(こちらの記事は2018年3月に取材した内容です。現在、赤坂センターは閉校しています。)

今回はコーチングスタイルで生徒さんの英語学習をサポートしているTORAIZで私 Kyoko が体験レッスンを受けてきました。

記事の目次

コーチングスタイルとは

英会話スクールといえば、週1回教室に通い、1時間程度のレッスンを受けるというイメージが強いかと思います。

人によっては何年も継続して通うこともあるでしょう。一方、近年注目を集めているコーチングスタイルのスクールには以下のような特徴があります。※数字は目安です。

  • 毎日2~4時間の自主学習、会話レッスンは週2~5回
  • コンサルタントがスケジュールを管理、生徒は学習成果を報告
  • コース期間は2ヶ月~1年、費用は月10~15万円

分野は異なりますが「結果にコミット」というCMでお馴染みのRIZAPをイメージしていただけるといいと思います。RIZAPではトレーニングを週2回行い、食事内容を毎日トレーナーに報告します。

トライズの他にも、PROGRITアルゴスパルタ英会話などが英語コーチングスクールとして有名です。RIZAPもRIZAP ENGLISHという名でコーチングスタイルのスクールを運営しています。

トライズってどんなスクール?

東京に7ヵ所、横浜、大阪、名古屋、福岡にそれぞれ1ヵ所ずつ計11センターを持つトライズ。現在はオンラインでも受講も可能。

どんなサポートを受けながら、どのような内容を学ぶのでしょうか。

1年で1,000時間の学習量を目指す

トライズのカリキュラムは「1年で1,000時間を英語学習に充てること」を前提に作成されます。

これは英語と類似点が多いヨーロッパ言語に比べ、日本語話者が英語を習得するには3~4倍の学習量が必要という研究に基づいて算出された時間です。

日本人は中学や高校でかなりの時間を英語学習に費やしているので、残り1,000時間で英語力を一定のレベルまで上げられるという考えです。

入会後すぐのコンサルティングでは、生徒さんの英語学習の目的を詳細にヒアリング。

そして全員VERSANTというテストを受験します。こちらは世界中の企業や政府機関で導入されており、ビジネスで使えるリスニング力やスピーキング力を測るものです。

コンサルティングとテスト結果を参考に、1年後の目標から逆算しながら具体的なカリキュラムを作成します

1週間のスケジュール

年間1,000時間を達成するためには、1週間に約20時間学習する必要があります。生徒さんの仕事のスケジュール、通勤や家事にかかる時間などを考慮しながら1週間のスケジュールを立てていきます


(1週間のスケジュール例)

内容や時間はあくまで一例ですが、気になる20時間の内訳を大まかに見ていきましょう。

(1)スピーキング練習:週5時間

レベルと目的に合った教材を選択。同じフレーズを繰り返し音読することで、反射的に話せるレベルを目指します。下の画像にあるフレーズ集などを使用します。


(スピーキング教材例)

(2)シャドーイング:週11時間

目的はネイティブの発音やスピードに慣れ、内容を理解できるようになること。映像やストーリー性があった方が飽きずに続けられるので、映画を使うことが多いそうです。


(シャドーイング教材例)

(3)ネイティブ講師とのレッスン:週2時間

ディスカッションを行うグループレッスン(定員4名)が週1回、マンツーマンでのオンラインレッスンが週2回あります。こちらに関しては下記インタビューで詳しく紹介しています。


(グループレッスンの教室)

(4)レッスンの予習復習:週2時間

週3時間のレッスンをより充実したものにするために、予習・復習を徹底しています。

コンサルタントによるサポート

コーチングスタイルに欠かせないのがコンサルタントの存在です。トライズでは多くの生徒さんと同じく、ある程度の年齢に達してから英語を身に付けた人をコンサルタントとして採用。

同時に社会人経験も重視しており、英語学習の大変さや社会人の忙しさを理解しながら丁寧なサポートを行っています。

(1)進歩チェック:2週間に1回

コンサルタントと会うために生徒さんは2週間に1回センターに足を運びます。直前2週間の学習内容が定着しているかチェックするため、実際にコンサルタントの前で瞬間英作文やシャドーイングを行います。


(進歩チェックを行う教室)

(2)VERSANTの受験:1ヶ月に1回

入会直後だけでなく、その後も月に1度はVERSANTを受験します。日頃の学習の成果が数字に表れることでモチベーションアップにも繋がります。

(1)と(2)の結果を元に今までのスケジュールを見直したり、再度短期的な目標を立てたりします。実際に顔を合わせるのは2週間に1度ですが、コンサルタントと生徒さんはほぼ毎日連絡を取り合っているようです

こちらに関しても詳しく話を聞いてきましたので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

料金・保証制度について

コースの種類は「1年コース」のみですが、支払いに関しては月額プラン・6ヶ月一括払いプラン・12ヶ月一括払いプランの3種類があります。料金は定期的に見直しているとのことで、ここでは12ヶ月一括払いプランを紹介します。

<12ヶ月一括払いプラン(税込)>
受講料 1,293,600円
(月107,800円)
入会金 55,000円
コンサルティング費 203,500円

2018年3月現在は入会金無料、受講料10万円(税込)割引というキャンペーンを行っています。キャンペーン情報は定期的に更新されていますので、ぜひ公式サイトを確認してくださいね。

そしてトライズには3つの保証制度があります。(下記は12ヶ月一括払いプランの場合)

  • 全額返金保証:サービスに満足できなかった場合、受講開始後1ヶ月間は全額返金。
  • 無料延長保証:1年間カリキュラムに沿って学んでも成果が出なかった場合、無料で最長3ヶ月間延長。
  • 途中解約返金保証:受講開始1ヶ月を過ぎて解約する場合、残りの期間の受講料を返金。

一度に支払う金額は決して小さくないので、保証制度については無料コンサルティング時に詳しく確認しておくと良いでしょう

トライズ赤坂センターに行ってきました

トライズ東京赤坂センターは千代田線赤坂駅直結の国際新赤坂ビル東館内にあります。入り口のドアを開けると、広いスペースに大きな机が置いてありました。

グループレッスンの前後で情報交換をするなど、このスペースは交流の場としても使われています。生徒さん同士が食事に行ったりすることもあるそうですよ。

まずはネイティブ講師の体験レッスン

まずネイティブ講師の1人であるNathan(ネイサン)先生に話を伺い、グループレッスンがどのように進むかを体験させてもらいました。

予習復習を徹底しているトライズ。グループレッスンでも事前にディスカッション記事を配布しているとのことで、私もしっかり予習をして行きました。

記事は、車を乗せたロケットの打ち上げが成功したニュースについて。意見を交わすタイプの授業を受けると痛感しますが、普段からアンテナを張り社会情勢や時事問題についてのニュースを見ておくことは大切ですね。

ネイサン先生とはまずお互いに自己紹介をしました。先生はアメリカ出身で日本に10年程住まれているそうです。そして記事の内容を一通り確認した後「宇宙旅行に行ってみたいか」について意見を交わしました。

通常のグループレッスンの流れは、(1)生徒さんが1人1段落ずつ音読(2)内容が理解できているか確認(3)ディスカッション問題に沿って討論になることが多いそうです。

おしゃべり好きな先生でしたが、普段は生徒の意見を聞き出すために進行役に徹すると笑いながら話されていました。

大沼さんにインタビュー

ネイサン先生と話した後は、赤坂センター長の大沼さんに話を伺いました。

Q:まず、コーチングスタイルを採用されている理由を教えてください

A:これから英語が話せる人材の需要は確実に高くなります。特に英語を使ってスムーズにコミュニケーションを取ることができれば、仕事の選択肢はぐんと広がるでしょう。

トライズの社長も以前は英語が苦手でしたが、1日数時間という学習量をこなすことで、ほぼ独学で英語を身に付けました。週1回レッスンに通うだけでは、1,000時間を達成するために何十年もかかってしまいます。

トライズには「英会話スクールに何年も通ったのに成果が出なかった」という生徒さんが多く来られます。1年間は他のことよりも英語学習にコミットすることで、初めて結果が出ると考えています。

Q:入会時のレベルによるとは思うのですが、生徒さんが1年後に身に付ける英語力としてどのようなものをイメージすればいいのでしょうか。

世界の英語話者数を見ると、ネイティブよりも非ネイティブのほうが数倍多いと言われています。

英語が母語でなくても、英語で立派なスピーチができ、世界に活躍の場を広げているビジネスマンは多くいます。そのためトライズではネイティブ並みの英語力や完璧な発音は目指していません。

それよりも一人ひとりの生徒さんが「英語を使って、必要な場面で中身のある内容を話せるようになること」を大切にしています。そのためミスを恐れず、とにかく英語を口に出してみる機会を多く設けています。

Q:ネイティブ講師による週3回のレッスンについて詳しく教えてください

ディスカッションを行うグループレッスン(週1回)については、レベル別にクラス分けをしています。スカイプでのマンツーマンレッスン(週2回)はレベルや目的によりカスタマイズしています。

両方のレッスンでこだわっている点がいくつかあります。

まず、担任制にすることで生徒さんの進度をしっかり把握しています。また、生徒さんには最低1年間は英語を最優先にしてほしいと考えています。

そのため、好きな時間に予約できるのではなく、毎週同じ曜日と時間に必ずレッスンを受けてもらう曜日固定制のシステムを採用しています。

また、1時間のレッスンでより多くのアウトプットを行うために、予習・復習を必須としています。予習をしているのとしていないのでは、レッスンでの発話量が格段に違います。

Q:少し気になったのですが、英語初心者の方もいきなり瞬間英作文やシャドーイングを行うのでしょうか

英語初心者の方には「プレトライズ」というカリキュラムがあります。スカイプレッスンを日本人講師が担当したり、瞬間英作文ではなく基礎文法を復習するために文法テキストを使ったりします。

一人ひとりに合ったカリキュラムを作成するので、初心者の方も大歓迎ですよ。

Q:コンサルタントと生徒さんは、毎日どのようなやりとりをされているのでしょうか?

毎日のスピーキング練習やシャドーイング練習が終わると、生徒さんは専用システムを使ってその日の成果をコンサルタントに報告します。もちろん英語の質問をしたり学習に関して相談したりすることもできます。

連絡が来なかったら、コンサルタントのほうから「今日の学習どうですか?」と連絡することもありますよ。

Q:最後に…コーチングスタイルを採る他社さんとの違いや、トライズの強みは何だとお考えですか。

まずは学習量です。1年という期間はコーチングスタイルの中では長めだと思いますが、やはり成果を出すには1,000時間という量が必要だと思っています。

レッスンを全てネイティブ講師が担当する点、毎週同じ時間に受講することで英語学習を習慣付けられる点もトライズの特徴です。

そして丁寧なコンサルティングも強みだと考えています。同じように苦労しながら英語を身に付けたコンサルタントは、生徒さんの気持ちを深く理解することができます。

まとめ~インタビューを終えて~

コーチングスタイルを導入しているスクールの中でも、学習時間が長いトライズ。スピーキング練習やシャドーイング練習でたくさん英語を声に出し、週3回のレッスンでしっかりアウトプット練習を行います

そして定期的に学習法を見直しながら専属コンサルタントが1年を通して生徒さんをサポートしています。

コーチングスタイルというと厳しい印象があるかもしれませんが、赤坂センターは冗談が飛び交う和気あいあいとした雰囲気でした。

本格的にカリキュラムを組んでもらえるのは入会後ですが、無料コンサルティングは随時受け付けているとのこと

ネイティブ講師の体験レッスンはありませんが、校舎の雰囲気を見たりコンサルタントの方に話を聞くだけでも学習のイメージが沸くと思います。