渋谷駅から徒歩5分という好立地にもかかわらず、1時間1,100円から英会話カフェを楽しむことができる「アルファ英会話カフェ&スクール」で体験レッスンを受けてきました。
最近、オフィスビルが急増している渋谷という立地にありながら、留学生や面白い経歴の持ち主の講師が多く、ビジネス色が前面に出ていない点にとても興味がありました。
今回体験に行って感じたのは、アルファ英会話カフェ&スクールは英語力が初級でも上級でも会話を楽しめる場所であり、多様なバックグランドを持つ講師とカジュアルに交流できる場所だということです。
ビジネス目的で来ている「英語を学習『しなければならない』人」よりも、「英語を使って人生を楽しむ人」が多い点も魅力のひとつだと感じました。
- 初級者も上級者も、英語力を問わず英会話を楽しめる
- 類推力を鍛える英会話レッスンも受講できる
- 英語に関するイベントを多数開催
以下で特徴についてお伝えいたします。
アルファ英会話カフェ&スクールの特徴
アルファ英会話カフェ&スクールは「英会話カフェ」と「英会話スクール」が一緒になった場所です。
居心地のよいカフェのような雰囲気のなか、ネイティブと英会話を楽しんだり、レッスンを受講したりすることができます。
英語力を問わず、気軽に会話を楽しめる英会話カフェ
アルファ英会話カフェ&スクールに一歩足を踏み入れると、英会話カフェというより「アーティストが好きで始めたカフェ」のような印象を受けます。
おしゃれで居心地のよい内装とレイアウトのカフェには、忙しい渋谷の雑踏から離れたリラックスした雰囲気が漂っています。
英会話カフェは予約不要・1時間1,100円と格安なだけでなく、初心者と上級者をきっちり分けることで、みんなが会話を楽しめるよう工夫されています。
初心者と上級者が同じテーブルにつくと、上級者とネイティブ講師ばかりが話して初心者が置き去りになってしまうケースもあるのが実情。それを防ぐための工夫です。
単に「英語を話せる場所を用意しました。あとはご自由に」ではなく「初心者の方が少しずつでも英語を話せるように工夫している」点は、英会話に苦手意識がある方にとってはよい環境です。
また新しい取り組み「PlusALPHA」。アルファ英会話カフェ&スクールが、都内や横浜のカフェやレストランで主催している英会話カフェです。
仕事帰りや学校帰りにも立ち寄りやすく、より英会話や異文化を身近に感じられそうですね。こちらは予約制となっています。
単語や表現が分からなくても「類推する力」を養うレッスン
本格的に英会話を学びたいという方向けに、アルファ英会話では英会話レッスンも用意しています。特徴的なのはテキストがない点です。
代表の戸塚さんがアメリカで英語を習得した際に感じた「テキストを順番に進める学習よりも、不十分な英語力であっても相手が何を言おうとしているのかを類推する学習が大切だ」という点を踏まえています。
具体的にどのようなレッスンを行うかについては、後ほど紹介いたします。
学びも遊びも一生懸命。イベントをたくさん開催
留学生、DJ、アーティストといった様々なバックグラウンドを持つ講師がいる関係で、イベントの種類も豊富です。
例えば「洋楽で英語を学習する方法」「Be the DJ party (好きな曲を持ち寄ってかけよう)」「バレンタイン カクテルパーティー」など多種多様です。
現在東京では、ビジネスのために英語を学ぶスクールが急増しています。しかし、アルファ英会話の魅力は「ビジネス目的」が中心ではないところ。
「英語を使って人生を楽しみたい」という方にとっては、イベントを通じて多様な文化に接する機会になります。
アルファ英会話カフェ&スクールに行ってきました
アルファ英会話カフェ&スクールは、JR山手線・JR埼京線・東急東横線・東急田園都市線・地下鉄銀座線・半蔵門線・副都心線が乗り入れる渋谷駅から徒歩5分の距離にあります。
宮益坂を登っていき、1本入ったところにアルファ英会話はあります。ビルの1Fがハワイアンハンバーガーで有名な「クアアイナ」なので大変分かりやすいです。
クアアイナの入り口の右側に、アルファ英会話の入り口があります。
エレベーターで6Fに上ると、すぐにアルファ英会話の玄関です。
ドアの中に入ると、アーティストが集う場所であるかのようなカフェが広がっています。
実際にこの後会話させていただいた講師も「アーティスト」で、代表の戸塚さんも以前は役者を志していたと伺い、納得しました。
ちなみに私が行ったときは、生徒さん2名がネイティブ講師との英会話を楽しんでいらっしゃいました。
8人ほど座れる大きな机が奥にあり、手前には4名掛けのテーブルが2つ、2名掛けのテーブルが1つあります。
そして受付がバーカウンターのようになっており、カウンター越しに講師と話ができるようになっています。
英会話カフェを体験
筆者は、アルファ英会話のカフェを体験させて頂きました。本日の講師はアメリカ・ジョージア州アトランタ出身のSteffen先生です。
筆者が会話をはじめたタイミングでは、他にカフェのお客さんがいなかったので、マンツーマンでフリートークを行いました。
Steffen先生:I moved to Japan four and a half years ago and I really like living here. I got into freelance photography and event production...
お父様がアメリカ人、お母様が日本人という家庭に育ったSteffen先生。以前から日本で暮らしたいという願望があり、現在は日本暮らしを楽しんでいるそうです。
現在はフリーランスの写真家、ヒップホップの作曲家、イベントの企画と運営などを行うという多忙ぶりです。
ーー ヒップホップは黒人(アフリカ系アメリカ人)の文化という認識があるのですが、どういうきっかけでヒップホップに興味を持ったのですか。
先生:私は父が白人で、母は日本人です。父はロック音楽が好きなのですが、私の住む家の近くにはヒスパニックやアフリカ系の人たちが多く住んでいたこともあり、ヒップホップを聞くようになりました。
7歳の時にはもう自分でラップしていたほどです。
ーー アメリカではいま、ヒップホップが最も大きな音楽ジャンルの市場になっています。これはなぜでしょうか。
先生:ビートが流行にマッチしていると感じます。数年前までは、ダンスミュージックが大流行していましたが、今はダンスミュージックの曲調もヒップホップ的になっているほどです。
インターネット発で多くのヒップホップのアーティストが登場してくるのも大きいですね。まさに 「Internet changes everything」といってよいと思います。
ーー アメリカのヒップホップを聞いていて思うのが、ドラッグとの関連です。麻薬に近い作用がある咳止めシロップを薄めて「purple, purple syrup」と言って四六時中飲んでいるラッパーの映像を先日見ました。
先生:ヒップホップのアーティストの中には、実際にドラッグを使っている人もいれば、そうでない人もいます。ただ、マーケティング的にはそういう危険な香りを匂わせるほうが得策だったりもします。
現在アメリカでは、いわゆる違法なドラッグよりも「Prescription drug(処方箋を出して入手する薬)」の濫用の方が問題になっています。
かなりナチュラルスピードで話されていたSteffen先生。約30分間、お互いの興味関心が共通する点について楽しく会話できただけでなく、アメリカの事情についても学ぶことができました。
カリキュラムにガチガチに沿ってしまうレッスンでは聞けないであろうリアルな話題。アルファ英会話カフェ&スクールに通い続ければ色々な国から来た講師と話せるため、異なる文化や考え方に親しむことができます。
1時間1,100円という低価格で、視野を広げる第一歩を踏み出せる環境だと感じました。
アルファ英会話カフェ&スクール代表の戸塚さんにインタビュー
続いて、アルファ英会話カフェ&スクール代表である戸塚さんにお話を伺いました。
ーー さきほど会話させていただいたSteffen先生を始め、講師陣が面白い経験を持っていますね。
戸塚さん:ありがとうございます。アルファ英会話では、英語を教えた経験があるかどうかよりも、面白い経験を持っているかを重視しています。
例えば、留学生がよい例です。日本に留学に来ているということは、日本について、日本文化について勉強していることが多いので、話していてとても楽しいです。
Steffen先生も面白い才能をいくつも持っているため、興味深い話がたくさんできます。
ーー アルファ英会話自体が非常に面白い場所だと思いますが、始められた経緯について教えてください。
戸塚さん:私は日本生まれですが、小学6年生で「合唱留学」をしています。アメリカのペンシルベニア州という場所です。
14年間ほどアメリカで過ごして日本に戻ったときに、役者になるという夢と、英語を教えるという夢を持っていました。
英語を教えるためには、他の英会話カフェに入社しようと思い、いくつかの英会話カフェや英会話スクールで教えました。
しかし英会話スクールの多くでは、いくら講師が面白い経歴を持っていたとしてもテキスト通りに教えないといけないので、とてももったいないと感じました。
そしてテキスト通りの学習ではなく、講師の個性を最大限に生かしたカフェ・レッスンを行うためにアルファ英会話をはじめました。
ーー テキストがないとなると、どのようにレッスンを行うのですか。
戸塚さん:当校オリジナルのプリントを使うこともあれば、インターネットの教材を使うこともあります。例えばこちらのプリントはインターネット教材のひとつです。
このプリントには太字で
- plucked up the courage
- fell head over heel
- had a huge row
といった表現があります。これらの表現はいずれも、多くの人は見たことのない珍しい表現。英語を話す上で大切なのは、知らない単語や表現があっても、文脈から意味を類推する力です。
これらの表現を一つも知らなくても、文脈から意味を考えることで「たぶんこういう意味なのではないか」と類推できるようになります。アルファ英会話のレッスンでは、こうした力を養っています。
ーー 見慣れない英語を理解する類推力、そして知らない英語表現を何とか表現する力も重要ですよね。
戸塚さん:おっしゃる通りです。例えば生徒さんに「おじいさんは山に薪を取りに行きました」という言葉を英語で説明してくださいといったとします。
生徒さんは「薪」という単語で詰まって固まってしまうことが多いのですが、ここで固まってしまうのではなく
- tree, cut, fire…
などと知っている単語を並べて表現すると、相手には
- firewood のことだ
と通じます。英語でどう表現すればよいか分からない言葉があっても、すぐに辞書を引くのではなく、まずは今ある英語力で何とか意味を伝えようとすることが大切だと思います。
そして、もう一つ重視しているのは「レッスンボケにならない」ということです。
ーー レッスンボケ、ですか。初めて聞きました。
戸塚さん:英会話のレッスンに出ると、講師が
- Hi, how are you?
- Where did you go last weekend?
といった形で会話を切り出してくれて、それに対して回答するだけで、講師がどんどん会話を膨らましていってくれます。これで「英語を話せるようになった」と思ってしまうこと、これが「レッスンボケ」です。
しかし実際に外国人と会話するときに、こんなに親切に会話をリードしてくれることはまずありません。よって自分で考えて話を切り出して、会話をつないでいかねばなりません。
黙っていても、誰も話しかけてくれません。よって生徒さんから話を切り出す、生徒さんが会話の主導権を握る。生徒さんが質問して、会話の流れを作る。
生徒さんが「レッスンボケ」せずに、会話の主導権を取れるようになるよう、レッスンを行っています。
ーー ビジネス英会話全盛のこの時代に、ビジネスが前面に出ていないのが逆に面白いと感じました。
戸塚さん:「英語を勉強したい、ビジネスで使いたい」という人よりも、「英語を使って楽しみたい」という人が多いのが、アルファ英会話の特色かもしれません。
講師のバックグラウンドも多様なので、それが影響しているかもしれませんね。
ただ最近は他の英会話スクールに通っているが、あまり発話するチャンスがないという理由でお越しになる方も増えています。
またSTTといった英語のスピーキングテスト受験が会社で義務付けられているビジネスマンが、会話の練習にお越しになることもあります。
それ以外にも、法人向けに「英会話カフェのデリバリー」を行っています。従業員の英語力強化や福利厚生の一環として、ネイティブ講師を派遣してお客様先で「英会話カフェ」を行っています。非常に好評です。
まとめ
アルファ英会話カフェ&スクールは、1時間1,100円から利用できる英会話カフェと、今ある英語力で類推する力、そして生徒さん自身が会話の主導権を握れるように自分から話に行くための力を養うレッスンの両方を提供しています。
筆者がお伺いした際にも生徒さんが2名いらっしゃいましたが、初級~中級ほどの英語力でネイティブの先生と積極的に会話されているのをみて、その主体性が素晴らしいと感じました。
英語を学んでいるが話す場所がない、自分から話すのはどうしても気が引けてしまう、もっとカジュアルに英語を楽しみたいという方には、アルファ英会話はピッタリな場所です。
ぜひ一度気軽に訪ねてみてはいかがでしょうか。