今回行ってみたのは、近年注目度の高いコーチングスタイルを導入している「ALUGO(アルーゴ)」です。

記事の目次

コーチングスタイルとは

まず従来の英会話教室とコーチングスタイルのスクールの大きな違いを表にまとめました。

  従来の英会話スクール コーチングスタイルのスクール
特徴 週に1度教室に通い、英会話レッスンを受ける 毎日の学習成果を、カウンセラーに報告
自習時間 週0~1時間 1日2~3時間x週5回
費用 月1~3万円 月10~15万円
通学期間 半年~数年以上 2ヶ月~1年

ALUGOの他にもTOKKUN ENGLISHトライズスパルタ英会話などが代表的なコーチングスクールです。英語の必要性に迫られている社会人を中心に人気を集めているようです。

ALUGOってどんなスクール?

ALUGOの母体である株式会社alue(アルー)は、新入社員研修や海外派遣研修など幅広い人材育成サービスを提供している会社です。

ALUGOのプログラムは多くの会社で英語研修の一環として取り入れられていますが、現在は個人のお客さんも増えてきているとのことです。

ALUGOでは1日平均2時間の学習を目指すのですが、最大の特徴は通学が一切不要であること。これから詳しく紹介するレッスンやアセスメントは全て電話で行われるので、日本のどこにいてもサービスを利用することができます

期間は2ヶ月

受講期間は2ヶ月で、Standard・Lite・Basicの3コースから選択できます。Standardプランの料金は360,800円(税込)。内訳として下記サービスが含まれています。

Standardプランのサービス内容

(1)アセスメント&フィードバック

(25分+50分)x2回

(2)英語レッスン 25分x48回
(3)バイリンガルセッション 50分x10回
(4)Speaking Rally(スピーキングラリー)

1日2回まで添削

(5)チャットでのサポート 平日毎日
(6)その他 ・ALUGOアプリでの宿題
・リスニング練習
・各々のレベルに合った単語学習や例文学習

(2)英語レッスンと(3)バイリンガルセッションを合わせると週平均7回レッスンがあります。そして月当たりの料金はおよそ18万円。レッスン回数が多く、内容が充実しているのが特徴です。

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

(1)独自のアセスメントシステム

各々に適したカリキュラムを作成するために必要なのがアセスメント。生徒さんは約25分間外国人コーチと1対1で通話し、コーチは生徒さんのレベルを13項目別に評価します(A~Eの5段階)。

13項目の内一番弱いと判断された項目にレベルを合わせるため、1項目でもD以下の判定が出た場合はALUGOレベル1からのスタートとなります。

実際はほとんどの生徒さんがレベル1からスタートするとのこと。入会後は1ヶ月に1レベルアップが目標です。

そして生徒さんの業種・アセスメント結果・就業時間などを考慮しながら、学習内容や1週間のスケジュールを決めていきます

(2)英語レッスン&(3)バイリンガルセッション

(2)英語レッスン(25分x48回):外国人コーチ担当

1週間に約4回電話で受講。毎日7:00~23:00に開講しており自由に予約ができます。ALUGO独自の「ホワイトボード機能」を使うと、講師がタイプした単語をスマホ画面で確認できます。ビジネス関連のトピックに対して意見を述べる練習が多いようです。

(3)バイリンガルセッション(50分x10回):日本人コーチ担当

1週間に1回電話で受講。時間帯は平日18:00~22:00、原則曜日固定制です。与えられた日本語を瞬間的に英訳する「瞬間口頭英作文」を行います。

学習の成果をチェックしたり、学習法を見直したり、英語力向上のためのアドバイスをしたりもします。

英語レッスンとバイリンガルセッション終了後には必ず「フィードバックメール」が届きます。レッスン中のミスや新しく学んだフレーズなどが表示されているため復習に役立てることができます。


(バイリンガルセッションのフィードバックメール)

そして英語レッスンやバイリンガルセッションには「ALUGOメソッド」が取り入れられています

ALUGOメソッドとは

単語や文法はスピーキングやリスニングに必要な知識の部分と考えるALUGO。

日本人が中学や高校で蓄えた知識をスピーキング力やリスニング力に活かすために開発されたのがALUGOメソッドです。ALUGOメソッドには以下のような特徴があります。

・3秒以内の返答を心がける

レッスンでは「主語だけでも良いから3秒以内に解答を始めよう」と生徒さんにリマインドします。長すぎる沈黙を避けることで、双方向性のコミュニケーションが成り立ちます。

・正しい文法を使い、完全な文を話す

「この動詞には目的語が必要?」など考えながら完全な文章で発話することで、文型や文構造をより深く理解できるようになります。意思疎通における誤解も減らすことができます。

・詰まることなく話す

単語が思い出せない時は類語を咄嗟に使うよう心がけます。レッスンではスラスラ話せるまで同じ文章を繰り返し練習。自分の考えをより詳細に伝え、相手からもより多くの情報を聞き出せるようになります。

(4)Speaking Rally

Speaking RallyはALUGOが独自で開発したウェブサービス。日替わりで表示されているトピックに対して解答を考え、パソコンに向かって1分間スピーチをします

するとマイクが音声を拾い、自動的に文章を書き起こしてくれます。トピックには General と Business の2種類があります。

  • General(一般)
    例:ストレスに対するあなたの解消法は?
  • Business(ビジネス)
    例:親と同じキャリアを歩む典型的な職業は?

私も実際にSpeaking Rallyを使ってみました。選んだのはビジネストピック。録音ボタンを押すとカウントダウンが始まるので、1分間パソコンに向かって話し続けます。

かなり正確に聞き取ってはくれますが「Umm…」などの言葉は別の単語に変換されてしまいます。

ピリオドやコンマも自分の意思とは異なる場所に挿入されてしまうので、そのあたりは書き直して提出したほうが良さそうです。スピーチを提出して、翌日画面を開くと…


 しっかり添削されていました。私が話した内容をコーチならどう話すかというお手本まで付いています。

毎日スピーチを提出していると、自分が話すスピード(WPM=Words Per Minute=1分当たりの語数)がどのように推移しているかも確認できます。

スピーキングに自信が無い方はまず原稿を作ってから話すのも良いと思います。自信が付いたらトピックを読んで即座に解答してみましょう。

外出中で話せないという方は解答を全てタイピングすることも可能です。Speaking Rallyは、英語面接や資格試験(スピーキングやライティング)にもかなり役立つと思います

(5)チャットでのサポート

コーチングスタイルのスクールに欠かせないのがカウンセラーの存在。ALUGOのカウンセラーさんの多くは英語での実務経験を持つ方々です。レベルとしてはTOEIC900点以上の実力が目安とのこと。採用時には論理的説明力を測るテストも実施しています。

生徒さんとカウンセラーさんが普段のやりとりに使うのは Chatwork。ここで学習進度の確認を行います。英語レッスンで疑問に思った点についても質問することができます。

(6)その他

1日2時間という学習には、一人ひとりのレベルに合わせた単語学習や例文暗記の時間も含まれています。単語学習は記憶が定着すると言われる就寝前に一度、起床後にもう一度行うなどの工夫があります。

株式会社alueのオフィスに行ってきました

この度、私 Kyoko がALUGOの母体である株式会社alueに行ってきました。オフィスは九段下駅から歩いてすぐの場所にあります。

まずはデモレッスン

まずは生徒さんが週4回程度受講するという電話レッスンを体験させてもらいました。事前に伝えていた私の携帯番号にフィリピン人コーチから電話がかかってきました。

まずはお互いに自己紹介。そしてALUGOメソッドにあった通り「3秒以内に解答を始める」「完全な文章で答える」というルールを説明されました

質問トピックは、

If you were to start your own business, what kind of business would that be?

でした。私は現在カナダに住んでいるので

I currently live in Canada, and if I were to start my own business there, I would open a Japanese Language school…

と解答を始めました。コーチは私の解答を一字一句タイプしていました。通常レッスンではこのタイプした文章が添削された上でフィードバックメールとして届くようです。

発信元は03から始まる東京の番号で、通話品質は良かったと思います。しかし相手の顔が見えない分、Skype通話よりもさらに注意を払わないと全てを聞き取るのは困難です

仕事で電話を取る必要がある方には大変良いトレーニングだと思いますが、英語初心者の方には少しハードルが高いかなという印象です。

デモレッスンを受けてみたい方は公式サイト(無料カウンセリング)から申し込むことができます。

無料カウンセリングの所要時間は全部で約1時間とのこと。内容としては事前アセスメントによる課題の特定+デモレッスン+学習計画作成です。

担当者へインタビュー

そしてデモレッスンの後はALUGOの担当の方にインタビューさせていただきました。

Q:入会時の英語レベルの目安はありますでしょうか

A:TOEIC500点前後のレベルがあると、ALUGOのプログラムをより効果的と感じられると思います。ALUGOではビジネスで使える英語力を目指すため、ある程度の基礎知識をお持ちの方を主な対象としています。

Q:生徒さんの学習成果を示す具体的な数字はありますか?

A:2ヶ月でTOEIC S&Wの点数が200点満点中20点ずつ上がったなどという話を伺っています。ただALUGOではビジネスに通用する会話力やコミュニケーション力を重視しているので、試験の点数にはこだわっていません。

生徒さんからは「社内の昇格試験に合格しました」「海外で仕事があった時、以前よりも流暢に話せていることに気が付きました」などの声をいただいています。

Q:生徒さんのモチベーション維持のためにされていることは何ですか

A:英語レッスンで疑問が残った場合でもすぐにカウンセラーに連絡ができるシステムを整えていること、そしてレッスンのフィードバックやSpeaking Rallyの添削機能で自身の成長を実感できることです。

「理解できた」「このトピックについて話せるようになった」という達成感を感じることができます。また週単位で具体的な目標を立てることも大切にしています。

Q:コーチングスタイルを採る他社と比べて、ALUGOならではの強みは何だとお考えですか

A:まずは電話でレッスンが受けられる点です。校舎へ通う時間を省けるだけでなく、Skypeとは違ってWi-fiが無い場所でも受講できます。

講師側からコールをするので生徒さんが電話代を負担することもありません。カウンセリングも電話で行うので東京に住んでいない方でもサービスを利用できます。

また自分が発した英語を客観的に振り替えられる点や、ビジネス関連のトピックに対して意見を伝える機会が多い点も強みだと思います。

まとめ

1日2時間x2ヶ月の学習を通してビジネスに直結する実践力を目指すALUGOのカリキュラム。フィードバックや添削などのシステムが充実しているため、自分が発した英語を見直し、学んだことをしっかり定着させられると思います

コーチングスタイルのスクールは関東在住でないと利用しにくいケースが多いですが、ALUGOなら関東以外にお住まいの方や出張中の方でも利用できますね。