1878年にアメリカで設立されたベルリッツは、現在世界70ヵ国以上に約500の教育機関を持つ大手語学教育グループへと成長しました。
日本には2024年2月現在、計38の教室があります。この記事ではベルリッツの教師や料金、目的別コースやオリジナル教授法について解説します。
ベルリッツってどんなスクール?
ベルリッツ・ジャパンは現在ベネッセの子会社となっています。子どもから大人まで様々な年代の生徒さんが通っていますが、特に大人向けビジネス英語に力を入れているという特徴があります。
ビジネス英語と聞くとある程度のレベルが必要と感じるかもしれませんが、入学される方の約65%は初級レベルから始めているそうです。
日本では関東を中心に38教室
日本にはフランチャイズの教室を含め現在38教室ありますが、その内26教室が関東地方に固まっています。
その他愛知県を中心とする東海地方に3教室、大阪府を中心とする関西地方に5教室、中国・九州地方に計4教室あります。四国地方や北海道、沖縄には残念ながら教室がありません。
立地に関しては全ての教室が駅から近く、通いやすい場所にあります。例えば新宿教室は新宿駅から徒歩5分、品川教室は品川駅から徒歩3分です。
関東の教室の多くは毎日営業しており、平日は一番早くて8:30スタート、遅くて20:30スタートのレッスンがあります。出勤前や仕事帰りにも利用しやすいですね。
公式サイトから各教室へのアクセスや営業時間が確認できます。入会後、複数の教室を利用することも可能です。
マンツーマン OR 少人数レッスン
ベルリッツではマンツーマンレッスンと少人数レッスンを開講しています。
マンツーマンレッスン
教師と1対1。学習内容はもちろん、レッスンの進め方や強化したい分野についても希望を出せます。週1回曜日固定で通う、短期集中型で毎日通うなど受講ペースも自由に決められます。予約の変更も可能です。
少人数レッスン
1クラス2~3名。既存クラスに参加するか、スクール側が同じレベル・同じ目的の生徒同士が集まるように手配してくれます。そのためレベルや目的によっては、すぐに参加できる少人数レッスンが無いということもあります。
マンツーマンレッスンには「発話機会が多い」「各生徒さんのためにカリキュラムを作成するので効果的に学べる」という利点があります。
一方少人数レッスンには「費用が抑えられる」「同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨し合える」という魅力があります。
教師について
教師は約7%という採用率を突破し、厳しい研修を修了した方々です。実際にレッスンを担当し始めてからも定期的にフィードバックを行っています。
またベルリッツはビジネス英語に力を入れていることもあり、英語で実務をこなしてきた教師を積極的に採用しています。職場でのリアルな経験や役立つ表現をレッスンに反映させることができます。
世界各国出身の教師が在籍
現在ベルリッツ・ジャパンには70ヵ国以上から来日した約1,200人の教師が在籍。ネイティブもしくはネイティブと同等の英語力がある教師達で、出身地は北米・ヨーロッパ・アジアと様々です。
毎レッスン異なる教師が担当
ベルリッツではあえて担任制をとらず、毎回異なる教師がレッスンを担当しています。国による発音や表現の違いを知り、初対面の人との接し方を学べるという理由からです。色々な教師と会話することで、順応力やコミュニケーション力も養うことができます。
料金について
入学金・教材費・レッスン料がかかります。入会金は33,000円、教材費は入会時にまず20,000円前後支払ったという声が多いようです。
マンツーマンレッスン
1レッスンは40分です。受講時間帯や一度に購入するレッスン数によって変わりますが、40分単価は8,000円台(教室・オンライン自由選択の場合)です。
大手英会話スクールNOVAでは40分単価5,000円台~6,000円台、シェーン英会話では40分単価7,000円台です。ベルリッツのマンツーマンレッスンは相場くらい、もしくは少し高めだと思います。
少人数レッスン
少人数レッスンの料金はプランにより変わりますが、レッスン40分あたり4,000円台(教室レッスンの場合)です。マンツーマンレッスンに比べると、継続して通いやすい料金ですね。各クラス2~3名なので発言機会もたっぷりあると思います。
年齢・目的別カリキュラム
ベルリッツには4歳のお子さんから大人の方までが通っています。ここではまず年齢や目的別のコース内容を紹介します。
4歳~小学生
4歳~小学生には主に少人数クラスを勧めています。レッスンはオールイングリッシュ。
新しい単語や表現を教える際も日本語に頼ることなく、ジェスチャーやイラストを見せながら英語で説明します。そうすることで英語をイメージに置き換えて理解する「英語脳」を育てます。
またお子さん達が40分間集中して学ぶための工夫を多く凝らしています。まずは歌やダンスで「英語を使うモード」に入り、単語やフレーズを学習、アクティビティーを通して学んだことを何度も口に出します。
全体的にスピーキングに重点を置いていますが、小学校高学年になると読み書きや文法も学びます。レッスン内容やお子さんの様子を記載したレポートを保護者の方に渡したり、参観日を設けたりもしています。
学習目的や英語レベルによってはマンツーマンレッスンを勧めることもあるそうです。
中高生・大学生
中学生や高校生は学校で得た知識を活かし、スピーキング力を伸ばします。主にマンツーマンレッスンとなるので、試験対策や留学準備も可能です。就職のために英語力を上げたいという大学生も通っています。
大人(ビジネス英語コース)
ベルリッツが特に力を入れているビジネス英語コース。生徒さんのレベルや職種はもちろん、どんな場面で英語が必要なのか、いつまでに目標を達成したいかなど詳しく話を聞いてカリキュラムを作成します。
レッスンには実践練習を多く取り入れます。教師は直属の上司や取引先の社員など、場面に合わせて相手役になります。
またレッスンでは自身の経験を踏まえて教師がたくさんアドバイスをしてくれます。例えば…
- 文法は合っていても、職場で使うには不適切な表現はしっかり訂正
- 説得力のある話し方や間の置き方、会話を弾ませるコツなどを伝授
- 日本とは異なる海外のビジネスマナーや人々の働き方について言及
ただ英語の練習をするだけでなく、ビジネスでの心得も学べる充実のレッスンです。
大人(日常英会話コース)
旅行に困らない会話力を身に付けたい、外国人と交流したいなど様々な目的を持つ方が通っています。初心者~中級者の方には、日常生活や旅行先でのシーンを想定したレッスンを行います。
中上級レベルになるとディスカッションを通して自分の意見を伝える力も身に付けます。発音や抑揚についてもアドバイスします。
日常英会話コースでも質問の投げかけ方や丁寧な会話の切り上げ方など、一歩先の双方向コミュニケーションを目指すのに必要なテクニックを習得します。
他にもTOEIC・TOEFL・IELTSなどの資格対策コース、中国語やフランス語などの外国語コースがあります。
ベルリッツ独自の教授法
年齢やレベルによりレッスンの進め方は異なりますが、全てのコースには独自の教授法「ベルリッツ・メソッド」が取り入れられています。どんな特徴があるのでしょうか。
世界共通のオリジナル教材
レッスンで使用する教材は、ベルリッツが独自で開発した「BerlitzENGLISH」。解説など全てが英語で記載されています。多くのイラストで視覚に訴えるテキスト、リスニング練習ができるCD教材、受講生のみアクセスできる専用ウェブサイトがセットとなっています。
各生徒さんに合わせて補足プリントやニュース記事も用意されます。
毎レッスンに目標を設定
目標設定を大切にしています。長期的な目標や月単位での目標に加え「今日はこの場面で使える英語をマスターする」というようなレッスン単位での目標も設定します。
オールイングリッシュのレッスン
学習者の母語を使うことなく英語オンリーでレッスンを行います。これはダイレクトメソッドと言われており、教師が学習者の母語を知らない場合や、異なる母語を持つ生徒さんが同じクラスで学ぶ場合によく取り入れられます。
現在オンライン英会話業界で話題のカランメソッドもダイレクトメソッドの1つであり、カランメソッドを生み出したロビン・カラン氏は元々ベルリッツの英語教師だったそうです。
ベルリッツでは会話を続けるのが苦手な方や英語のみのレッスンが不安な初心者の方も発言しやすいよう、あらゆる工夫を取り入れています。
文章での発話を促す
生徒さんが質問に単語のみで答えた場合、教師は少しずつヒントを出しながら、きちんと文章で解答したり理由を付け加えたりできるよう促します。
カランメソッドでも大切にされているルールですが、カランメソッドでは講師が使った構文をそのまま使う必要があるのに対し、ベルリッツメソッドではそこまで厳格なルールはありません。
聞く:話す=50:50
教師の解説や質問を「聞く時間」と同じくらい、生徒さんの「発話時間」を設けています。新しい単語や表現を習った上で、それらを使いながらロールプレイや実践練習をたくさん行います。
コミュニケーション能力を身に付ける
単語を覚えて英語を話せるようになることがゴールではありません。日本でも先生にはきちんと敬語で話したり、職場では話題を選んだりしますよね。
ビジネスの場で使うのに相応しい表現・世界で広く受け入れられているマナー・聞き手を惹きつける話し方など「コミュニケーション能力」も重視します。
その他知っておくべき情報
各教室に日本人スタッフが常駐
各教室には日本人カウンセラーの方が常駐。教師と共に生徒さんの英語学習をサポートします。初回カウンセリングに始まり、レッスンに関する相談や予約の変更などを担当しています。
「教育訓練給付制度」有り
ベルリッツのビジネス英語コースはマンツーマンレッスンと少人数レッスン共に、教育訓練給付制度の対象です。総受講費用の20%(最大10万円)を受け取ることができます。
キャンペーン情報
通常入学金は33,000円ですが、随時お得なキャンペーンを行っていると思いますので、定期的に公式サイトをチェックして下さいね。
無料体験レッスン
目的に沿ったマンツーマンレッスンを受け、その後日本人カウンセラーが生徒さんのレベルに最適な教材や受講ペースを提案してくれます。無理な勧誘は行っていないそうなので、ぜひ試されると良いと思います。
オンラインレッスン
オンラインレッスンも開講しています。朝5:00~夜中24:10まで受講でき、5,000円台〜と通学するより少しお得です。通学型レッスンと同じ教材やカリキュラムを使うため、通学との併用も可能です。
留学サポート
短期留学から長期留学にまで対応しています。海外のベルリッツに一定期間通うコースも用意しています。日本のベルリッツと同じテキストや教授法を用いているため、レッスンに一貫性があります。
当サイトの口コミ
当サイトにはベルリッツに関する口コミが750件以上届いています。ここではその一部を項目別に紹介します。
教師・スタッフについて
「スタッフの対応やカウンセリングがとても丁寧」
「教え方が統一されている、レッスンの質が高い」
「生徒が話す時間をしっかり確保してくれる」
「教え方にばらつきがあり、レッスンの質も様々」
料金について
「料金が高いから何年も続ける気にはなれない」
「会社の研修制度を利用しないと個人では払えない」
レッスン内容について
「1つのことをあらゆるフレーズで表現できるようになる」
「シチュエーション別に徹底的に会話練習ができる」
「英語がどうしても理解できなくて時間が無駄になった」
教材について
「イラストが多く分かりやすい。CD付きなのが嬉しい」
「全て英語で書かれているので初心者には向いていない」
立地・設備について
「駅から歩いて5分程なので通いやすい」
「教室は掃除が行き届いており清潔感がある」
上の画像からも分かるように教師やスタッフ、レッスン内容や立地に関してはかなり評価が高いスクールです(2018年1月時点)。
ただし教材は全て英語で書かれており、担任制でなく且つ教師は全員外国人であることから、子どもや大人初心者にはあまり向いていないという意見もありました。
まとめ
特徴をおさらい
様々な角度からベルリッツを紹介してきましたが、ここでもう一度特徴をまとめます。
マンツーマン OR 少人数
多くの方がマンツーマンレッスンで学んでいます。少人数レッスンは定員3名なので他社グループレッスンに比べて発話量が多いのが特徴です。レベルや目的によりマンツーマンのみ案内可能というケースもあります。
マンツーマンは40分6,000円台~
受講時間帯や購入レッスン数によりマンツーマンレッスンは40分8,000円台~です。大手英会話教室の中でも少し高めの部類ですが、キャンペーンや給付制度で負担を減らすことができます。
ビジネス英語に力を入れている
ビジネス経験がある教師を採用するなど、仕事で英語が必要という方が効率的に学べるよう工夫されています。一概にビジネスと言っても生徒さんの職種や業務内容は様々。各々に合わせたカリキュラムが魅力です。
教師とスタッフへの評価が高い
教師の出身国は様々なので、多様な発音や文化に触れられます。担任制で無いことに対しては意見が分かれますがレッスン自体への満足度は高く、日本人スタッフの対応に関しても評判が良いスクールです。
世界標準の教材を使用できる
語学教育に関する圧倒的な情報量が強みのベルリッツ。オリジナル教材の内容にも定評があります。ただし日本人が難しいと感じる点に特化した教材ではないため、初心者には向いていないという声もあります。
テンポが良く発話機会の多いレッスン
レッスンはウォームアップ、テーマ学習、実践、復習とテンポよく進みます。教師は工夫を凝らして生徒さんの発話を促します。ビジネスマナーや各場面に相応しい表現を身に付け、コミュニケーション能力を育みます。
どんな方に向いている?
上記のような特徴を考慮した上で、ベルリッツがどんな方に向いているかまとめてみました。
大人の方
しっかりとした目的意識がある大人の方、仕事で英語が必要という方に特にお勧めです。子どもに向いていない理由としては、担任制でないため教師との信頼関係が築きにくいこと、これから何年も通うとなると経済的負担が大きいことが挙げられます。
初中級以上の方
例えばbe動詞と一般動詞の違いから学びたいという方については、日本人講師に学んだほうが効率的だと考えています。テキストは解説を含め全て英語、レッスンでは実践を重視するとのことで、ある程度会話を続けられる方に向いていると思います。
最後に
世界的に有名で、生徒数が多く歴史も長いベルリッツ。教材やカリキュラム、教師の研修制度についても、歴史が浅いスクールに比べて内容が充実していると思います。そのためレッスンの質に対して評価の高いスクールです。
レッスンは各々のレベルや目的に合わせてカスタマイズされており、コミュニケーション力を伸ばすために実践練習を多く行います。
しっかりと予習復習をし、レッスンで学んだことを全て自分のものにする意欲のある方であれば、きっと成果を感じられるスクールだと思います。
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