2005年に久留米でスタートし、現在は西新にも校舎を構える「JET Communications(以下ジェット)」で体験レッスンを受けてきました。

非ネイティブ話者が増え、英語も多様化している現代。メディアやSNSをとおして色々な英語に触れることができるからか、ブロークンな英語を耳にする機会も増えたと感じます。

それにはいわゆる「若者言葉」も含まれますが、そのほかにも口語の文法変化があります。例えば「Do」を抜かした「You wanna hang out tonight?」など。

ルールを知った上で砕けた英語を話すのはOKでも、砕けた英語しか知らないのは少しリスクがあると個人的には考えています。ビジネスメールを送るとき、目上の人と話すとき、焦ってしまいますよね。

ジェットでは独自のメソッドをとおして「語順」を理解。ルールを応用して会話で使えるよう練習します。会話を楽しむだけでなく、正確な英語を相応しい状況で使うための工夫があるスクールです。

文法ルールが曖昧という初心者の方はもちろん、砕けた英語から入ってしまい正しい文法を理解せずに話しているという方にも向いていると思います。

記事の目次

ジェットの特徴は?

まずはジェットの特徴を3つ紹介します。

4歳~大人まで少人数で学べる。英検やTOEIC対策も

4歳~大人を対象としているジェット。英検・TOEIC対策クラス、法人向け英語クラスなど幅広いサービスを展開しています。

英検に関しては受験会場に登録されています。また春休みや夏休みには海外留学プログラムを行うなどの取り組みもあります。

大人はレベル1~8と細かくクラス分け。定員は各クラス6名ですが、レベルとスケジュールに合った既存クラスがない場合、新規のクラスを開講することもあるそうです。

そのため特にオープンから1年ちょっとの西新校では、グループレッスンの生徒さんが1~2人というクラスもあるそうです。

定員ギリギリまで生徒さんを入れたいと考えるスクールも多いと思いますが「できる限りレベルが近い生徒さん同士で学んでほしい」との思いがあるそうです。

クラスは曜日固定制ですが振替も可能と柔軟なシステム。支払いは月謝制で、月額10,800円〜です。

子どもクラスもたっぷり60分。確認テストあり

今まで訪問してきたスクールの子どもクラスは、1レッスン40分というケースが多かったように思います。一方ジェットでは、幼児コースであっても1レッスン60分とたっぷり時間が確保されています。

確認テストも全クラスで導入。幼少期から日本語と英語の違いをしっかり意識しながら学習し、確認テストを通して確実な定着を図るシステムです。

四技能を伸ばす。色分けで語順を覚える独自のメソッド

ジェットでは四技能の育成を重視。日本人がより効果的に英語を習得するためのメソッドを長年研究してきた校長のAndrew先生が中心となり、独自の教材とメソッドを開発してきました。

そのひとつがカラーで品詞を区別して語順を覚えるメソッド。こちらも幼児~大人までの全クラスで導入しているそうです。

ジェット西新校に行ってきました

今回は西新校におじゃましました。空港線の西新駅から歩いて4分ほどの場所にあります。

受付には、のちほどインタビューもさせていただいたスタッフのケンダルさん。

無駄なものがなくシンプルな印象の校舎です。「学習に集中できる環境」にこだわっているそうです。

かなり広々としており、確かに落ち着いて勉強できそうです。このようにレッスンルームにも十分なスペースが確保してあります。

先生と生徒さん同士が向き合い、さらに全員がホワイトボードを見やすいよう工夫されています。

校長のAndrew先生によるマンツーマンレッスン

設立者である校長のAndrew先生。カナダ出身で、講師歴は約20年というベテランの先生です。

「語順を理解するために色分けをする」「日本語と英語の違いを理解して応用力を身につける」などの特徴を持つジェット。これらのメソッドをより深く理解するための説明を交えたレッスンでした。

さっそくAndrew先生がホワイトボードに疑問詞を書いていきます。

What / Which / When / Where などの疑問詞が並びますが、これらは大きく2種類に分かれるとのこと。「名詞句」が答えになる疑問詞と「副詞句」が答えになる疑問詞です。

名詞句と副詞句の違い、そして求める答えや状況によってどの疑問詞を使うのが適切か、アンドリュー先生が詳しく説明してくださいます。

Andrew先生:パーティーで女性に声を掛けるときは「名詞句」が答えになる疑問文は使わない方がいい。

例えば「Which house do you live in?(=答えが that house などの名詞句)」と聞くよりも、

「Where do you live?(=答えが in Fukuoka などの副詞句)」のほうが女性も家を特定せずに答えられるでしょう?

相手に与えるニュアンスを考えて疑問詞を選ぶというのは、今まで気にしたことがなかった部分です。そして疑問詞の種類を学んだところで、語順理解に役立つという「色分け」についてです。

  • グリーン:主語(Subject)
  • ブルー:助動詞(Modal/Auxiliary) 例:Can・Will・Do・Doesなど
  • オレンジ:アクション(Action)
  • レッド:その他の詳細(5文型でCにあたるもの)

Andrew先生:疑問詞で始まる質問では、疑問詞のあとに必ず「ブルー(助動詞)」が来ます。

特に初心者の方は、複雑な文章になればなるほど、語順で混乱してしまうこともあると思います。例えば「Why were you late?」というべきところを「Why you were late?」と言うなど、疑問詞のあとに主語を持ってきてしまうミスもありますね。

そのためこのように色分けをして語順を覚えるのは、とても分かりやすいと感じました。

当レポートでご紹介しているのはほんの一部ですので、ジェットの独自メソッドについて詳しく知りたい方はぜひご自身でレッスンを体験されてみてください。

そして体験レッスンでは「日本語にとらわれず英語を理解すること」の大切さを学べる、こんな例もありました。

Andrew先生:私がコーヒーをこぼしてしまい、スタッフが部屋に入ってきたとします。私が「I'm getting a towel.」と言えば、それはもう行動に移そうとしている状態。スタッフが「私が行きますよ」と言える余地はないと思います。

でも私が「I'm going to get a towel.」と言えば、スタッフはおそらく「I will get you one.」と言って代わりにタオルを取ってきてくれるでしょう。

日本の中学高校では現在進行形は「何かをしている最中」と学びます。ですが私もずっと英語を勉強しているので、現在進行形は「未来」を表すこともあるというのは知っていました。

ただ現在進行形と「Going to ~」の違いを意識したことは、ほとんどありませんでした。未来を表す現在進行形は、その人の意思が固まっており、ほぼ必ず行動に移す場合に使うのですね。

ネイティブにしか分からないニュアンスの違いもあると思うので、このようにシチュエーションと一緒に説明してもらえると、次から自分も使い分けようという気になります。

さらに「Some」と「Any」に関する、こんな話も。

Andrew先生:肯定文には「Some」を、否定文と疑問文には「Any」を、と習いませんでしたか?

:そうですね、そう習いました。

Andrew先生:ジェットではこう教えます。「Some=One or more」「Any=Zero or more」

Andrew先生:ホラー映画を思い浮かべてください。不気味な声が聞こえる、でもその人の姿は見えない。怖くなった主人公は「Is somebody there?」と言うでしょう。

空き家に入って、念のため誰もいないか確かめる時には「Is anybody there?」というセリフが出てきます。AnyとSomeを入れかえてしまうと、会話が成り立たないんです。

これはとても分かりやすい例であり、ストンと頭に入ってきました。日本語では「誰かいる?」と同じように訳せるかもしれませんが、英語では意味が全然違います。

「Is somebody there?」は「誰かがいるのは分かっているとき(=One or more)」に、「Is anybody there?」は「誰もいないかもしれないとき(=Zero or more)」に使うのですね。

日本語も堪能なAndrew先生。ときに日本語のルールと比較しながら英語のルールを分かりやすく説明してくださいました。

「ルールを覚えて応用力と表現力を伸ばす」というジェットのこだわり、そしてAndrew先生の言語に対する幅広い知識と教育への情熱を感じたレッスンでした。

Andrew先生とケンダルさんにインタビュー

体験レッスンのあとはAndrew先生と、スタッフのケンダルさんにお話を伺いました。

暗記するのではなく理論を理解する。「What to learn」ではなく「How to learn it」にフォーカスします

ーー 色分けで語順を覚えるのは、分かりやすいなと感じました。

Andrew先生:名詞・動詞・形容詞などを「木」とします。でも木ばかり集めても家は立てられないですよね。ネジも必要だし、家を建てるための知識も必要です。

日本人は単語をたくさん覚えようとするけど、それらをどのように「Put together=組み合わせる」かを理解することがとても大切なんです。

ーー 「Some」と「Any」の違いなど、知っておけば応用が利くルールも学ぶことができました。暗記に頼らず正しい表現を使えるようになるための工夫なのでしょうか。

Andrew先生:そうですね。私は「何を学ぶか」ではなく「どうやって学ぶか」を生徒さんに伝えていきたいと思っています。むやみに記憶するのではなく理論を理解すること。

そして問題解決力(=Problem soloving skills)を身につけること。この力は英語学習だけでなくビジネスや人間関係にも役立つと思います。

ルールを知って応用ができれば、表現の幅を効率的に広げることができます。難しい単語を使って複雑なことを説明しようとするのでなく、シンプルな英語を正しく使うことが大切だと思います。

ーー 確かにルールを覚えて応用できれば、効率的に英語が学べますね。

生徒さんとの何気ない会話の中で弱点を見つけ、そこにフォーカスしてレッスンを行います

ーー 講師の方々について教えていただけますでしょうか。

ケンダルさん:講師はほとんどが英語ネイティブで、日本語も話せます。レッスンでは主に英語を使いますが、必要に応じてニュアンスの違いなどを日本語で説明することもあります。

ーー ネイティブの感覚を知るために日本語で説明が受けられる、というのは嬉しいですね。

ケンダルさん:そうですね。また教材の多くをAndrew先生がオリジナルで作成しています。

例えば簡単な動詞「run」にしても「走る」だけを教えるのではありません。「うまく進める」つまり「運営する」などの意味もあります。

ーー ネイティブがその単語を「どのようなイメージと意図を持って使っているか」理解できるのですね。「四技能を伸ばすレッスン」と書かれていましたが、普段のレッスンはどのように進むのでしょうか。

Andrew先生:普段のレッスンではスピーキングの機会を多く設けています。文章を読んで色分けするエクササイズをしたり、学んだ文章を使って質問→解答で会話練習をしたりもします。

ケンダルさん:会話の中で「この生徒さんはここが理解できていないから、今日のテーマにしよう」と判断することもあります。

例えばAndrew先生は「Reported speech(間接話法)」は日本人が苦手とする部分だとよく言っています。会話の中でミスが見つかれば、そこにフォーカスして練習するという感じです。

ーー たくさんのオリジナル教材を用意しているからこそ、そのような方法で補強することができるんですね。

ケンダルさん:そうですね。そしてこのような教材も用意しています。これは多読教材です。子どもクラスの生徒さんは無料で使えて、レッスンに取り入れることもあります。大人も月800円で利用できますよ。

ーー レッスンでは話す機会が多く、またリーディングを伸ばせる工夫もあるということですね。

まとめ

ジェット代表のAndrew先生による、熱意を感じるレッスン。英語と日本語の成り立ちを深く理解しているAndrew先生が、ネイティブが自然に使い分ける表現を分かりやすい例とともに説明してくださいました。

また正しい語順で話せるようになるための「色分けメソッド」普段私たちが難しく考えすぎてしまう部分を、シンプルですっきりとまとめたメソッドだと感じました。

レベルに合った少人数クラスで学び、正しく自然な英語を使って話せるようになりたい方。無料体験ではマンツーマンでレッスンを受講することができますので、ぜひお試しください。