実はたくさん!日本で受験可能な英語の資格・検定試験まとめ 前編」に続きまして、今回が後編です。

コツコツと地道に継続することが重要な英語学習。とはいえ、ただやみくもに勉強を続けていくだけでは、本当に力がついているかどうかは分かりません。

その努力の成果を測るのが試験。学習する上でのひとつの指標や目標にもなります。現在日本で受験できる試験/検定試験は約60種類。

前編では、一般的によく知られている総合的な英語力を測る試験を取り上げました。今回は後編として、より専門的な英語力を測る試験をご紹介します。

トライアル突破まで気が抜けない!翻訳の試験

翻訳の検定試験に合格したからといって、すぐに翻訳職に就けるわけではないことに注意。上級資格を取得後、翻訳会社から出される「トライアル」(技能審査)を受けて合格することが、翻訳者への道のりとなっています。

JTF <ほんやく検定>

日本翻訳連盟が実施する試験で、実用レベルの1〜3級、基礎レベルの4〜5級と分かれており、すべてインターネットで受験できます。1・2級合格者は日本翻訳連盟Webサイト上に自己プロフィールを無料登録できます。

TQE:翻訳実務検定 (Translator Qualifying Examination)

株式会社サン・フレアが実施する試験で、1〜5級まであります。出願時に電気・電子、機械、IT・通信、医学・薬学、化学、環境などの科目の中から、自身の専門分野を選択して受験します。

3級以上の合格者はサン・フレアに翻訳者登録できます。各専門分野における原文解釈力と文章作成能力が評価されるため、より専門的な翻訳を仕事にしたい人向け。

JTA公認 翻訳専門職資格試験

日本翻訳協会が実施する試験で、インターネットで受験できます。毎回数名しか合格者しない超難関試験。

「翻訳文法技能試験」「翻訳専門技能試験」「翻訳IT技能試験」「翻訳マネジメント技能試験」の4科目すべてに合格し、2年の実務内容を審査する「翻訳実務経験審査」に通ると、JTA公認翻訳専門職として認定されます。

翻訳の検定試験の中でも、実務に即した内容となっているのが特徴。より実務経験を重視する会社に勤めたい人向け。

ビジネス英語翻訳士検定試験

BESビジネス教育学会が実施する試験で、ビジネス英語翻訳主任者、準翻訳士、翻訳士の全3レベル。ビジネス英語翻訳士は、準翻訳士に合格した後でないと受験できません。

知的財産翻訳検定

日本知的財産翻訳協会が実施する試験で、知的財産翻訳の中心となる特許明細書などの知的財産に関する翻訳能力を客観的に測ることができます。

1級合格者は本人の了承を得た上で、日本知的財産翻訳協会が「プロフェッショナルとして推奨できる翻訳レベル」として、Webサイトや関連業界紙などで氏名や答案を公表してくれるので、仕事獲得の機会に恵まれる可能性も。

旅行案内業には必須の「通訳案内士」……通訳の試験

通訳案内士(ガイド)試験

国土交通省主管の国家試験で、外国語を用いて旅行案内業を営む人は取得必須の資格です。試験は外国語についての記述式筆記試験、日本語によるマークシート方式の筆記試験とに分かれます。

ビジネス通訳検定(TOBIS)

通訳技能向上センターが実施する試験で、企業内で求められる通訳スキル、ビジネス知識を試せます。

逐次通訳試験と、同時通訳試験の2つの試験からなり、試験の成績に応じて1〜3級、準3級、4級を判定します。貿易会社、海外と取引を行う商社、外資系企業、通訳派遣会社などで働きたい人向け。

専門知識も要求される!専門分野別の試験

工業英語能力検定試験(工業英検)

日本工業英語協会(JSTC)が運営する文部科学省後援の検定試験で、1〜4級まであります。

英検やTOEICなどの一般の英語検定試験とは異なり、科学技術情報のコミュニケーションに必要な「工業技術英語」に特化していることが特徴です。専門技術を持ち、かつ専門分野の翻訳を目指す人向け。 

TEP TEST(早稲田大学-ミシガン大学テクニカルライティング検定試験)

ミシガン大学と日本テクニカルコミュニケーション協会 (JATEC)によって共同開発された試験。

選択式ではなくすべて記述式となっているため、国際ビジネスに不可欠な実務英語(レター・ファックス・E-mail などの通信、論文、提案書、契約書など)の運用能力を正確に測定できます。

TOPEC(Test of Professional English Communication)

プロフェッショナル イングリッシュコミュニケーション協会(IPEC)の実施する試験で、レベル1〜5の5段階となっています。

一般英語とは異なり、技術者や技術者を目指す人を対象とし、関連従事者の英語コミュニケーション能力を測定できることが特徴です。エンジニアリング・ITの基礎知識を用いて、仕事場で英語での意思疎通がどれくらいできるか試したい人向け。

観光英語検定試験 

全国語学ビジネス観光教育協会が実施する、文部科学省・国土交通省など後援の試験。

出題の内容は生活に密着した身近な英語ですが、出題は筆記、リスニングとも旅行、観光等に絞られており、空港や交通、ホテル、観光、ショッピングなどの実際場面を想定しています。

加えて観光に必須の文化(国内外・異文化)、地理、歴史の知識も問われます。海外旅行を楽しみたい人、旅行計画を独自で調整したい人向け。

BATIC(国際会計検定/Bookkeeping and Accounting Test for International Communication)

東京商工会議所が主催する試験。英語による基本的な会計取引(英文簿記)の理解度を問う「Subject 1」と、その応用的な知識である国際会計理論の理解度を問う「Subject 2」の2科目で構成されています。

ビジネスシーンで必要な英語力と国際会計スキルを同時に測ることができます。海外取引企業の財務報告書をチェックする人、国際会計スキルを試したい人、国際的な場で会計知識の必要な仕事をしたい人向け。

貿易実務検定

日本貿易実務検定協会が実施する試験で、貿易実務のエキスパートとしての能力・知識を客観的に測ることができます。レベル別にA級・準A級・B級・C級に分かれています。貿易実務職に就きたい人向け。

CGFNS(Commission on Graduate of Foreign Nursing Schools)

CGFNS(外国看護学校卒業生審議会)が実施する、米国で看護士として働きたい外国人向けの試験。日本で学んだ看護/医療内容を米国でも適用できるか審査されます。

受験資格は、高等学校を卒業していること、政府認定の2年以上の看護学校を卒業しており、内科、外科、産科、小児科、精神科、看護 の理論、臨床実習を修得していること、自国の看護師免許を取得していることの3点。

外国の看護学校卒業生が米国の看護師免許を取得していないために、病院などの雇用施設で不当な待遇を受けることの防止と、米国民に安全な看護を保証する目的で実施されています。

その他、秘書検定等

CBS(国際秘書)検定試験

社団法人日本秘書協会が実施する試験。

ビジネスを中心とした出題で、プライマリー試験はビジネス日本語、ビジネス英語、オフィス実務の3科目、ファイナル試験はオフィス業務管理、経営管理、秘書実務、日英両語による個人面接の4科目あります。外資系などで秘書職に就きたい人向け。

米国上級秘書資格(CAP検定)

米国秘書協会(IAAP)が実施する試験。

高い英語力とオフィスで働くに必要な業務能力である経営・人事・会計・IT・ビジネスコミュニケーション・情報管理など、非常に多岐に渡るスキル・知識の要求される試験のため、「プレMBA」と言われることも。外資系企業で働きたい人向け。

英単語検定

財団法人日本英会話協会が実施する試験で、純粋な「英単語力」を測る新しいタイプの英単語に特化した内容となっています。全100問の選択方式で、語彙を増やすトレーニングをしている人向け。

 

ご自身の学習目標・目的獲得スキルにマッチした試験/検定試験を選ぶことで、モチベーションをキープしながら英語学習に励めるのではないでしょうか。