英語の勉強で切っても切れないのは単語暗記です。例えば医者(doctor)という単語を知らないと、病院で患者のケアをする人(a person who takes care of patients in a hospital)と表現を代用しないといけなくなります。
更に、「でもよく考えてみたら、nurseもそうじゃない?うーん、どうしよう・・」と、堂々めぐりになった事がみなさんもあるかもしれません。
単語を覚えるのは、時間も手間もかかります。かといって、そこから逃げるわけにもいきません。少しでも精神的に楽に覚える作業に向き合えるように、ポイントを以下3点にまとめました。
1)知らない単語と20回出会う、とまず頭で理解する
認知言語の観点からは20回その単語と出会ったり使ったりすると使用言語になる、と私が出席した教員研修会の講師が言っていました。出会うというのは、聴く・読むだけでなく自分で使うのも含みます。
20回なので、何しろ根気が大事です。単語によっては20回でOKかもしれませんし、1回でOKかもしれません。最悪20、と理解しておきましょう。
ある単語への認識が何となくこんな感じかなぁというあやふやな状態だとします。もちろんミスから学ぶこともありますので、英語話者の友達やフィリピン英会話などで使用するならまだOKだと思います。
しかし、それでは怖くて職場ではEメールや会話では使えません。かといって、では辞書を引けば100%理解できて使いこなせるかといえば、もちろんそういうものでもありません。
継続して出会いながら、理解していくものだと思います。逆に言うと、「ネイティブの様に英語を学ぶ」というのが膨大な時間がかかるのはこれが原因です。
ある単語の意味が分からない状態で、文の前後から推測しながら単語と20回出会う暇があれば、一回辞書を引いて意味を覚えて、意味が分かった上でその後に何度も出会ったほうが使用言語にランクアップしやすくなります。
なので、取っ掛りを作る手間を惜しむのはむしろ使用言語へのランクアップの機会損失と言えなくもありません。
かといってかならず辞書を引くのも勧められないので、それぞれの英語力や文脈によって判断していただければと思っています。
2)忘れるのが前提で考え、復習を大事にする
天才だと、一度で英単語を100個覚えても忘れないかもしれません。しかし、普通の人間の記憶では100個覚えても1週間経つと20-30個位しか覚えていないそうです。
大事なのは、忘れた単語をできるだけ早めにもう一回覚えることです。それをしないと、最初に覚えた作業がムダになってしまいます。
私は、薄めの辞書をAからZまで読んで、知らない単語をカードに書いて全部覚えるという勉強をしました。その際に意識した点が3個あります。
- まずは過去に覚えたことのある親しみのある単語から使用言語にする
- 一度覚えられた新しい単語は、翌日・3日後・7日後・14日後位で復習する
- 覚えられない単語は相性が悪いか、タイミングが悪いので一回諦める
です。これは、即戦力になる単語を育成する事を主眼に置いた勉強戦略です。(3)で手を付けなかった単語は、勉強していくうちにどうせ出会うことになり、いずれ覚えられます。
大事なのは、「これだけやってるのに、覚えられない俺は本当にダメかもしれない」という気持ちに負けない事です。気持ちよく勉強できるように、自分でルールを作ってとにかく継続する事が大事だと思います。
3)特定の分野にしぼる
私のおすすめは、例えば英字新聞で特定の分野(例:野球の記事)だけを全部読むようにする事です。
英字新聞のメジャーリーグの欄だけを毎日読むようにして、わからない単語や表現は調べて、ちゃんと理解した上で一個一個丁寧に覚えてきます。
そうすると、野球の分野で使う単語や表現と出会う確率が上がります。その結果、野球関連の表現が使用言語になる可能性が上がります。
それを時事ネタで広げると尚更便利です。最近ですと、アベノミクスがブームなら円安・円高・国債・金融緩和といった表現は、記事を読めばかなりの確率で出てくるはずです。
なので、まとめてそれをこの機会に覚えてしまう、というのが効率の良い勉強の仕方だと思っています。以上3点に気を付けながら、私は単語を覚えました。私のイメージですが、単語は人間と似ています。
単語を覚えられないのは、その人の事をよくわかっていないだけで、その人がどういう人で、どういう仕事の仕方をするのか、といった事がわかると覚えやすくなります。
単語も、意味と使い方、用例にたくさん触れると忘れにくくなります。仕事でも、そういった手間を惜しんでいるとできるようになりません。
大事なのは相手のことを考えて、こちらが歩み寄る姿勢だと思います。単語暗記を通して単語の個性を理解できると、意外な使い方ができたりして面白いですよ!
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