睡眠学習は可能か

朝起きたら難解な英単語がすらすらと出てきたら、どんなに良いでしょうか。睡眠時間は多くの人にとって最高のリラックスタイムである事は間違いありません。

でも、この時間を上手く利用出来たらと思ったことはありませんか?今回は日々の勉強を習慣としている方なら誰もが一度は聞いた事がある睡眠学習についてご紹介します。

睡眠学習とは?

睡眠学習とは読んで字のごとく、睡眠中の時間を利用して学習を進めるという発想からできたものです。

ぐっすり寝ている間に勉強を進めようだなんて、なんて都合の良い考えをとは思うものの、なかなか気になるところです。
 
かくいう私も依然、寝ている間に英語の音声教材を流しっぱなしにしていた経験があります。

また少し睡眠学習とは違うかもしれませんが、頭が良くなると言って小さい頃、母親から海岸の波の音の入ったCDを眠る間に聞かされていた経験があります。どちらも効果の程は不明でしたが。
 
日本では1960年代に枕の中にテープレコーダーをつなぐ事が出来る「睡眠学習器」が販売されており、中高生を中心に40万台を超える大ヒットを記録した事があります。

そんな歴史のある睡眠学習ですが、実際の効果の程はどうなのでしょうか?

最新の実験で分かった驚きの研究結果

近年、アメリカのノースウェスタン大学の研究チームにより、睡眠学習について興味深い結果が報告されています。

実験ではまず、集めた被験者達にパソコンのキーボードを使って二つの曲の弾き方を覚えてもらい、その後、暗い部屋に入り90分間の睡眠をとってもらいました。
 
被験者達が睡眠をとる部屋では先程学んだ曲のうち一曲を繰り返し流しておき、その後にもう一度、曲を弾いてもらったところ、睡眠時に聴いていた曲の方が記憶量が多く、上手に弾く事が出来たそうです。
 
なる程、これは非常に興味深い結果ですね。今回分かったのは、あくまで覚醒している時に学んだ内容の記憶の定着率をUPする事が出来るという事で、睡眠中に新しい知識を吸収できるという事ではありません。

しかしながら、勉強の効率を少しでもあげたいと考える方々には朗報と言えそうです。

寝ている間も起きている聴覚

睡眠中にはもちろん視覚や思考を使った学習は出来ません。しかしながら、外敵から身を守るための危険センサーでもある聴覚は、私達が眠っている間にもしっかりと機能して周囲の音を聴いています。
 
TVCMで頻繁に見かけるスピードラーニング教材や、最近すっかり一般的となったポッドキャストなどの代表選手に始まり、現在では100円ショップでも手に入る程、英語の音声教材は巷に溢れています。
 
通勤通学中、家で家事をこなしている間など、まずは日中の空いている時間に音声教材を聴く習慣を身につけて、更に効果を出したいという方は、睡眠学習を試してみるのも面白いかもしれませんね。