年の大半を外国のお客さんと旅する通訳ガイドのMarikoです。この記事では村上憲郎氏の著書、「村上式シンプル英語勉強法」についてご紹介します。

「村上式シンプル英語勉強法」

村上憲郎さんは、米Google本社の副社長をも務めた、世界の舞台で活躍するビジネスパーソン。しかし、実は彼が英語を本格的に勉強し始めたのは30歳をまわってからなんですよね。

これは村上さんが、たくさんの英語に関する本を読み漁って編み出したユニークな英語学習法を、惜しみなく紹介している本。英語を身につけたい全ての人に読んでもらいたい一冊です。

その学習方法はいたってシンプルで本当に必要なことだけをやればいいと言い切ってくれるので、俄然やる気がでます。

村上式の勉強法の中で特に面白いと思ったポイントとともに、良かった点や気になった点、口コミなどもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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    著者プロフィールと出版の背景

    まずは著者の村上憲郎さんのご紹介と、どのような思いでこの本を村上氏が書かれたかということについて。

    著者の村上憲郎さんはどんな人?

    1947年生まれで大分県出身の村上憲郎さん。

    日本電子でミニコンピュータシステムのエンジニアとしてキャリアをスタートしましたが、転職して外資系企業の営業職についたことで必要に迫られて英語の勉強を始めます。

    そこで必死で勉強して英語を身につけた方法が、のちに「村上式」と言われる勉強法に。その時期は3年間、1日3時間、365日勉強したそうですよ。

    その後、2003年からはGoogleの米本社副社長兼Google Japan代表取締役社長に就任。日本における全業務の責任者を務めました。

    出版の背景

    英語を身につけたことで外資系企業のマネージャーになり、その後トップマネージメント携わるというエキサイティングな人生を送ってきたという村上さん。

    しかし、グローバルな仕事の現場でまわりを見渡すと、ほかのアジア圏の人たちはどんどん英語力をつけているのに日本人はいつまでも同時通訳をつけている。そんな状況に大きな危機感を抱いたようです。

    今やビジネスパーソンにとって英語は必須スキル。学問として難しく考えずに2台目の自転車の乗りこなし術くらいに思って取り組むべきだ、と村上さんは言います

    これは、日本人が言葉の壁を乗り越えて自由に世界で活躍できるようになることを祈って書かれた、村上さんからのエールがつまった本です。

    村上式シンプル英語勉強法とは?

    「村上式シンプル英語勉強法」

    「村上式シンプル英語勉強法」は、150ページほどの本で、2時間あればじっくり読めます。定価は1,590円。

    村上式シンプル勉強法のポイントは、以下の2点。

    1. 英語は筋トレのようなもの
    2. 必要なことしかやらない

    英語学習は知力を鍛えるのではなく、英語を使う筋肉を追加する作業。頭で考えずに体で覚えていくというイメージです。それも必要な勉強内容もとてもシンプルなもの。

    この本ではその勉強内容を、

    • リーディング
    • ボキャブラリー
    • リスニング
    • ライティング
    • スピーキング

    の5つにわけて紹介していますが、大事なのはひとつひとつ別々にやることだといいます。

    それでは、パートごとの勉強法のポイントを順にご説明していきます。

    リーディング編

    「英語を、英語のまま、「内容を英語で読む」」

    「まず100万語を目標に読む」

    5つの勉強の中で最も誤解されているのがリーディングで、多くの日本人は「日本語に訳していくこと」だと勘違いしているとのこと。

    必要なのは「英語のまま理解していくこと」なので、もちろん文頭から読んでいきますし、基本後戻りもしません。わかる単語や文節は、英語のまま読み進めていけばOK。

    たとえば、「Modern computers are based on tiny integrated circuits. 」は、「Modern computers は base している、tiny integrated circuits の上に」のように読んでいきます。

    そして大事なのはこのやり方で多読をすること。まず目標は100万語で、小説なら約10冊。

    「辞書をひかない」「知らない形容詞はgoodかbadに変換する」など、目からウロコのポイントが満載。確かに途中で中断すると読むことに集中できなくて飽きちゃうんですよね。

    ボキャブラリー編

    「目標はビジネスで困らないレベルの1万語」

    「毎日1万語、ひたすら眺める」

    個人的にはこのボキャブラリー編が最も印象的でした。

    まず、1万語をおさえましょうというところから始まります。ネイティブの語彙力は7万語とのことですが、1万語あればたいていのビジネス会話で困らないそう。

    衝撃的だったのはその単語を覚え方なのですが、村上さんは「1万語全てを毎日眺めなさい」と言ってきます。

    正直、「1万語覚えよう」には、無理だ!と拒否反応が出そうになりましたが、「ひたすら眺めるだけでいい」と言われると、できる気にもなってくるから不思議です。

    とはいえ、1万語を1秒ずつみているだけで2時間45分かかってしまいます。それはあまりにも非現実的なので、最初は全部通すのは週末だけでいいとのこと。

    私は今までも忘却曲線は意識してきましたが、2日後、1週間、3週間後の復習などがややこしく感じられて脱落し続けていたんですよね。そこにきたまさかの1万語を「毎日見る」という指令(笑)

    確かに単語は何度も出会うことで記憶に定着しますので、毎日見ていたらもう最強です。この振り切った学習法にはスカッとしました。

    リスニング編

    「リスニング力は耳の筋力」

    「1日1時間を3年。生の英語を1,000時間聴く」

    英語は日本語と違って子音の音節が存在します。そのため、リスニングができるようになるには、耳を鍛えて子音の高周波を聞き取る力をつけるしかないと言います。

    具体的には、自分のレベルよりだいぶ上のリスニング教材を毎日聴き、週に1度自分のレベルの英語に戻って聴くと、あら不思議、聴き取れるようになるということ。

    つまり、これこそ本当に筋トレのように負荷をかけながら鍛えるトレーニング。やさしい英語ばかり聴いてきてもリスニング力があがらない理由がわかりました。

    プロの通訳の練習法でも少し似ている方法があります。遅いスピードでスタートして速めていったり、速めで何度か聞いて遅くしてみたりとスピードを調整するやり方です。同じ教材で速度調整をするのもいいかもしれません。

    1,000時間聴けば誰でも聞き取れるようになる、と村上氏は言います。毎日1時間聴けば3年間。簡単ではありませんが、3年というゴール設定があるのは嬉しいですね。

    ライティング編

    「私たち日本人には英作文はできません。無理です。」

    「”英借文”するしかありません」

    このパートは衝撃でしたが、内容にはとても納得。日本人が正しい英語を書くのは到底無理なので、ネイティブの ”英借文” をするしかないといいます。

    これはつまり、ネイティブが書いたフレーズや文章を自分なりにアレンジして利用するということ。筆者もこの考えに至ったことでものすごく楽になったそう。

    そのための準備として、必要なのはテンプレート集め。ネイティブの書いた良いビジネス文書、メール、ニュース記事などを常日頃から収集しておくことが大切だといいます。

    日本語でも、たとえば手紙などで使う時候の挨拶なども同じようにテンプレートを使いますよね。それと同じだと考えるとわかりやすいかと思いました。

    私は今までもよく、こっそり ”英借” していましたが、これからは堂々としようと思いました(笑)

    とはいえ、いつもその場限りのネット検索などで単語や文章を間に合わせることも多かったのも事実。この本を読んで、日頃から収集することの大切さを学びました。

    スピーキング編

    「日常英会話は5パターンしかない」

    「自分に関する100の話題を丸暗記しよう」

    多くの英語学習者の最終イメージは英語を話せるようになること。この英会話の部分で苦労する人が大多数なのですが、村上氏に言わせればこれは最も楽な技術。

    というのも、聴くのは相手のレベルがベースとなりますが、話すのはこちらのレベルでできるので、堂々と落ち着いて話せばいいとのこと。斬新な着眼点です。

    具体的なスピーキングの勉強法として提案するのは2つ。それは、

    • 日常の英会話パターン5つをおさえる
    • 自分に関する100の文章を英語でつくる

    だといいます。

    まず英会話パターンは主に以下の5つしかないので、ここおさえればたいていの会話は乗り切れるとのこと。

    1. あいさつ
    2. 依頼する
    3. 質問する
    4. 意思を伝える
    5. 相手の意向を聞く

    これらはパターン化されていて、Can I〜、I’d like to〜、Would you like to 〜、などをいくつか覚えればだいたいカバーされるとのこと。

    そして私が「うんうん」と大きくうなづいたのは、自分に関するストーリーを100本、英語で作っておくという大胆なアイデア。

    そうなんです。日本語でも日常会話の多くは、自分の関心ごとを相手に伝えたり、相手の話に合わせて参考になる自分の経験例などを紹介したりしてるんです。

    仕事、家族、趣味の話などをあらかじめつくっておけば会話が繋がりますよね。プレゼンと違って会話は準備ができないと思っていましたが、こんなに準備ができるものだとは...。

    英語日記づくりなども、おそらくこの考え方に近い学習法。日頃、自分の頭の中で考えていることを英語で言えるようにしておくと、実践英会話がこわくなくなりますよ。

    「村上式シンプル英語勉強法」の良かった点

    • やることはシンプルなのに納得感が高い
    • エネルギッシュな言葉にやる気をもらえる
    • 村上氏が見てきた世界の様子が垣間見れる
    • おすすめの教材がたくさん紹介されている

    英語の学習本としては薄めで読みやすく、やるべきことも明快でどれも膝をうつものばかりです。

    また、とにかく村上氏の文章がエネルギッシュでやる気をもらえます。本を閉じた後に早速始めたいという気持ちが生まれる本なのがすごいですね。

    「村上式シンプル英語勉強法」の気になった点

    • これは30年以上前の学習方法

    これは村上氏が若い時に英語を習得した時のお話で、既に30年以上たっています。ご本人も書かれていますが、その時に比べて今は多くの点で恵まれた学習環境といえるでしょう。

    オンライン英会話で毎日アウトプット練習もできますし、便利な学習アプリを利用して単語をいつでもどこでも眺めることができます。

    村上式の手法に、令和のツールを積極的に取り入れていくと最強なのではないかと思いました。

    英語ひろばに届いた口コミ・評判

    みんなの英語ひろばにも、「村上式シンプル英語勉強法」の口コミが届いていますので、ご紹介します。全ての口コミはこちらで確認できます。

    「読みやすいのでスイスイ読める」

    「本当かな?と疑っていたが効果があった」

    「ハローだけしか知らない人でも始められる」

    全体的に良い感想が多かったのですが、中にはこんなご意見も。

    「TOEIC対策向けではない」

    村上氏は「熟語やイディオムは覚えなくていい」など、実践会話をするために切り捨てることも提案していますので、たしかに資格試験や受験対策には向いていないかもしれません。

    「村上式シンプル英語勉強法」はこんな人に読んでほしい

    • お金をかけないシンプルな勉強法が知りたい人
    • 今までいろいろな英語学習法で挫折してきた人
    • 英語学習のモチベーションをあげたい人

    お金をあまりかけずにシンプルなやり方で英語を身につけたいと思っている人にとって、村上式勉強法は最適です。

    英語学習は始めたいなと思っても、どうしても腰が重くなりがち。また、思い立ってもすぐやる気が萎えてしまったりとモチベーションを継続させるのって意外と難しいですよね。

    村上さんのこの本はエネルギーに満ち溢れていて、やる気スイッチを押してもらえます。既に英語学習をしていてモチベーションアップのために読みたいという人にもおすすめ。

    まとめ

    村上式シンプル英語勉強法は、びっくりするほどシンプルな勉強法です。

    本当にそんなやり方で、世界で通用するビジネス英語ができるようになるのか疑いたくもなりますが、実は全てのやり方に言語学習のポイントが含まれているんですよね。

    村上氏のように、突然必要に迫られて英語を学習しようと思いたった人も、今までいろいろな方法で英語を勉強してきて挫折してきた人も、騙されたと思って読んでみることをおすすめします。

    たった1〜2時間、この本に時間を捧げることで英語学習に対する概念が変わるかもしれません。気になった方は、ぜひお手に取ってみてください。

    村上式シンプル英語勉強法を購入する

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    Mariko

    幼少期をイギリスで過ごし、大学では国際関係学を専攻。卒業後、旅行会社、秘書、グラフィックデザイナー、コンサルタントなどを経たのち、2016年より英語の通訳案内士に。外国人のお客さんと日本各地を旅しています。
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