクラスです。
国際コミュニケーションクラス
スピーキングクラスを修了した方が、仕事でも使える英語コミュニケーション力を鍛えるためのクラス。
実践的なコミュニケーションの技術を養うためのものですが、TOEICに頻出する構文や語彙も用いられることから、TOEICのスコアアップにも効果があります。
ビジネス英語クラス
最上級のクラス。国際ビジネスで通用する正確な英語を習得するために、英字新聞レベルの英文を使ってトレーニングを行います。
「意思疎通ができればよい」ではなく、コンマ・冠詞・前置詞などを的確に使いこなすことが求められるため、高度で正確な英語力を目指す方向けです。
費用について
料金は以下の通りです(税込)。入会金と受講料は全クラス同じですが、教材費のみ異なります。
入会金 | 17,600円 |
---|---|
受講料 80分x8回 |
42,240円 |
教材費 |
スピーキング:11,000円 国際コミュニケーション:1回550円 ビジネス英語:1回550円 |
定員は5名(もしくは7名)と少人数です。1回80分あたりの料金は5,280円と、平均的な料金だと思います。ただ宿題も毎週しっかり出るため、ちゃんとこなせば効果は高いと思いますよ。
グローバルスクエアに行ってきました
グローバルスクエアはJR中央・総武線、東京メトロ南北線、有楽町線、東西線ならびに都営大江戸線の「飯田橋駅」から徒歩3分ほどの距離です。多くの路線が乗り入れている飯田橋駅なので、通学には便利ですね。
こちらのマンション「グランドメゾン飯田橋」に、グローバルスクエアはあります。オートロックを通過し、エレベーターで11Fまで上がり、1102号室を目指しました。
「グローバルスクエア」という表札はありませんのでご注意ください。こちらでチャイムを押し、屋内に入るとアットホームな雰囲気の教室です。
生徒さんの席はこのようになっています。
正面のディスプレイに表示される問題について、講師が生徒さんを順番に当てていきます。
壁にはグローバルスクエアの一番の特徴とも言うべき「3つの言葉のルール」について日本語と英語の対比などが貼られています。
体験レッスンを受けました
今回は講師1:生徒2のレッスンでした。講師は共同代表の各務先生。レッスンは「スピーキングクラス」の内容で、流れは、
- 3つの言葉のルールについての説明
- 「文の骨格」の反復トレーニング
- 「動詞のかざり」「名詞のかざり」の反復トレーニング
という感じでした。
まずはじめにグローバルスクエア独自の「3つの言葉のルール」について解説を聞きました。
英語は3つの仕組みにシンプルに収まっている。そして英語と日本語は語順こそ違うが、言葉の仕組みは一緒。
よって3つの言葉のルールを正しく理解すると、英語から日本語、そして日本語から英語に自由に行き来できるようになります。
文法的な話が続くので、やや難しいと思われる方もいるかもしれませんが「品詞を正しく理解する」「中学で学習した5文型を正しく理解する」以上に難しくはなりません。
しかし、この基礎の基礎というべき部分を徹底して叩き込むのがグローバルスクエアの最大の特徴です。トレーニングの進め方はかなり独特です。
具体的には以下のような流れです。
各務先生「はい、では次の文を読んでください」
生徒さん「She is a nurse.」
各務先生「K?」
生徒さん「K2」
各務先生「S?」
生徒さん「She」
各務先生「V?」
生徒さん「is」
各務先生「SC?」
生徒さん「a nurse」
各務先生「Translate?」
生徒さん「彼女は看護師です。」
ここだけ読むと、ちんぷんかんぷんではないかと思います。この練習は3つの言葉のルールのうち主に「文の骨格」を理解するためのもの(ちなみに3つの言葉のルールは、文の骨格、動詞のかざり、名詞のかざりでしたね)。
グローバルスクエアのレッスンでは「K」「S」「V」「SC」といった用語を使って瞬時に文型と品詞を判別し、読み上げる練習をします。それぞれ以下のような意味です。
- K:構文または文型(=Key Sentence Patterns。K1=第1文型、K4=第4文型)
- S:主語
- V:動詞
- SC:(主格)補語
文章を品詞に分けるのは文構造の正しい理解に役立ちますが、グローバルスクエアのレッスンの特色は、この解読を超高速でやること。
1つの文章に対して数秒~10秒で文型と品詞を判別、和訳もして、どんどん次の文章に移ります。
筆者も最初のうちは慣れませんでしたが、繰り返しやるうちにある程度リズムがつかめてきました。筆者は英語を話すときに構文を意識することはまずないので、とてもよいトレーニングとなりました。
また残り2つのルール「動詞のかざり」と「名詞のかざり」についても正しく理解するために解説を加えてくださいます。
これらの例文も高速で品詞に分解していきます。
このレッスンを継続することで、3つの言葉のルール、すなわち「文の骨格」「動詞のかざり」「名詞のかざり」を正しく理解でき、文構造を正しく把握できるようになります。
また日本語の文章を読んで品詞を判別する練習もあります。日本語の知識を活かして英語の構造を理解するというのがよく分かるレッスンでしたよ。
グローバルスクエアでは、スピーキングクラスで経験を積んだあと、国際コミュニケーションクラスやビジネス英語クラスで実践的な英語運用力を養うことができます。
はじめは「品詞」の話なども多いため、「ネイティブと会話するわけじゃないし、退屈そう...」というイメージを持つ人もいるかもしれません。
ですが英語だけでなくどんな学習でも「基礎」がないと、その先の応用はできませんよね。しかもレッスンは決して退屈ではなく、色んな気づきがあるからこそ、とても面白かったと感じましたよ。
スタッフさんにお話を聞きました
マンツーマンレッスンを受けた後、グローバルスクエアのスタッフさんからお話を伺いました。
Q:これまで色々な英会話スクールに行きましたが、グローバルスクエアさんのレッスンは非常に特徴的でした。この「3つの言葉のルール」メソッドに行きついたのはどのような経緯なのでしょうか。
私は以前、フィリピンにある日本人向け英語学校に勤務していました。その際に使っていたのはカランメソッドなどの「英語を英語で教える」メソッドでした。
確かにこのようなメソッドは効果があり、特に偏差値が高い大学などでは効果が裏付けられています。ただある一定以上の英語基礎力がないと効果が薄いことも分かっています。
せっかく時間とお金を使って英語を努力して学習しているのに、身につかない方々がかなりの数いることに気が付きました。
こうした方々に合ったメソッドはないものか、と探していたところで現在共同で代表をしている各務のメソッドに行きついたという次第です。
Q:同じ非英語圏の人を比べても、ヨーロッパ圏と日本では英語習得にかかる時間が違うという話は興味深かったです。
アメリカの外国語教育協会では「日本人が英語で仕事の補助ができるようになるために必要な授業時間は1,320時間。対してヨーロッパの人は480時間」だとされています。
言語理解の根っこともいえる「言語認知や統語(文構造や文法)」の部分で共通点が多いヨーロッパの人が英語を学ぶのと、日本人が英語を学ぶのでは、かかる時間が大幅に異なります。
日本人が英語を学ぶ際、文構造を意識せずに学習すると、約840時間もの時間が徒労に終わってしまうのです。
Q:グローバルスクエアのレッスンは他では珍しい「高速反復練習」ですね。
当校のスピーキングクラスでは、中学生レベルの内容を改めて教えています。しかし中学生レベルといっても、高速反復でやろうとするとなかなか難しいのです。
すぐに言葉が出てこなかったり、つっかえたりしてしまいます。しかし反復練習をしているうちに、文の構造が正しく理解できるようになり、日本語と英語の行き来が容易になるのです。
日本人の中には「英語はネイティブに学ぶのが一番」「とにかくたくさん話せばよい」と思われている方が多いと感じます。しかし英語教育の実情を見ると、実際はそうではないと私たちは考えています。
Q:どのような悩みを持つ生徒さんにお勧めできますか。
これまで英語を頑張ってきたけど、話せるようにならなかった方ですね。従来の方法で学習を続けても伸びないので、改めて基礎固めに取り組みたいという方には特におすすめです。
Q:生徒さんはどのような目的で来られていますか。
仕事で英語を使う社会人の方が多いです。製薬会社さんはよい例ですね。合併や買収で外資系になったという例はたくさんあります。とはいえビジネス英会話に特化した学校ではないので、中高生にもお越しいただきたいです。
Q:生徒さんは週に1回のレッスンと毎日の学習をどのように続けているのでしょうか。
レッスンは週1回80分、曜日固定制ですが、これ以外に毎日30分間、ドリルをやるようにと指示しています。毎日30分のドリルでやっていることと同じことを、レッスンでもやります。同じことを何度も繰り返し行うことが大切です。
Q:3つのクラスの違いについて教えてください。
入門のスピーキングクラスは2ヶ月コースです。構文を正しく理解し、よどみなく話せるようになるのが目標です。「瞬発力」を非常に重視しています。
真ん中の国際コミュニケーションクラスは、2~4ヶ月のクラスです。ビジネスにおける一般的な意思疎通ができることが目標です。「考えて話す」ことを重視しています。
ビジネス英語クラスでは、ジャパンタイムズから毎週新しい記事を持ってきます。このクラスを終えると、読めない文章がなくなると自負しています。1年ほど続ける方が多いですね。こちらも「考えること」を重視しています。
Q:最後に、やりがいを感じる瞬間について教えてください。
色々なスクールに通って自分なりに一生懸命英語を学習したのに上達しない。そんな生徒さんから「グローバルスクエアで学んで英語を使えるようになった」という報告を聞くとやりがいを感じます。
例えばTOEICでどうしても600点を超えられない会社員の方が、グローバルスクエアで基礎から取り組み、8か月目には800点を超えたという話がありました。試験対策を特にせずにです。
8ヶ月での大幅点数アップに加え「英語を話せる・使えるレベル」まで引き上げたのは素晴らしいと思います。
グローバルスクエアは英語の土台を大切にするスクール
3つの言葉のルールに基づく高速反復レッスンは、これまで体験した英語学習とはかなり異なるので最初は戸惑いました。
しかし体験レッスンで何度も反復するうちに、この訓練は英語学習で一番大切な「基礎固め」に非常に役立つと感じました。
「何となく英語を理解した気になる」のではなく「一文一文を、素早く、そして正確に理解する」ことができる学習法だと思います。
また英語学習には毎日の積み重ねが欠かせませんよね。管理シートを使いながら家でもコツコツと学習できるというのも、いいシステムだと思います。
「これまで色々な学習法を試したが力が伸びない」いう方はぜひグローバルスクエアの門を叩いてみてはいかがでしょうか。