洋書の多読学習

今回は洋書の多読学習をご紹介します。主に対象は中級〜上級レベルの方になりますが、現時点での英語力そのものよりも、「読書が好き」という方により向いている方法だと思います。

英語力と一言でいっても、実際にはいろいろな能力の総合力を意味しています。

シンプルな分類としてはリーディング/ライティング/リスニング/スピーキングのようにわけられますが、今回ご紹介する方法によって直接伸ばせるのは「リーディング力」です。

ですが、もっというと、大量の英文を読む(正確には「読み流す」もしくは「読み飛ばす」)ことによって、英文を読むこと自体に慣れることに、一番の目的はあります。

つまり、「英語の勉強」から一歩飛躍し、英語「で」読書をすることに慣れ、さらには楽しめる状態になることを狙いとしています。

英語「での」読書を楽しめるようになると、どうなるか?

読書好きの方にとって嬉しいのは、読める本の対象がぐっと広がることだと思います。

たとえば、アマゾンの日米サイトを比較してみると、英語書籍(約1,800万冊)は日本語書籍(約560万冊)3倍以上の本が販売されています。

また、単純にボリュームの問題だけではなく、それだけ規模が大きいということは、より多くの書き手が集まっているということでもあり、より良質な本が生まれる可能性も高いのではないでしょうか。

もちろん、そういった良質な本は日本語に翻訳され、日本語版が出版される機会も多いとは思いますが、原作を読めれば日本語版が出てくるまでの期間待つ必要もなくなります。

また、洋書に慣れることで英文自体への抵抗が薄まれば、英語で書かれたあらゆる文章も読めるようになります。そうなれば、手に入れられる情報の幅は、日本語だけの場合と比較にならないほど広がります。

さらには、自分の興味関心がある分野の英文に多く接することで、関連する語彙が増やすことができれば、その分野におけるリスニング力向上にもつながります。

「英文読解」から「英語『での』読書」へと発想を切り替える

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英語「での」読書は、従来学校などで教わってきた「英文読解」とはまったく異なる行為です。

「英文読解」では英文の一字一句を丁寧に追い、英文に出てくる単語や文法を正確に理解することが求められますが、英語「での」読書では、以下の3つのポイントが大事になってきます。

1. わからない単語や箇所は気にせず、どんどん読み飛ばすこと

正確に読むことよりも、読み通すことを優先する。

2. 興味のある本を選ぶこと

日本語書籍を選ぶときと同じ感覚で選ぶ。

3. ちょっとでも「つまらないな」と思ったら、気にせず読むのを止め、次の本を探すこと

ページが進まない理由は英語力不足ではなく、単純にその本が「つまらないから」かもしれない、と考えてみる。

実は、この3つのポイントを実行し、洋書の多読学習をするために、電子書籍はとても役に立ちます。そこで、次回は、Kindleを活用した具体的な方法をご紹介します。