photo by Langara College

こちらは「バンコクの英会話学校でTOEIC820を900以上にした私の方法」の続編です。

CELTA受講前審査

ECCタイランドでCELTAを受けるには事前審査などがあります……と言っても英語で英語を教えようとする位、ある程度の英語力があれば大丈夫です(私は当時TOEIC820)。内容は、

  1. 文法テスト等 (例) I have been to Tokyo yesterday. が不適切な理由は?
  2. 教える準備テスト (例)democracy (民主主義)が新出単語で、どう説明する?
  3. エッセー  (例)なぜCELTAを取りたいか、どう将来に活かすか?

この1〜3をやって提出し、そのあとで内容に基づいた面談になります。この宿題は自宅ででき、もちろん文法書を見たり辞書を引いてもいいのですから、ノーミスでクリアしたほうがいいでしょう。
 
面談はCELTA関連の話もありますが基本は一般的な会話で、職務経歴とかボランティア経験といった感じの話でした。

主催者からすると、ノンネイティブの私に関して確認したいのは、「英語のみの授業に付いてこられるか」「常識的な行動がとれるか」といった面が中心な印象を受けました。

運営側としては受講者が多いほうがビジネス面ではいいし、よほど英語ができない、やる気がない、または変な人でなければ落ちる事はなさそうです。

コース準備と推薦図書

コースでは、以下の本をほぼマストという感じで推薦図書指定しています。以下は現在教員をされている方にもお薦めです。受講する場合は事前に買って読んでおいて損はないと思います。

Practical Techniques Text (Language Teaching Publications)

この本は「英会話教室の授業運営」に関する内容が中心です。具体的かつ実践的で、即授業に活かせるアドバイスが沢山あります。一番印象に残っているのは「説明する時にはペンを置かせる」という指示です。

この指示を出す理由は、聞くことに集中してもらうためです。「メモを取りながらでも聴き取りに問題ない」という人もいますが、意外とメモしている最中に大事な事を聞き流して覚えていない事の方が多いです。

また何かを手に持っていると大人・子供かかわらず手遊びをしたくなるのが人間の性ですから、それを防止するというのも理由だったりします。その分講師の説明を簡潔にしてメリハリを付けるという感じです。

これは日本の教育業界でいう一時一事の原則に通じる指示ともいえます。

How to Teach English

4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)をどう効率よく向上させるか、に関してESLの専門家が書いた基本的指針を表す本です。

Practical English Usage

英語表現でany と someの違いなど、間違えやすい表現をまとめた良書です。例えば日本の学校で教える「someは肯定文、anyは疑問文で使用」はあまり良くない説明です。

I like some Japanese songs. 日本語の歌で好きなのが(何曲か)あります。
I do not like some Japanese songs. 日本語の歌で好きでないのが(何曲か)あります。
I like any Japanese songs. 日本語の歌は全て好きです。
I do not like any Japanese songs. 日本語の歌は全て好きではありません。

 ※( )は日本語で無視される単数複数をあえていれてます。

上記4つは全部文法的に正しく、意味は全然違います。違いが説明できますか?といった感じで、この本では簡潔にわかりやすく説明してくれています。

Grammar for English Language Teachers

ネイティブ向けに書かれた基本的なグラマーの解説です。日本の文法書というと例外項目の説明が多く個人的には辟易しますが、英語で基本を中心に説明しているので良いです。

こういった本を参照し、読み、講義を聴いてディスカッションをしました。

CELTA受講中の一日の様子

講師は「集中コースで、スケジュール的にもキツいよ。頑張れますか?本当にいいですか?」と最初に確認するし、参加してる英語ネイティブからも「このキツイコースを第二言語でやるのは凄い。自分はフランス語で絶対にできない。」みたいな声を参加者から聞くこともありました。

記憶が曖昧ですが、大体スケジュールはこんな感じです。

9:00〜12:00 テーマに基づく講義、講師が教師役で講習生相手にモデル授業等
=>前後などに課題テキストと関連したディスカッションなど
12:00〜13:00 昼食
=>中に安い食堂あり、外に出るのもOK
13:00〜18:00 講義、模擬授業など(自分の授業がない場合は見学 or 授業準備など)
=>授業後は、夕方に講師からフィードバック
18:00〜 翌日の準備など
帰宅後や週末 リーディング・エッセー・教材作成・授業準備など

一年イギリスに留学していた時に何とか単位も取得できましたし(イマイチな英語でも)、教員時代と比べるとストレスも仕事の量もあまり問題無い感じでした。

やらないといけないことが少ないとは言いませんが、学校で専任教諭としての仕事がまわせる人で、英語力があれば消化は可能な量です。

コースの人たちと食事だけなら何度か行きましたが、地味にスケジュールが詰まっており、週末に飲みに行けたのは1ヶ月で一回だけでした。

上述のリーディングアサイメントなどは、事前に読んでタメを作っておくといいかもしれません。